【写真】中村橋之助、『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』初日前会見に登場
映画史に残る黒澤明監督の『生きる』(1952年)で主演・志村喬が歌った「ゴンドラの唄」、「カチューシャかわいや わかれのつらさ」という歌詞が爆発的な流行語となった「カチューシャの唄」、日本映画初のタイアップ主題歌「東京行進曲」、盆踊りの定番曲で、東京ヤクルトスワローズやJ1・FC東京の応援ソングとしても知られる「東京音頭」、子どもからシニアまで口ずさみ、フランスの幼稚園でも歌われる「シャボン玉」や「てるてる坊主」…。明治に生まれ、大正・昭和を生き、今も歌い継がれ、童謡、歌謡曲、音頭、民謡まで幅広いジャンルの約2000曲を残した作曲家・中山晋平(1887〜1952)。本作は、中山の生涯を彼の音楽とともにつづっていく。
晋平役は映画初出演にして初主演となる歌舞伎俳優・中村橋之助。28歳の橋之助が、新たなジャンルに挑戦し、18歳から亡くなる65歳までを見事に演じきった。
中村は「映画初出演、初主演という機会をいただきました。時代は変われど必ず皆さんが一度は耳にした事のある多くの楽曲を世に出された中山晋平さんの65年の生涯を私1人で演じさせていただいております。神山監督の想いを名だたる共演者の皆様と共に形にしました。手前味噌な言い方ですが、とても良い作品ができあがりました!」とコメントした。
子供は産めないが、晋平が自分の音楽の理解者と知り結婚を決める敏子役で志田未来。「東京行進曲」や「東京音頭」の作詞家・西條八十役で渡辺大。劇団芸術座の俳優・沢田正二郎役で染谷俊之。「シャボン玉」などの作詞者で童謡界の三大詩人と言われた野口雨情役で三浦貴大が出演する。
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ピアノの習得が卒業レベルではない晋平の才能を見出す幸田先生役で酒井美紀。「東京行進曲」の歌い手で、晋平、雨情と“全国 歌の旅”に出る歌手の佐藤千代子役で歌手としても活躍する真由子。夫が亡くなり、4人の子を手放すよう言われるも、身を粉にして女で一つで育て上げた晋平の母・ぞう役で土屋貴子が出演。多様な女性の生き様を体現する。
ほかにも、晋平に音楽の基礎を教える音楽の権威・東儀鉄笛役で辰巳琢郎。晋平と八十に日本の映画主題歌第1号となる「東京行進曲」を発注するビクター宣伝部長・岡庄五役で尾美としのり。早稲田大学に辞表を提出する抱月を引き止めようとする坪内逍遥役で川崎麻世。晋平の母・ぞうに中山から出戻るよう言う山田本家当主役で林与一。そして青年期の晋平の芸術の師である劇作家・島村抱月役で緒形直人が脇を固めた。ナレーションは、岸本加世子が担当する。
音楽を担当したのは、北野武監督の『その男、凶暴につき』などの映像作品をはじめ、幅広いジャンルで活躍する久米大作。晋平の気持ちに寄り添い、ドラマチックに盛り上げる。心躍るオープニング「東京音頭」、「ゴンドラの唄」誕生の瞬間を表現したピアノと笛による楽曲は聴きどころの一つだ。中山の全12曲はすべて新録音。真由子、吉本が自ら歌っていることも注目だ。エンディング・テーマ「ゴンドラの唄」は、NHK紅白歌合戦の出場経験のある歌手で82歳の俳優の上條恒彦が11年ぶりにレコーディングを行った。
企画・プロデュースの新田博邦は音楽、映画作品を数多く手掛け、近年では鈴木紗理奈主演の『キセキの葉書』、ベストセラー絵本を映画化した『ばあばは、だいじょうぶ』、高橋長英、柳澤愼一主演の『兄消える』を送り出している。「『ボヘミアン・ラプソディ』『グリーンブック』など音楽伝記映画は世界的なブームになっているが、独自の音楽を残した中山晋平の人生を世界に通じる音楽映画にしたかった」と語る。
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2023年9月から2024年4月まで、中山晋平ゆかりの長野県内(上田市、長野市、須坂市、松本市、中野市、佐久市など)を中心に、岐阜、静岡、東京でロケをし、明治、大正、昭和の東京、長野を再現。四季折々の自然、雄大な山々も切り取っている。
映画『シンペイ〜歌こそすべて』が、11月22日より長野県先行ロードショー、2025年1月10日より公開。
中村橋之助、神山征二郎監督のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■主演:中村橋之助
映画初出演、初主演という機会をいただきました。時代は変われど必ず皆さんが一度は耳にした事のある多くの楽曲を世に出された中山晋平さんの65年の生涯を私1人で演じさせていただいております。神山監督の想いを名だたる共演者の皆様と共に形にしました。手前味噌な言い方ですが、とても良い作品ができあがりました!
幼少期から亡くなられるまで描かれるこの作品。皆さんおひとりおひとりの“今”と晋平さんの“その時”を重ねて映画館で感じながらご覧になっていただきたいと願っております! ひとりでも多くの方に映画館の座席でその空気の中で感じていただけたら嬉しいです! 私と皆様が映画館で会えるのはこれが初めてです! 普段劇場でお会いしている皆様にもぜひ、映画館でお会いしたいと思います!
映画館でお待ちしております!
■監督:神山征二郎
若い頃から歌が好きで、歌手になろうかと思った時期もあり、僕も岐阜の田舎育ちだから、中山晋平にはシンパシーを感じて昔から興味がありました。大学の後輩にあたる新田プロデューサーから「中山晋平の映画をやりませんか」と言われた時はふたつ返事で「やろう!」と答えました。
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幾つもの歌と沢山の愛に溢れた多くの人に喜んでもらえる映画が出来ました。