ユウキは夕食を食べた後も、お風呂に入った後も、やはりすぐに自分の部屋に籠ってしまいました。私に話したところで解決したわけでもありませんし、ずっとすっきりしない気持ちのままなのでしょう。私はリビングでひとりぼんやりと考えます。さっきより少し冷静になってきました。
あれこれ考えた結果、私はひとつの案を思いつきます。
そのとき、夫が帰宅しました。私はユウキから聞いたことや、今自分が考えていることを話します。
いつも明るくて元気な夫は、学生時代も友達が多かったそうです。だから人と話すのが苦手で、友達がいないユウキの気持ちはわからないのでしょう。
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いっぽう私は昔からおとなしく、クラスでも目立たないほうだったので、多少なりともユウキの気持ちがわかります。
「第一、そうやって子どもたちの好きに班決めさせたら、もう一度ユウキがハブられるだろ。どうするんだよ」夫の言葉に、思わず本音が出ました。「修学旅行を休ませてもいいかなって……」
それから私と夫は話し合いましたが、私は「休ませる」という消極的な案、夫は「耐えろ」「うまくやれ」「気合いだ」と力技な案ばかり……なかなか意見が交わることはありません。どうすることがユウキにとってベストなのか、わからなくなってきました……。
「休ませる」のがあまりよくない案だというのは、私もわかっています。そして夫の言うこともよくわかります。
ここでいろいろ乗り越えられたら、ユウキにとってまたとない成長になるでしょう。ですがやっぱり乗り越えられなくて、最悪の思い出になる可能性もあるわけで……。
2泊3日、人間関係を我慢し続ける修学旅行だなんて、考えただけで地獄です。
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【後編】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・編集部 作画・春野さくら 編集・塚田萌