20代フランス人革職人女性、日本初のあのカバンを作りたい―― 作品への熱い思いのこもった作業風景に「感動しました」と称賛の声

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2024年08月16日 22:03  ねとらぼ

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ねとらぼ

いざ、制作開始!

 フランスの革職人が日本でランドセルの作り方を学ぶ様子がYouTubeで紹介されています。動画は3部作になっており、記事執筆時点で計204万再生を突破しています。


【画像】熱のこもった制作風景


●フランス人革職人の夢とは


 投稿したのは、フランス人の妻・アマンディーヌさんと日本人の夫・ゲントクさんが運営するYouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonSoirTV」。今回の動画は「夢応援プロジェクト」の第1弾で、「この夢をかなえたい」というゲストに密着し、夢をかなえる瞬間まで追いかける新シリーズです。


 175組の応募者から選ばれたのは、フランス人女性の革職人であるマチルドさん(22歳)。13歳のときに革の勉強を始め、18歳からは革職人の専門学校で教師をしています。


 現在は両親の家の車庫を工房にしてバッグや小物、乗馬のサドルなどを手掛けており、フランスの大手高級ブランドの品に携わることもあるそうです。すごい。


 そんなマチルドさんがかなえたい夢は、日本でランドセルの作り方を学ぶこと。フランスではランドセルが小学生用という認識はなく、大人が背負っていることがあるそうです。


●ランドセルを作りたい!


 マチルドさんはランドセルが大好きで、特に耐久性を高く評価しています。仕事場にはパリのフリーマーケットで手に入れたという赤いランドセルが飾ってあり、17歳のときに来日して「土屋鞄」を見学した経験も。その行動力に感心してしまいます。


 マチルドさんが作りたいのは、使う人の仲間になれるような人生を支えるランドセル。アマンディーヌさんはマチルドさんがランドセル作りを通して日本とフランスの架け橋を作ろうとしているところを評価しています。


●いよいよ日本へ


 ランドセル作りを学べるお店が決まり、マチルドさんが来日しました。今回お世話になるのは「アールアトリエ中目黒」(@art_atelier_du_travail)のリョウスケさんとあやさん。アマンディーヌさんも同行して、お互いの情報や日本とフランスの違い、ランドセルの利点などを話します。


●実習スタート


 昼食を終えて、実習がスタート。ランドセルのパーツについての説明をマチルドさんが熱心にメモを取ります。


 説明が終わったら、マチルドさんのランドセルに使う素材を確認します。用意してもらったのは深い緑色の革。ベージュの革を組み合わせてツートンカラーのランドセルを作ります。


 フランスではサドル用のナイフを使っていましたが、日本で使うのは革包丁。ナイフは押しながら、革包丁は引きながら……と切り方も違います。


 切り方が違い過ぎて戸惑う場面もありましたが、短い時間でマスターしていくマチルドさん。リョウスケさんは日本語、マチルドさんはフランス語で話していますが、不思議と分かり合っているようです。


 いよいよランドセルの革を切っていきます。これが夢だったから手が震えるというマチルドさん。思いが高まって涙ぐんでしまいます。


 作業をしていると、リョウスケさんたちの息子さんが帰宅。自分で色を選んだというランドセルを見せてもらいます。


 さまざまな情報交換をしながら作業を進めて行く2人。マチルドさんは革職人の学校で、リョウスケさんは職人さんから口伝えで教わって来た技術ですが、技術は世界共通だと感じているようです。


●ランドセルを仕上げて行きます


 マチルドさんがランドセル作りに使える期間は2週間。アマンディーヌさんが不在の日もありますが、黙々と手を動かします。


 3日目からは細かいパーツを作る工程へ。リョウスケさんファミリーと一緒におやつのお団子を食べたり、自宅でのたこ焼きパーティーに参加したり、日本の生活にも馴染んでいます。


 2週目に入り、細かいパーツを縫い合わせていく工程へ。耐久性の高いランドセルに仕上げるため、床に座って丁寧に縫って行きます。


 「ドキドキ」と言いながらミシンをかけるマチルドさん。ミシンの音の変化で糸が外れていることに気付きます。キレイに仕上げるために何度もトライ。お店に来ていたフランス人のお客さんに背中をマッサージしてもらい、大変な作業を続けます。


 研修最終日になり、アマンディーヌさんがやってきました。ランドセルの工程は、後は肩ひもをつけるだけ。マチルドさんは、「まだ完成していないのにすごく感動している」と話し、リョウスケさんとあやさんからも、「100点以上の仕上がり」とお墨付きをもらいました。


●完成!


 最後に肩ひもを取り付けてランドセルが完成。最初にマチルドさんが背負い、アマンディーヌさんも背負ってみます。


 近所の神社でリョウスケさんたちの息子さんにランドセルを試してもらいました。現役小学生の反応もばっちりで、ランドセルには職人さんの思いや苦労がたくさん詰まっていることが分かりました。


 マチルドさんはフランスに帰ったら2つ目のランドセルを1人で作ってみるとのこと。自分なりのランドセルを作れるように研究して、大人向けのサイズも作れるように頑張ると話してくれました。マチルドさんの活動はInstagram(@sellerie_joly_pottuz)で見ることができます。


 日本に来てランドセル職人としての第一歩を踏み出したマチルドさん。いつの日か、フランスにランドセルが広まる日が来るかもしれませんね。


 コメント欄には「とてもすてきなランドセルが出来上がりましたね」「一生懸命な人ってやっぱり輝いてるね」「これほどの手間をかけて外国人に手作りのランドセルを教える方の、体力と親切心に驚嘆した」といった声が寄せられています。


 ボンソワールTVでは、YouTubeのほかInstagram(@sh.amandine)でも情報を発信中。別の日の投稿では、フランス人が日本の文化を体験する姿や、アマンディーヌさんとゲントクさんが暮らす山形県酒田市の大雨被害の現状などを公開しています。


画像提供:YouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonSoirTV」


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  • マチルダさぁ〜ん!(´;ω;`)←そのマチルダさんやない!マチルドさんや!
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