前回からの続き。私はすっかり年を重ねて、今ではコウヘイという可愛らしい孫がいるおじいちゃんです。私は鉄道模型収集が好きで、結婚するより前から長く続く大切な趣味となっています。「結婚する際に全部捨てられた」なんて仲間もいましたが、妻は私の趣味に理解を示してくれてありがたいかぎり。最近では孫のコウヘイも電車を好きになったようで、わが家に来るたびに私のコレクションを眺めています。キラキラした目で見つめているのが本当に可愛らしいです。
コウヘイたちが来たとき、私はちょっとした用事があって別室で電話をかけていました。電話をかけ終わると同時に、鉄道模型の部屋の方から大きな音とコウヘイの泣き声が聞こえてきました。私は慌てて部屋に向かいました。
部屋ではトモヨさんがコウヘイを叱りとばしています。私は思わず泣きじゃくるコウヘイに駆け寄りました。見たところケガもしていません。何かを飲み込んだというわけでもなさそうです。
私は思わずハッとしてしまいました。これは亡き兄がくれた鉄道模型だったのです。コレクションの中でも1位2位を争うほど大切なもの……それが壊れてしまいました。しかし泣きじゃくりながら謝る孫を前にして、ショックを受けた素振りを見せるわけにはいきません。表面上「大丈夫だよ」と言うのがやっとでした。
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気付いたときには私は部屋に1人、とり残されていました。息子たちはいつの間にか帰ってしまったようです。
鉄道模型のコレクションをしまっている部屋からコウヘイの泣き声がしたときには本当に焦りました。あの部屋には模型のコレクションばかりがあるわけでなく、模型を動かすための重い機械や細かい部品、危ない工具なども置いてあるからです。
「もしコウヘイに何かあったら」との一心で駆けつけましたが、ありがたいことにコウヘイは無事でした。しかし私がいちばんと言ってもいいほど大切にしていた模型は、残念ながら壊れてしまったのでした……。
【第6話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・motte 作画・ちょもす 編集・横内みか
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