北米スバル、最高出力680PS/922Nmを誇る“怪物”WRX『プロジェクト・ミッドナイト』を初公開

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2024年07月12日 20:40  AUTOSPORT web

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「これまでで史上最速の軽量ターマックスペシャル」と謳う2024年型WRX『PROJECT MIDNIGHT(プロジェクト・ミッドナイト)』を初公開
 アメリカ大陸でスバルのモータースポーツ活動を牽引するスバル・モータースポーツUSAは、現地7月9日付けで「これまでで史上最速の軽量ターマックスペシャル」と謳う2024年型WRX『PROJECT MIDNIGHT(プロジェクト・ミッドナイト)』を初公開。今週7月11〜14日の期間に開催される“Goodwood Festival of Speed(グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード/GWFoS)”にて、世界的に有名なヒルクライムに挑む。

 先日来、先行してティーザー画像が披露されていた同車は、2020年型スバルWRX STIをベースとした『Airslayer(エアスレイヤー)』の発展版となり、そのエアスレイヤーが人気動画“Gymkhana 2020”に出演した際には、アクティブリヤウイングで車両の空中姿勢を制御しながら約230フィート(約70メートル)のジャンプを決めるなど、ワイルドなスタントを披露していた。

 スバルのモータースポーツパートナーであり、米国ラリー協会(アメリカン・ラリー・アソシエイション/ARA)やエクストリーム系ラリークロス選手権『Nitrocross(ナイトロクロス)』に参戦するバーモントスポーツカー(VSC)が製作したなかで「最速のクルマになることを唯一の目標としている」今回のモデルは、数々のジムカーナ出演やタイムアタック記録の樹立を経て「純粋な舗装路でのスピードに特化したらどうなるだろうか?」との疑問から開発がスタート。最高峰のF1からラリークロスまであらゆる競技での経歴を持つ契約ドライバー、スコット・スピードの手に委ねられる。

 オールカーボンファイバー製となるボディは「2500ポンド(約1133kg)を大きく下回る」重量に留められ、先のエアスレイヤーより約300ポンド(約136kg)軽く、標準のWRXより1000ポンド(約454kg)軽量とされる。

■「まさに野獣のようなマシン」とスピード
 外観ではチームがARAのオープンクラスに投入する『WRX ARA24グラベルラリーカー』に搭載されるウイングを大幅に拡大したバージョンを特徴とし、新規開発されたターマック専用サスペンション・ジオメトリーに加え「クルマをトラックに張り付かせる」ために、18x11インチのOZ Racing Superturismo LMPマグネシウムホイールと280/650R18ヨコハマADVANスリックに換装している。

 ボンネットの内部には、初年度のNitroRXでタイトルを獲得したラリークロス・プログラムにルーツを持つ最新の2リッター4気筒ボクサー・ターボが搭載され、レブリミットの9500rpmまで常用可能とし、最高出力670HP(約680PS)と680lb-ft(約922Nm)のトルクを発生する。

「スバル・モータースポーツUSAとバーモントスポーツカーの開発チームは、まさに野獣のようなマシンを届けてくれた」と、このクルマのステアリングを握るファクトリードライバーのスピード。

「このクルマを運転すると、明らかにラリークロスのルーツを持っているが、幅広のタイヤやトレッド、さらに新しいジオメトリーにより、非常にユニークな感覚と信じられないほどのグリップが得られる。まさに究極のドライビングマシンで、半分はラリークロス、半分はスポーツカーだ。ドライブするのが本当に楽しいよ」

 今回のGWFoSでも、盟友トラビス・パストラーナがドライブする1983年式スバル・レオーネ(GLワゴン)がベースの『Family Huckster(ファミリー・ハックスター)』とともにヒルクライムに挑む予定で、パストラーナは昨年のタイムド・シュートアウトで惜しくも2位に終わっていた。

 しかしスバル・モータースポーツUSAによれば、デビュー戦となるこのGWFoSも『プロジェクト・ミッドナイト』にとって数多くの挑戦の最初の一歩に過ぎず「新たな挑戦に挑み、新たな記録を打ち立てる」ためにクルマの開発を続けることを明言している。
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