“苦悩”と“学び”の8カ月…ビジャレアルFWピノが大ケガからの復活を語る「自分の体をよく知ることができた」

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2024年07月22日 20:02  サッカーキング

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大ケガから復帰したビジャレアルのFWピノ [写真]=Getty Images
 大ケガから復帰したビジャレアルのFWジェレミ・ピノが、胸中を明かした。21日、スペイン紙『アス』が伝えている。

 20日に行われたレスターとのプレシーズンマッチで、“イエローサブマリンの至宝”がピッチに帰ってきた。ビジャレアルのカンテラ出身で、2020−21シーズンに17歳でトップチーム昇格を果たしたジェレミ・ピノは、1年目から公式戦37試合に出場し7得点を記録するなど台頭。以降も前線の主力として活躍すると、アーセナルやリヴァプール、ナポリといったクラブが関心を示した。が、昨年10月に悲劇が襲う。左膝前十字じん帯断裂。トレーニング中に負傷した同選手の2023−24シーズンは、開幕から約2カ月で幕を閉じたのだった。

 ビジャレアルのクラブ公式インタビューに登場したピノ。「久しぶりにプレーするということで、試合の前夜から緊張していた」とボールを蹴ることを待ち望んでいたと口にした上で、負傷した当時を振り返った同選手は「正直なところ、予想していなかった。だから、MRI検査で前十字を断裂していることが分かったと告げられた時は、とても辛かったよ」と回想。続けて「歩けるようになって、体力も戻ってきた頃、マドリードの病院で検査を受けたら、(負傷箇所が)バクテリアに感染していることが判明した。その日のうちに、即手術だった。さもなければ、またゼロから始めることになっていただろう。ただ当時は、自分に何が起こっているのか分からなかった」と合併症にも悩まされたことを明かした。

 そんなピノには、リハビリ期間を支えたくれた存在が多かったようだ。同選手は「この8カ月間はとても大変で、一緒に耐えてくれた両親と妹のことを思い出す。僕を正しい道に導く方法を知っていたね。彼らからの復帰祝いの言葉は特別なもの」と家族に言及。さらに「ラミン(・ヤマル)と、同じ境遇のガビ(昨年11月に前十字じん帯断裂)からもメッセージを受け取った。彼ら2人もまた、僕を大いに助けてくれた存在」とバルセロナの2選手の名前を挙げている。

 実戦復帰を果たした今、ピノが次に照準を合わせるのは、来月19日に控える2024−25シーズンのラ・リーガ開幕節だ。約10カ月ぶりの公式戦出場も現実味を帯びているが、「目標は立てないでおく」と前置きしつつ、「8月19日に飛行機に乗って、ミスター(マルセリーノ監督)の力になりたい。今回のことで、日々の細かいこと、遠征、食事、チームメイトと過ごす時間…そういったものをより大切にしようと思う。この過程は困難だったけど、それは学びの過程でもあった。自分の体をよりよく知ることができたよ」と得たものがあったことを述べている。

 最後に、「僕たちはいつも一緒に階段を上って、カンテラからここに着いた」と語ったピノは、戦友に“とある願い”を託した。今回の負傷さえなければ、EURO2024か、パリオリンピックのどちらかには出場していただろう同選手は、U−23スペイン代表として活動中のMFアレックス・バエナに「彼が金メダルを持って帰ってきて、パーティーを開いてくれるといいね」と期待を寄せている。

 EUROやオリンピックと失った時間や経験は、たくさんある。ただ反対に、この回り道で気づけた学びも、確かにある。新シーズン、ビジャレアルの“至宝”FWジェレミ・ピノのさらなる輝きに注目だ。
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