歌舞伎俳優・尾上右近が2日、自主公演『第八回 研の會』に向け、大阪市内で行われた取材会に出席し、意気込みを語った。『研の會』は、右近が2015年から情熱を注ぐ自主公演で、今年初の大阪公演(8月31日・9月1日、国立文楽劇場)が実現する。「今年は、東京・大阪で各4公演と最大規模を誇る。いままでの人生で一番気合いが入っている」と張り切った。
【写真多数】自分の転機となった場所…大阪で決意を語った尾上右近
演目には「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)」も選び、右近は「この作品は、インドの神話を大阪の摂州に置き換え、大阪を舞台にした物語。大阪は、大きなお役をさせていただき、自分の転機となった場所でもある。大阪にゆかりのある演目をやりたかった」と説明した。
もう一つは「連獅子」を披露し、尾上菊五郎の孫で、寺島しのぶの長男、尾上眞秀と共演する。右近自身がこれまで4人の親獅子(市川團十郎、市川猿之助、尾上松也、尾上菊之助)のもとで仔獅子を演じてきた経験を踏まえ、「4人の先輩から学ぶことがたくさんあった。眞秀さんにも何かを受け渡したいという気持ちがあって、オファーした」と語った。
「連獅子」は、実の親子が演じることも多いが、眞秀とは、互いに歌舞伎俳優でない親を持つ共通点があり、右近は「血は水よりも濃いといわれる世界で、血より濃い水があるということを彼と共有したい」と気合十分。すでに5月から練習も始めているといい、「連獅子をやめたいというところまで追い込み、その先にある新しい景色を一緒に見たい。愛情過多かも」と笑顔を見せた。
歌舞伎を見たことがない人や若い世代には、自身がプロデュースするレトルトカレー「ケンケンカレー」を買いに来るついでに歌舞伎を見に来てほしいとアピール。「歌舞伎を見たら、うっかりハマっちゃうぐらい、責任を持って面白い歌舞伎をお届けします。生右近に会いに来て」とアピールした。
大阪のほか、東京公演(9月4日・5日、浅草公会堂)を予定する。