○●日本おもちゃ大賞2024 授賞式
「東京おもちゃショー2024」記者発表会では、「日本おもちゃ大賞2024」授賞式が開催された。「日本おもちゃ大賞」は2008年に日本玩具協会にて創設され、新しい玩具を生み出す作り手、メーカーの力を刺激し、モチベーションアップを図ることで業界全体の活性化に繋げることを目的とした賞となっている。
今年で16回目を迎える「日本おもちゃ大賞」が、「玩具開発者への大きな刺激となり、玩具業界の活性化に寄与できていると実感している」と話す、日本玩具協会 日本おもちゃ大賞実行委員会 委員長の中村幸一氏によって、まずはその概要が紹介された。
今年の「日本おもちゃ大賞」は、対象部門数が2部門増えて全9部門。「コミュニケーショントイ部門」が「ゲーム＆パズル部門」、「ハイターゲットトイ部門」が「キダルト部門」とそれぞれ名称変更されたほか、これまで各部門に分散して応募されていたデジタルに特化した玩具向けに「デジタル部門」、今回の部門変更により応募対象の部門がわかりにくい商品や雑貨的な商品も含めた「バラエティ部門」がそれぞれ新設された。
また、授賞式では、対象9部門のほかに、ヒット・セールス賞、特別賞、グローバル・サクセス賞もあわせて発表される。
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7月31日に行われた最終審査会は、北原照久氏が審査委員長を務め、小売の代表的な企業や関連メディア、さらに本年からは学術研究者として国立大学教授、さらにキャラクターライセンスの専門家などが審査委員として参加して行われた。なお、最終審査まで残った、大賞以外の商品はすべて優秀賞とされ、大賞の商品と同様に、「東京おもちゃショー2024」の展示コーナーにて紹介されるので、あわせて注目しておきたい。
そして最終選考会において大賞に選ばれた商品が授賞式にて発表され、前田会長より表彰状、北原審査委員長より盾がそれぞれ贈られた。
○●エデュケーショナル部門
「ベビー、知育、遊びながら学べるものなど」豊かな情操の発育、知識・知恵の発達に寄与する、知育・教育・強化学習に役立つ玩具
大賞：セガ フェイブ「ePICO たいけん100エディション」
2024年10月10日発売／30,800円(税込)
テレビと繋いで、6軸センサー、マイク、振動機能を搭載したeペンや、足踏みやジャンプなど全身を使った直感操作ができるeマットを用いて、子供を夢中を分析しながら、100の体験遊びができることが評価された。
○●べーシック部門
「人形・ままごとなどごっこ遊び、動物、ぬいぐるみ、アート＆クラフトなど」の五感を育む基礎的玩具
大賞：メガハウス「シールランドリーナ ちいかわ」
2024年11月上旬発売／5,478円
誰もが知る洗濯の工程でシールを作るという驚きに、ターゲットに絶大な人気を誇るちいかわ、また手描きイラストを加味することができるなど、ターゲットの子どもたちの大好きな要素が詰め込まれていることが評価された。
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「のりもの・車、動物、恐竜、バトルホビー、RC、スポーツなど」のアクティブに遊べる玩具
大賞：タカラトミー「トミカ 2つのコースをいったりきたり!ツインコースやまみちドライブ」
発売中／8,800円
2つのコースをトミカが交互に疾走、走行台数、アクション性もアップするなど、長年展開しているトミカシリーズにさらにニュー価値を加えている商品。電池あり、なしの2パターンで遊べる商品である点が評価された。
○●キャラクター部門
キャラクターIPを題材に、その世界観を捉えた玩具
