慶大SH小城大和「本気でラグビーやるのは最後。開幕戦で筑波に勝ちたい」ラストシーズンに挑む

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2024年09月13日 05:02  日刊スポーツ

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慶大のSH小城(撮影・中島洋尚)

ラグビー関東大学対抗戦の慶大SH小城大和(4年=北嶺高)が15日の筑波大戦(ケーズデンキスタジアム水戸)で、今季のグループ初戦を迎える。1年秋にレギュラーを奪取した元医学部志望生は、大学ラグビー日本最古、創部125周年チームの副将として、最後のシーズンに挑む。


1899年(明32)、英国人講師が、学生に指導したところから始まった慶大ラグビー部。副キャプテン兼司令塔として、小城が最後のシーズンをスタートさせる。初戦は昨季対抗戦グループ4位の筑波大。同5位のチームとして、勝って勢いをつけたい。「本気でラグビーをやるのは最後。まずは開幕戦で筑波に勝ちたい」と力を込める。


幼少期に札幌で約3年過ごした。父の転勤で神奈川にいた小3の時、母方の祖母・中島三枝さん(享年68)をがんで亡くし「医者になろう」と決意した。バルセロナ五輪柔道男子78キロ級金メダルの吉田秀彦氏(55)の吉田道場で学び、小5で県大会8強の実力をつけたが、畳を降りた。“医者なら北嶺”の情報を得て、小6は受験勉強。合格すると単身北海道に戻り、中高6年間の寮生活を送った。


ラグビー部に所属し「勉強の合間に、ひまがあれば練習していた」が、高2までは、他の8割以上のクラスメートと同じ医者志望だった。高校最後の春休みに「1度参加してみないか」と呼ばれて参加した慶大の練習で、人生の転機を迎えた。「慶応でラグビーをしないと絶対に後悔する。医者を目指すなら、4年間ラグビーを頑張ってから目指せばいい」と、進路を切り替えた。


1年秋の慶早戦で「背番号9」でスタメンデビューすると、その後も先発に定着。部の記念すべき年を、副将として迎えた。早大には昨年の100回目の対戦を含め、対抗戦で12試合連続勝ち星がない。大学選手権4強も、14年から遠ざかる。「試合に出てこれましたが、3年間負け続けてきた悔しさもある。早大に勝って、大学選手権のベスト4以上。その気持ちはめちゃめちゃ強い」という。


トップリーグ数チームから練習参加の誘いはあったが、大学卒業後は、大手広告会社に進む。「将来的にワクワクする思いが出てきたら、また医者を目指すことはあるかもしれませんが、今は考えていません。今は最後に本当に勝ちたいなっていうのが率直な気持ち」。125年の伝統を背負い、小城が最後のタイガージャージーに袖を通す。【中島洋尚】


◆小城大和(こじょう・やまと)2002年(平14)4月22日、鹿児島県生まれ。北海道教大付札幌小−川崎宮崎台小−北嶺中・高−慶大商学部。小5まで吉田道場で柔道(初段)。北嶺中1年でラグビーを始め、中2・3年で道中学選抜、高2で道高校選抜。ポジションはSH。家族は両親と弟。弟颯人(慶大2年)は、フェンシングU−20日本代表。168センチ、72キロ。

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