大迫勇也を封じ切れず悔しい敗戦 広島DF中野就斗「もっと成長しないと」

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2024年07月07日 18:45  サッカーキング

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大迫(左)とボールを奪い合う中野 [写真]=J.LEAGUE
「もっと成長しないといけないなと気付かされた試合だった」。相手のエースを封じ切れず、悔しい敗戦。ただ、この経験をDF中野就斗は糧にする。

 サンフレッチェ広島は5日、明治安田J1リーグ第22節でヴィッセル神戸をホームに迎えた。11分にFW武藤嘉紀のクロスからFW大迫勇也にヘディングシュートを叩き込まれて先制を許したが、17分にMF東俊希のクロスをMF新井直人が頭で合わせて同点。しかし、52分にMF広瀬陸斗の勝ち越しゴールを浴び、71分には大迫のボールキープをカウンターの起点に最後はMF山口蛍に追加点を決められて1−3で敗れた。

 中野は3バックの中央でフル出場し、神戸のキーマンである大迫勇也とマッチアップ。空中戦の競り合いでは力強いプレーを発揮して勝てるシーンもあったが、球際や駆け引きで日本屈指のストライカーにうまさを見せつけられた。

 1失点目は相手のクロスが入ったときに大迫を捕えきれず、「うまくマークを外された。ニアのクロスもあるかなと警戒していた中で、本当にうまく外された」と振り返る。3失点目はクリアボールを収めた大迫と激しく競り合ったが、カウンターの流れを止められず、「ファール覚悟でつぶせばよかった」と悔しさを滲ませた。

「特に大迫選手にやられてしまったので、そこは反省しないといけない。対応できていた部分もあるけど、個人としてもチームとしても、ああいう選手に100パーセント勝たないといけない」

 Jリーグ屈指のストライカーとのマッチアップ。やられた悔しさはあるが、この経験を成長の糧にできるのが中野就斗だ。

「いままで対人した選手の中で間違いなく一番すごいと感じた。キープの仕方、ボールの隠し所、クロスの入り方は本当に嫌なプレーをしてくるので、そこは学ばないといけない。今日プレーできて、こういう選手もいると感じることができたので、それを成長につなげていきたい」

 大卒2年目の24歳はミヒャエル・スキッベ監督のもとで右ウイングバックの主力として台頭。持ち前の対人能力を活かしつつ、攻撃面の課題と向き合って急成長を遂げた。今季はケガが続くDF荒木隼人の代わりにセンターバックでプレーする機会が多く、本職で堂々のパフォーマンスを見せてチームを救ってきた。

 順調に成長を続けているが、まだまだ伸び代はある。中野は、「守備における強さだったり、対人で負けないことだったり、そういうところの基準を上げていくことでチームを勝たせられる選手になれると思うので、そこはこだわっていきたい」と力を込め、「負けたのは悔しいけど、もっとやらないといけないなと気付かされたので、また気持ちを切り替えてやっていきたい」と前を向く。その姿にはさらなる成長への予感が漂っていた。

取材・文=湊昂大
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