3年ぶり表彰台のKeePer石浦宏明「次は真ん中」。速さと巧さが光った大湯都史樹の大仕事/第4戦富士

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2024年08月07日 12:10  AUTOSPORT web

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ペースに勝る14号車ENEOS X PRIME GR Supraと3番手の座を争い、この勝負を制し3位表彰台を獲得した38号車KeePer CERUMO GR Supra 2024スーパーGT第4戦富士
 8月3〜4日に富士スピードウェイで開催された2024年スーパーGT第4戦富士において、トヨタ勢最上位の3位となった38号車KeePer CERUMO GR Supra。同じくトヨタ陣営の14号車ENEOS X PRIME GR Supraとの接戦を制し表彰台に立った石浦宏明と大湯都史樹が、真夏の350kmレースを振りかえった。

 予選でトップ3を独占したホンダ・シビック・タイプR勢に次ぐ4番手からレースをスタートした38号車KeePerは、石浦がファーストスティントを担当。前を走る64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTを追いかけるなか次第にペースが落ち、21周目のストレートで後ろから迫ってきた福住仁嶺がドライブする14号車ENEOSに先行を許してしまう。しかしそこから大きく離されなかったことが、のちの逆転につながったと石浦は語った。

「(14号車ENEOSを)しのぎきれませんでしたが、思ったほど離されずにピットに入れました」と石浦。

「そのあと前に出ることができたのも含めてギリギリの位置だったのではないかと思いますし、あれ以上離されていたら(14号車ENEOSの)アウトラップでも前に出られなかったと思います」と34周目と35周目のアンダーカットによる5番手から3番手への浮上が紙一重の状況だったことを明かした。

 そのアンダーカットを成功させたもうひとりの立役者である大湯は、ミニマムに近い31周目にピットインした石浦からステアリングを受け継ぐと、コースイン直後からハイペースで飛ばしていく。その後ライバルのピットイン後に3番手に浮上することになったが、ファーストスティントが短かった分、タイヤと燃費の部分ではレース後半の長いスティントを走り切るためにセーブする必要があったという。

 大湯はタイヤと燃費のマネジメントについて「走り始めからずっとやっていました」と明かす。38号車KeePerは同門の14号車ENEOSと競っていた前半スティントで予定よりも「若干」多く燃料を使ってしまっていたため、その分を後半スティントで稼ぎ出す必要があった。

「若干ですけど普通に走っていたら最後まで保たない状況だったため、よりセーブ気味に走らないといけなかった」と説明した大湯。

「また、クルマのセットアップ的にもちょっとレースペースが厳しい状態でした。燃費を気にしなくてよければドライビングのほうで、ある程度バランスをよくさせることもできなくはないのですが、燃費の関係もあったせいでバランスなりにしか走れない状況でもありました」

■大湯が成し遂げた大仕事

 そんななか大湯は、背後につける14号車ENEOSを振り切り最終的に2.4秒という僅差で3位フィニッシュ。チームにとっては2021年第6戦オートポリス以来となるポディウムフィニッシュとなった。「なんとか早いうちに『まずは表彰台に立ちたい』という目標を持っていたので、これでチームとしても流れもよくなると思います」という石浦は今季2024年からコンビを組む大湯の走りを称賛した。

「(2021年から)4位ばっかりだったので最後、大湯が粘っている状況は皆ひやひや。大湯はいろいろなこと、とくにタイヤと燃料をマネジメントしないといけない状況だったんですよ。ただ単純に全開で走ればいいというわけでもなかったので、頭をフル回転させて後ろとのキャップを見ながら走ってくれていました。すごい大仕事をやってくれたなという感じです」

 当の大湯は「ペースを落とさずタイヤを守りつつ、かつ14号車ENEOSとの間合いを考えGT300のクルマをうまく使ってギャップをできる限り広げたりしていた」とレース後半のドライブを振りかえり、「本当に考えることは多かった」続けた。

「明らかに14号車ENEOSのほうがファーストスティントからペースが良さそうで、僕のスティントのときも微妙に14号車のほうがずっと早かったですし、彼らとの間合いをうまく調整しながら、なんとか抑え切ったという感じでした」

 そんな大湯にとっては26歳の誕生日を自ら祝うバースデーポディウム。石浦にとってはチームと同じく3年ぶりの嬉しい表彰台獲得となったが、43歳のベテランの視線はすでにもう一段、二段高い場所に向けられている。

「富士の表彰台は、今までも立川さん(長年コンビを組んだ立川祐路監督)と上る回数も多かったので『この景色久しぶりだな』という感じでちょっと嬉しかったのですが、『真ん中からの景色のほうがやっぱりいいな』というのも改めて思いましたね」

「今回表彰台は獲りましたけど、ウエイトの重いクルマですごくペースが速いクルマもいたので、シーズン後半を考えると僕たちももうワンステップ速くなっていかないといけないと思います。これをステップに次は表彰台の真ん中に立てるように、まだまだやっていかないといけないですし、また頑張りたいと思います」

 決勝前のドライバーアピアランスでは、この時期らしいスイカ割りの寸劇を披露するなどコンビネーションが良好であることを感じさせる結成1年目の石浦/大湯組。前半戦の最終ラウンドとなった第4戦での3位獲得により、同コンビはポイントランキング10位から接戦の中段グループ内の7位に浮上して上位チームの枠に残った。今後数戦の活躍次第ではタイトル争いに名乗りを上げる可能性も残しているだけに、次戦鈴鹿での走りに注目したいところだ。

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