大賞：バンダイ「DX変身ベルトガヴ」
2024年8月31日発売／7,920円
お菓子を食べる、そして変身するというユニークなコンセプトとベルトが上下にガヴガヴ動き、ボタンを押すとお菓子のアイテム“ゴチゾウ”が一発変形するという動作と音声と光のリアルな演出が高く評価された。
○●ゲーム＆パズル部門
ボードゲーム、アクションゲーム、カードゲーム、パズルなど
大賞：メガハウス「ルービックキューブパネルズ」
発売中／4,180円
ルービックキューブ＋αで、遊びが広がる。大きさの異なるカラーパネルを本体につけることで難易度が変化。通常のルービックキューブの攻略法が通用しなくなり、パズル本来の遊びがより楽しめる。
○●デジタル部門
「パソコン型、タブレット型、液晶トイなど」のデジタルに特化した玩具
大賞：バンダイ「ちいかわフォン」
発売中／13,750円
大人気キャラクター・ちいかわのスマホ型玩具。メッセージアプリやちいかわSNSアプリなど、子どもたちのあこがれが盛り込まれている。みみアクセをつけると、スマホがちいかわたちに変身し、コミュニケーション遊びができる点が評価された。
○●バラエティ部門
雑貨、コレクタブルトイ、サプライズトイ、マジックなど
大賞：セガ フェイブ「＃バズゅCam」むてきパープル／ときめきミント
発売中／13.200円
三脚にもなる自撮り棒がついたカメラで子供でも簡単に撮影＆編集できるテンプレ撮影はたっぷり60メニュー。自分だけの本格的なオリジナル動画を作って、憧れのYouTuberやインフルエンサーのような体験ができる点が評価された。
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主に大人をターゲットにした商品
大賞：タカラトミー「リカちゃん フォトジェニックリカ シリーズ(ダリア/デイジー/アイリス)」
2024年9月下旬発売／各5,500円
リカちゃん人形技術を活かして、SNS投稿を意識した映える「可動バディ」を3年近くかけて開発、特許取得した特別仕様人形で、多様で自然なポージングを表現できる点が評価された。
○●共遊玩具部門
目や耳の不自由な子もそうでない子も。障がいの有無に関わらず楽しく遊べるよう「配慮」が施された玩具
大賞：アガツマ「きって!ほって!ぬいて!とれたてアンパンマン農園」
発売中／7,678円
枝から切り取る、土から引き抜くなど、収穫の感触を疑似体験でき、視覚に頼らず、遊びの操作ができる点や、各小物をセットする位置がわかる工夫、道具が散らばリにくい工夫など、配慮がされている点が高く評価された。
○●ヒット・セールス賞
「過去1年間の中で、もっとも消費者に支持され、売場に貢献し実績を残したもの」を顕彰することで。玩具メーカーのみならず、流通・小売も含めた玩具業界全体を活性化していこうという主旨により制定された賞
タカラトミー「カメラでリンク!ポケモン図鑑 スマホロトム」
2023年7月発売／10,990円
○●特別賞
特に玩具業界に貢献し、顕彰に値する玩具に贈られる賞
タカラトミーアーツ「ガチャ」／バンダイ「ガシャポン」
○●グローバル・サクセス賞
日本発で海外でも大きな成功を収めた商品を顕彰することで、日本の玩具産業のグローバル化をより進めるために制定された賞
ハナヤマ「はずるシリーズ(HUZZLE)」
最後に、「毎年毎年、企画に携わった方々の情熱、おもちゃに対する愛を感じている」という北原委員長から「この賞をきっかけに、またさらに日本の子ども、子どもだけでなく大人、さらには世界中の子ども達に向けて、日本のおもちゃがどんどん進出すると嬉しい」との言葉が贈られた。
○●2024 最新おもちゃトレンドは?
