日本競馬に“スピード革命”をもたらした風雲児 種牡馬としても活躍した「サクラバクシンオー」とは

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2024年06月11日 08:00  netkeiba

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種牡馬としてサクラバクシンオーの血を受け継ぐビッグアーサー(c)netkeiba
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【サクラバクシンオー】

 母サクラハゴロモはアンバーシャダイ(天皇賞(春)、有馬記念)の全妹なので、血統的に生粋のスプリンターというわけではないのですが、抜きんでた天性のスピードを誇り、スプリンターズSを連覇するなど1400m以下では12戦11勝。芝1400mで1分20秒の壁を破った日本初の馬でもあります。その父サクラユタカオーは芝1800mと2000mの日本レコードを樹立した中距離向きのスピード馬で、2代父テスコボーイはトウショウボーイ、テスコガビーなどの父で、1970年代の日本競馬にスピード革命をもたらしました。

 種牡馬としても大成功し、JRA通算1435勝は歴代9位。2010年に芝1200mで歴代ナンバーワンとなる年間53勝を挙げました。今後も破ることは難しいと思われる大記録です。

 ショウナンカンプ、グランプリボス、ビッグアーサー、シーイズトウショウ、ベルカント、カノヤザクラなど多くの活躍馬が出ており、サイアーラインはビッグアーサーを通じて発展の兆しがあります。キタサンブラックの母の父、ピクシーナイトの2代母の父でもあります。

 函館スプリントSは、1着サトノレーヴの母の父、3着ビッグシーザーの2代父がサクラバクシンオーで、2着ウイングレイテストの母の父がサクラユタカオー。上位3頭はすべてテスコボーイの血を抱えていました。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「JRA2歳種牡馬ランキング1位のナダルについて教えて」

 ここまで4頭出走して2勝、2着1回、着外1回。キズナとサートゥルナーリアを抑えて賞金ランキングのトップに立っています。

 現役時代はアメリカで走り、ダート9ハロンのG1アーカンソーダービーなど4戦全勝。スタミナと底力に優れた血統構成で、豊富な筋肉量に恵まれたアメリカンタイプの大型種牡馬ですから、ダートでは相当やれるだろうという見方はあったのですが、芝でこれだけやれるのは嬉しい誤算です。優れたスピードを内包しているので芝向きの仔を出せるのでしょう。

 勝った2頭、ヒデノブルースカイとポートデラメールは、いずれも母の父がディープインパクト。馬格の乏しい繁殖牝馬に、雄大な馬格を誇るナダルを交配する、という意図を持った配合が少なからずあり、小柄なディープ牝馬がナダルのもとにたくさん集まりました。母の芝適性が産駒に伝わっている部分もあるかと思います。

 本質的にはパワー型で、芝では瞬発力勝負よりもスピードの持続力を活かしたレーススタイルが合うでしょう。芝で凡走した馬のダート替わりは買い。秋から冬にかけて、ダートの番組が増えてくるとさらに成績は向上しそうです。

このニュースに関するつぶやき

  • ユタカオー✗サクラハゴロモ(ノーザンテースト)この構成で短距離馬にはならない。ユタカオー産駒は万能とは言え実は父よりも長距離実績を持つ。
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