JFA新会長・宮本恒靖のリーダーシップに期待!日本サッカー発展に必要なものとは?

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2024年06月09日 08:10  TVerプラス

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6月8日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25〜)は、日本サッカー協会(JFA)の新会長となった宮本恒靖が登場。会長就任の経緯や日本サッカーへの思いなどについて、MCの勝村政信や解説の槙野智章らと語り合った。

今年の3月に、戦後最年少となる47歳で第15代会長に就任した宮本は、選手や監督として日本サッカー界を支え続けてきたレジェンドの一人。現役時代はセンターバックとして、2度のW杯に出場するなど、その実力は誰もが認めるところ。宮本と同じく元日本代表として活躍した槙野は「日本代表のセンターバックの5番をつけることへの憧れがある。僕ら世代はやっぱり恒さんを見て育ったので。5番の選手がゲームを作るとか、締めるというのは、恒さんが作ってきたものだと思います」と、その功績を称えた。

さらに宮本はアンダー世代の各代表でキャプテンを務め、2001年には25歳の若さでA代表でもキャプテンマークを巻いている。ただし、宮本本人は「小学校のときも学級委員誰にしようかみたいな話になったときに、なんか“宮本くんがいいと思います”みたいなことを言われるようなタイプやったんですよ」と、自分の意思ではなく、あくまでリーダーを任されるタイプであることを強調。それでも勝村は「普通のスポーツ選手とかと見ている角度が違うような気がしていて。誰からも信用されるし、安心感がありますよね」と宮本のキャプテンシーを指摘した。

そんな宮本のリーダー気質について、現在は南葛SCに所属する元日本代表の稲本潤一が証言。宮本とガンバ大阪で7年間共にプレーした元チームメイトは、あるエピソードを披露する。練習後の食事の席にて、当時20歳くらいだった宮本はベテラングループに混じって、食後にブラックコーヒーを飲んでいたという。食後はすぐに帰ってしまっていた稲本は、宮本の姿を見て、「あ、ブラックコーヒー飲まなあかんねやって思った記憶があります」と述懐。宮本にとって食後のコーヒータイムは、ベテランとの距離を縮めるための時間だったそうで、槙野は「20歳でベテランのところに入って話をしに行くっていうのは、なかなかできないですよ」と感心していた。

宮本は、その高いコミュニケーション能力をピッチ上でも発揮している。2004年のアジアカップ準々決勝で行われたPK戦にて、宮本は日本のPK失敗は劣悪なピッチによるものだとし、審判にサイドを変更して欲しいと英語で直談判。この要求が通って日本はPK戦に勝利し、宮本はアジアカップ優勝の立役者になった。

常にリーダーシップを発揮し続けてきた宮本だが、具体的に日本サッカー界のトップを意識するようになったのは、2002年に開催された日韓W杯だったという。この大会に日本代表として出場した宮本は「ピッチ上の景色やお客さんの姿を見て、サッカーがこの国で大きなものになってほしいなと思いました。それを実現するために、いつかはディシジョンメイキング(意思決定を下す存在)をやろうかなという思いはありました」と打ち明けた。

2011年に現役を退いてからは、FIFAマスターへ進学して、日本人初の卒業生に。FIFAマスターとは、スポーツ研究国際センター(CIES)が設立した国際的なスポーツビジネスのリーダーを育成する大学院のことで、宮本は未来のスポーツ界を担う世界中のリーダー候補生と生活を共にして、つながりを深めていった。

FIFAマスターでさらなるキャプテンシーと国際的な感覚を身につけた宮本の会長就任に大きな期待がかかるが、サッカーファンからは「JFAの会長がどんな仕事をしているか知らない」という声も。そこで、番組では新会長の宮本に密着。会長室でデスクワークからはじまった宮本の1日は、重要な会議やミーティングなどが目白押し。海外出張も多く、タイ・バンコクで行われたFIFAの総会では日本代表を世界にアピールした。

帰国後には能登半島地震の被災地をサッカーで盛り上げるプロジェクトにも参加。海外からJリーグに派遣された審判たちと交流を図るなど、多忙を極めていた。国内外問わず奔走するのは、すべて日本サッカーのため。しかし、サッカーファンからは新会長・宮本の掲げたマニュフェストに対し、疑問の声も挙がっていた。

宮本は会長就任時にW杯ベスト8以上を目指すと公言。サッカーファンからの「W杯の目標は常に優勝でいいのでは?」という意見に対し、宮本は「その意思はすごくわかるんですけど」と理解を示しつつも、「やっぱりそんなに簡単じゃない。例えば今まで優勝国って8か国しかない中で、ベスト16であればその8か国と当たったときに必ず勝たなければいけない。そういう難しさはあるなというのは常々思っていますね」と回答。槙野も、選手は優勝に対して意識を向けているとしながら「現実的な目標っていうのはちゃんと設定しなくてはいけない」と説いた。

一方で、選手たちの“目線”は高くなってきているという。日本は過去4大会でベスト16止まりだが、現キャプテンの遠藤航はチームメイトに対し、「若いとかベテランとか関係なく、このチームがW杯でどうやったら優勝できるかを考えて行動して欲しい」と話しているのだとか。

宮本はそうした選手の意識の向上を頼もしく感じていると言い、同時に日本が勝つためには選手層の厚さも重要だと主張。2026年に開催される北中米W杯では、出場枠が16か国増加し、合計48か国で行われることになる。宮本は「今まで7試合勝てれば優勝できたけれど、今度から8試合になります。で、移動も出てくる中で、やっぱり選手層が厚くないと、そういったタフな大会はたぶん勝ち抜けないと思っています」と分析した。

次回6月11日の放送も、引き続き宮本がゲスト出演。宮本の思い描く日本サッカー界のビジョンが明らかになる。

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