ファイト・ヘルマー監督「映画的瞬間を見てほしい」セリフなしで描く『ゴンドラ』11月公開

ドイツ・ジョージア合作映画『ゴンドラ』が11月1日（金）より全国順次公開されることが決定した。

舞台は、コーカサス山脈の西、ジョージア（旧グルジア）の小さな村。ゴンドラ（ロープウェイ）の乗務員として働き始めたイヴァ。もう1台のゴンドラの乗務員はニノ。威張り屋の駅長に腹が立つものの、2人は負けずにすれ違うゴンドラで奇想天外なやりとりを繰り広げていく。やがて心を通わせていく2人の“ゴンドラ合戦”の楽しさは、地上の住民をも巻き込んでいき…。

セリフなし映画の名手として知られるファイト・ヘルマー監督の最新作となる本作。『ツバル TUVALU』（1999）、『ブラ！ブラ！ブラ！胸いっぱいの愛を』（2018）など、唯一無二のその独特な世界観で映画ファンを魅了してきた。

昨年の東京国際映画祭の上映後Q&Aで、監督は「セリフがないから生まれる映画的瞬間を見てほしい」と語ったが、まさにセリフがないからこその映画的喜びに溢れた作品となっている。また本作は、コロナ禍で自由な移動が制限されていた3年前、小規模のクルーで撮影できる映画としてアイディアが練り上げられたという。

フランスでの公開時には「愛する理由に捧げられた、きらめく賛歌。美しいジョージアの風景の中に、ジャック・タチの精神が現れる」と高評価を受けている。

解禁されたポスターでは青空を横切るゴンドラと、イヴァとニノの姿が捉えられている。ファンタジックな物語を予感させる色合いも印象的だ。

さらに併せて解禁された場面写真では、仲を深めていくイヴァとニノの姿や、空を行き交うゴンドラ、村の住民たちのほか、映画の世界を彩る美しい自然の風景などが切り取られている。

行ったり来たりする2つのゴンドラ。世界のどこかに行けるわけではないけれど。想像力があればどこへでも行ける。そんなメッセージを感じさせる本作に、期待が高まる。

『ゴンドラ』は11月1日（金）より新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。




（シネマカフェ編集部）