パリ五輪にも負けない熱気! 「くら寿司」の従業員が“技術”を競う大会「KURA-1グランプリ」に初潜入<取材レポ>

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2024年07月31日 22:30  クランクイン!トレンド

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くら寿司「KURA‐1グランプリ」の様子  クランクイン!
 第3回「全国くら寿司『KURA-1グランプリ』」が、7月31日(水)、大阪・東貝塚で開催された。本コンテストは、全国の「くら寿司」店舗の中から、各エリアの予選を勝ち抜いた店舗のスタッフが、お持ち帰り、ネタ切り、デザートの3部門を通して、技術No.1店舗を決めるイベントだ。今回で3回目の開催となる本コンテストだが、これまで一般向けに情報発信を行っておらず、今回初めてメディア向けにその様子が公開。なぜ開催されることになったのか? どのようなコンテストなのか? 謎に包まれた本大会の様子に迫る。

【写真】寿司詰め、ネタ切り、パフェを盛り! 初公開された「KURA-1グランプリ」の様子

■「くら寿司」の全国大会、なぜ開催?

 今回開催された「KURA-1グランプリ」は、全国の店舗の中から、予選を勝ち抜いた22店舗(各3名)が、お持ち帰り部門、ネタ切り部門、デザート部門から成る3部門で作業レベルを競い、合計点の最も高い店舗をグランプリに決定するコンテスト。

 そもそも「くら寿司」の全国大会ともいえる本コンテストは、なぜ開催されることになったのだろうか? 「くら寿司」広報担当者に話を聞いたところ、以前から各エリアで、接客に特化した「接客コンテスト」は実施していたものの、実際に商品を作成している、厨房の作業やスタッフに特化した大会がなかったことが開催の理由だそうで、「大会を通してお客様によりよい商品を届けるために切磋琢磨する機会を作ると同時に、厨房スタッフのモチベーションアップにつながればと思い開催を決めました」と語った。

 本コンテストは、技術力の高さが認められるだけでなく、グランプリ(金賞)、銀賞、銅賞、そして各部門のMVPには、金一封と食事券が贈呈。己のスキルを試せると同時に、うれしいご褒美も用意されている。とある店舗は「絶対勝ち取ってこの後みんなでご飯に行きたいと思います!」と熱い思いを胸に挑んでいた。

■パリ五輪に負けない! 白熱する大会

 そんな本コンテスト会場は、まさに現在開催中のパリオリンピックにも負けない熱気であふれていた。この日は、北は北海道、南は福岡、全国22エリアから集ったスタッフが「くら寿司」の制服である青い法被を身にまとい会場入り。各エリアごとに分かれたテーブルに着席すると、コンテストに向けて作戦会議をしていたり、緊張をほぐすべく会話をしていたりと、それぞれの時間を過ごしていた。

 熱気に包まれる中、大会がスタート! 各部門とも共通する審査基準は、スピード、丁寧さ、マニュアルに沿っているか、そしてお客様目線になれているかの4つ! どれだけ早くても提供に足るクオリティーでなければ減点、反対にどれだけ丁寧でも提供スピードが遅いと減点に。また、マニュアルから逸脱した“我流”での作業も減点ポイントだ。全国展開する大型チェーン店だからこそ、誰でも美味しく作れるポイントを押さえたマニュアルの内容に沿うことは、「くら寿司」クオリティーを守るためにも大事な要素なのだ。

 実際に「お持ち帰り」部門に挑むスタッフの作業を見学。各店の店長クラスのスタッフがそばで見守る中、課題となる「人気10種セット」6人前を作成していくスタッフたち。素早くシャリを容器に詰め、その上にネタを乗せ、軍艦にネギトロをしぼり、そして順序よくセットしていく様子には、業務で鍛えたスキルとこの大会に向けて重ねた努力が感じられた。

 また、「ネタ切り」部門では「はまち」の皮を剥いて既定のグラムに合わせてカット、「デザート」部門では「くら寿司」の人気メニューである「パフェ」の盛り付けを実施。いずれも熟練の技がキラリと光っており、思わず「すごっ…」とつぶやいてしまうほど圧倒される。

 決勝戦では、予選を勝ち抜いた足立青井店(東京)、一宮尾西店(愛知)、千葉駅前店(千葉)の3店舗が激突! 予選とは審査対象のメニューが変更になり、惜しくも予選を敗退した各店、「くら寿司」マネージャー陣、メディアが見守る中、次々に作業を進めるスタッフたち。1秒でも早く作る、少しでも丁寧に作る、誰よりも最高の商品に仕上げる…そんな思いが聞こえてきそうなほど、会場は緊張感に包まれていた。

 審査の結果、第3回のグランプリには一宮尾西店店に決定! 発表された瞬間、涙を流しながらハグしあうスタッフの姿に、会場からは惜しみない拍手と「おめでとう!」という祝福の声が飛び交う。最後は店舗の垣根を超えた写真撮影なども実際され、温かな空気のまま大会の幕が閉じた。

 今回メディア向けに初公開された「KURA-1グランプリ」。普段は厨房という場所にいるため私たちの目に留まりにくいものの、日々努力を重ね、技術を磨くスタッフたちがいるからこそ、美味しいメニューを味わえているのだと再確認できる大会だった。
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