逆走でペナルティ/ウォーマー禁止への懸念/体重がタイムに及ぼす影響etc.【ル・マン24時間火曜Topics】

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2024年06月12日 17:50  AUTOSPORT web

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2024年ル・マン24時間レース 出場車両集合写真
 6月9日のテストデーのあと、10日月曜、11日火曜と走行はなかったサルト・サーキット。WEC第4戦ル・マン24時間レースのレースウイークの走行開始を翌日からに控えた火曜日のサーキットから、各種トピックスをお届けする。

■今年の“優勝”はフェラーリ

 火曜日はル・マン24時間レースの公式練習開始を前に、ピットウォークとサイン会、そして3度目の開催となる『ピットストップチャレンジ』が行われた。

 フェラーリAFコルセが9.68秒のタイムでチャレンジのトップに立ち、これはプジョーが2023年に記録した10.067秒というベンチマークタイムを超えた。LMGT3とLMP2の競技では、それぞれチームWRT(10.65秒)とAO・バイ・TF(10.75秒)がトップとなった。

 また、午前中にはドライバーの集合写真撮影、夕方には車両の集合写真撮影が行われた。

■アルナージュでのトラブル

 クール・レーシングの47号車オレカ07ギブソンは、ル・マンの新人フレデリック・ベスティがテストデー中にトラックリミット違反を頻繁に犯したため、水曜日午後のフリープラクティス1で5分間のストップ・アンド・ホールドペナルティを受けることになる。

 一方、ランボルギーニ・アイアン・リンクスのドライバー、マッテオ・カイローリは、アルナージュでスピンした後、コースを逆走したため、30秒間のストップ・アンド・ゴーペナルティを受けた。このイタリア人ドライバーには、ペナルティポイント1点も与えられた。

 関連するスチュワード・ブルテンには、「アルナージュ・コーナーの出口でスピンした後、ドライバーはコースを逆方向に100メートル近く走行し、アルナージュコーナーの入口のエスケープロードの右側で停止した。その後、ギヤボックスに問題があり、リバースギヤに入れることができなかったため、トラックマーシャルの助けを受けた」と記されている。

 さらに「スチュワードは、これが2024年ル・マン24時間レースの補足規則の第9.1.1条に違反していると判断した。レース中は逆方向に走行することは固く禁じられている」とある。「車両が危険な状態にある場合、ドライバーは逆方向に運転するのではなく、トラックマーシャルの支援と指示に従わなければならない」

 Sportscar365は、19号車ランボルギーニSC63が、3月のセブリング12時間に参加したシャシーと同じものではないと理解している。これは、テストデーの前にマニクールでシェイクダウンされた、新しく製造されたシャシーだ。

■キャデラックの改善点

 キャデラック・レーシングのスコット・ディクソンとアレックス・パロウは、先週末のロード・アメリカでのインディカー・ラウンドの後、米国から飛行機で月曜日の夜にフランスに到着した。ル・マンでのルーキーであるパロウは、インディカーの活動の合間の5月、義務付けられたACOシミュレータートレーニングを行うためにフランスに渡っていたものと思われる。

 アレックス・リンは、12カ月前のル・マンデビューと比べてキャデラックが達成した大きな進歩のひとつとして、ソフトウェアの改善を挙げている。

「ツールがドライバーの入力とどのように相互作用するかが問題だ」とリンはSportscar365に語った。

「ハイブリッド車では、ドライバーがクルマのバランスを改善するために利用できるツールがたくさんある。昨年は非常に優れたツールがあったと思うが、今あるものはその2倍か3倍優れているかもしれない」

■前戦好走のプロトンにトラブル

 プロトン・コンペティションのニール・ジャニは、日曜日の午後のテストセッションの大半を99号車ポルシェ963のクルーが欠場することになった電気系統の問題の影響を軽視した。

「セットアップの大幅な変更を試みたのだが、残念ながら電子系統の問題に遭遇し、貴重なトラックタイムを失った。だけど、僕らは全員車のことをよく知っているし、週の後半よりもいま起きた方がよかったと言わざるを得ない」

 最終的に22番手となったプロトンの963のペースについて、ジャニは次のように付け加えた。「ペンスキー(ポルシェ)がどこにいるかは分かっているし、1秒も遅れるわけではない。また、テストデーと比べて状況はかなり変わると思う。今週は気温がかなり下がりそうだからね」

■体重10kgで0.4秒?

 フェラーリのドライバー、ジェームス・カラドは、現在のドライバー体重規則(最低車重にドライバーが含まれない)は、F1世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンが将来ル・マンに参戦するのを思いとどまらせる可能性があると考えており、同じクルマに乗るドライバー間の体重差が10kgあると、サルト・サーキットでのラップタイムが0.4秒遅れることになるだろうと見積もっている。

「F1ドライバーたちが、このせいでル・マンに参戦しないと言っているのを目にする。おそらく(規則制定者が)報道を読めば、規則を変えるだろう。ビッグネームの1人(フェルスタッペン)が、このせいで参戦しないからだ。体重の不平等では、彼は公平に競争できない」とカラドは語っている。

■プジョーのディ・レスタの懸念

 多くのハイパーカー・ドライバーが、今年のル・マンにタイヤウォーマーなしで参戦することに抵抗を感じていない一方で、プジョーのポール・ディ・レスタは反対の意見を述べている。

「条件が適切でないと、非常に難しい。コンディションがまちまちだったり、夜が非常に寒かったりすると、ピットから出てきたときには危険に近い状態になると思う」と彼は語った。

「彼らが何を達成しようとしているのかは理解しているが、タイヤはもっと開発する必要がある。(昨年から)何も変わっていない。昨年僕らがここにいたとき、とても暑かったし、寒くて湿った時間帯が心配だ。タイヤはまだ準備ができていないと思う」

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