「東京おもちゃショー2024」記者発表会において、日本玩具協会 見本市委員会 専門委員の藤井氏によって、「東京おもちゃショー2024」で特に注目されるおもちゃがキーワードに分けて紹介された。
○キーワード(1)：これがおもちゃの最先端
おもちゃの世界では、 毎年さまざまなアイデアや最新技術を取り入れた新製品がたくさん登場するが、今回の「東京おもちゃショー」でもこれこそが「おもちゃの最先端」と言えるような商品が揃っている。
エデュケーション部門で大賞を受賞した「ePICO たいけん 100エディション」(セガフェイブ)は、 職業体験や習い事などの体験を通じて、子ども達が夢中になれる“好きなこと”を見つけることができる新しいコンセプトの知育デバイス。「ドラえもんAIパソコン」(バンダイ)は、 業界初の“AI学習機能”を搭載したパソコントイで、子どもの学習データから得意不得意教科を分析、ひとりひとりに合った学習メニューを提案する本格派となっている
また「emojam(えもジャム)」(セガ フェイブ)は、 まさに令和のポケベルとも言えるアイテムで、Wi-Fiと近距離通信を使い絵文字を組み合わせて秘密のコミュニケーションが楽しめる。
最先端のおもちゃはデジタルトイばかりではなく、「BEYBLADE X UX-04 バトルエントリー セットU」(タカラトミー)は、スポー ツヘと進化し、世界的なヒットを狙ういま最も熱い「BEYBLADEX」がすぐに楽しめるエントリーセット。そして7月に発売されるや否や大ヒットの「HYPERYOYO ACCELシリーズ」(バンダイ)は、ストリングを勢いよく引くだけで本体が回転する新機構を搭載し、誰でも簡単にトリックが楽しめる最先端ヨーヨーと言えるアイテムとなっている。
「スポーツヒューマン バスケットボール」(タカラトミー)は、ジャンプ台のアームを叩いて、ボールを持った人形を飛ばしダンクシュートを決める、派手なアクションとおもちゃらしい楽しさを追求。スポーツが注目された今年だからこそ大きな話題となりそうなゲームとなっている。
○キーワード(2)：大人も子どもも癒されたい!「インタラクティブベット」
忙しい毎日を送るすべての現代人にお薦めしたいのが、その愛らしさで日常の疲れを癒してくれる「インタラクティブペット」。「ちゅ〜るあげるね!チワマルちゃん」(イワヤ)は、ワンちゃんのお世話遊びが楽しめるアイテムで、おやつの 「ちゅ〜る」をあげるとCMでおなじみのメロディが流れ、嬉しそうに食べる仕草をみせてくれる。
「むぎゅむぎゅポン!たまごをウムード」(バンダイ)は頭のちょんまげを握ってコミュニケーションをとると、体を上下に動かして反応するなど生き物感満載のアイテムで、産卵応援に成功すると卵を産み、さらにそれを食べるギミックがインパクト抜群。なでると目をパチパチしたりしっぽを振ったり話しかけるとまねっこもしてくれる「ニャンだきみは!?」(アガツマ)や豊かな感情表現やカワイイしぐさが特徴の「ねころん with U」(ハピネット)、遊びやギミックの面で進化を遂げて日本に再上陸した「ファービー」(ハズブロジャパン)なども注目。
○キーワード(3)：「注目のデジタルトイ」揃いました!
バラエティ部門大賞の「＃バズゅCam」(セガ フェイブ)はユーチューバーやインフルエンサーのような動画が撮影できるVlogカメラ型のアイテム。ネットに繋がらなくてもバズり体験が楽しめる。一方、デジタル部門大賞の「ちいかわフォン」(バンダイ)は本体の上部に取り付ける“みみアクセ”を付け替えることで、画面のちいかわキャラクターがチェンジするギミックが特徴のスマホ型トイ。また同じくスマホ型トイの「meスマホ＋」(セガ フェイブ)は、顔認証ロックやスマホ決済体験など“本物感”にこだわった仕様が特徴の商品となっている。
そのほか、静電式タッチセンサーにより本物のスマートウォッチのような操作感が特徴の「すみっコぐらし すみっコスマートウォッチ＋(プラス)」(アガツマ)や直感的な操作で、楽しみながら学ぶことができる「あそび・まなびをアクティブに!トミカ・プラレールパッド」(タカラトミー)も注目のアイテムとなっている。
○キーワード(4)：そう来たか!「驚きの定番商品!」
仮面ライダーの変身ベルト最新作で、キャラクター部門大賞の「DX変身ベルトガヴ」(バンダイ)は、グミやチョコレートなどの“お菓子”で変身するベルトで、お菓子を食べているようなガヴガヴアクションが斬新。また、ウルトラマンアークの変身なりきりアイテム「DXアークアライザー」(バンダイ)も、立体パズルのようにパーツを回転させ、絵柄を揃えることで変身音が鳴るという、これまでにないギミックが特徴の商品となっている。
ミニカーの定番ブランドと言えばトミカの最新アイテムで、アクション部門大賞の「トミカ 2つのコースをいったりきたり!ツインコースやまみちドライブ」(タカラトミー)は、2つのコースを8の字を描くように走るアクション性が特徴の商品で、今後発売される別売の商品と合体することで驚きのロングコースが完成する。
ドールの定番「リカちゃん」では、子ども達に人気のペットといま話題の“シェアハウス”をテーマにした「リカちゃん わんにゃんシェアハウス」(タカラトミー)にも注目。シルバニアファミリーの「シルバニアファミリー お空のゆめいろフェアリー キャッスル」(エポック社)には、新しいキャラクター「花の妖精」の人形が初登場し、シルバニアファミリーの世界観を広げる。
幼児向けキャラクターのアンパンマンにも、新しいコンセプトやギミックを搭載した商品が多数登場。共遊玩具部門大賞の「きって!ほって!ぬいて!とれたてアンパンマン農園」(アガツマ)は家で簡単に収穫体験ができるこれまでにない農園がテーマのアイテム。「冷気がシュ〜 スマートアンパンマンれいぞうこDX」(ジョイパレット)は扉を開けるとまるで本物の冷気のような水蒸気(※冷気の実際の温度は常温)がシューッと吹き出すギミックが楽しい商品となっている。
定番商品としてはこのほかにも、難易度を変えられる進化を遂げたゲーム＆パズル部門大賞の「ルービックキューブパネルズ」(メガハウス)、メイキングホビーの新製品としては、ベーシック部門大賞の水に溶ける魔法の紙で透明シールが作れる不思議なシールメーカー「シールランドリーナ ちいかわ」(メガハウス)など新鮮な驚きを提供してくれる商品が揃っている。
○キーワード(5)：俄然注目の「キダルトトイ」
キダルト部門大賞の「リカちゃん フォトジェニックリカ シリーズ」(タカラトミー)は可動式関節ボディを採用し、美しく自然なポージングが可能。写真を撮影してSNSに投稿するなど“リカ活”に最適な仕様となっている。また、「超合金ルービックキューブ」(BANDAI SPIRITS)は超合金とルービックキューブがそれぞれ生誕50周年を迎えたことを記念したアニバーサリー商品で、ルービックキューブがロボットに変形する意外性が話題を呼びそうなアイテムとなっている。
また、キダルト層の“推し活”をテーマにした商品にも注目。「ぷにジェル サンリオキャラクターズ 推し活ぷに」(セガ フェイブ)や「星のカービィ アクスタポップシリーズ」(ビバリー)などのアイテムが揃っている。
さらに、「nanoblock KAWAIグランドピアノ」(カワダ)は日本を代表する楽器メーカー「河合楽器製作所」が監修したグランドピアノを細部まで再現したこだわりの逸品。
また「シルバニアファミリー赤ちゃんコレクション —赤ちゃんケーキパーティーシリー ズ-Pack」(エポック社)はオトナ女子にも大人気の赤ちゃん人形のコレクションアイテムとなっている。そのほか、コレクションにも最適な「Original Tamagotchiシリーズ」(バンダイ)や超細密なレーザー加工で、ホンダのスーパーカブ50を再現したハイクオリテイメタルキット「メタリックナノパズルHONDAスーパーカブ50」(テンヨー)といった商品も多くのキダルト層に刺さる商品となっている。
○キーワード(6)：今年は「アクションゲー ムで盛り上がろう!」
アクションゲームにも注目の商品が多数。「おうちでワイワイ ワニワニパニック」(バンダイ)は、アミューズメント施設で大人気のあの「ワニワニパニック」を、爽快感はそのままに自宅でこころゆくまで楽しめる商品。「超ぶっとび!アクションすごろく番犬ガオガオの庭!!」(メガハウス)は人気のアクションゲーム「番犬ガオガオ」をモチーフにしたアクションすごろくゲームで、みんなで遊ぶと盛り上がること間違いなしとなっている。
そのほか、「スーパーマリオ 手さぐり ハテナブロックパーティー」(エポック社)はおなじみのスーパーマリオのハテナブロックの中に手を入れてお題のアイテムを取り出す、手さぐりゲームなどを楽しめるパーティに最適な商品。「鍵を探せ!お宝ハントゲーム」(石川玩具)は部屋中に隠した5本の鍵の中から宝箱を開けられる1本を探し出す、みんなでワイワイ楽しめるパーティゲームとなっている。（糸井一臣）
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