「勝つまで絶対やってやる」思いが結実。S耐第6戦でOVER DRIVEのロードスターRFがST-4初優勝

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2024年10月27日 21:30  AUTOSPORT web

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2024スーパー耐久第6戦岡山 odula TONE MOTUL ROADSTER RF(猪股京介/徳升広平/大野尊久/伊藤裕仁)
 10月27日、岡山県の岡山国際サーキットでENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第6戦『スーパー耐久レースin岡山』のグループ2の決勝レースが行われ、ST-4クラスはodula TONE MOTUL ROADSTER RF(猪股京介/徳升広平/大野尊久/伊藤裕仁)が、2023年のST-4クラス参戦以来初となる勝利を収めた。

 OVER DRIVEは、関西地域のロードスターやロータリーエンジン車のチューニングショップを営むかたわら、マツダ・ロードスターでスーパー耐久シリーズにも参戦を続けている。2021年にはST-5クラスに2台体制で臨みチャンピオンを獲得した実績もあり、2023年からはさらに“新たな挑戦”を試みた。

 トヨタ86/GR86が圧倒的なシェアを誇り、長年優勝やタイトルを獲得し続けていたST-4クラスに、ロードスターのリトラクタブルハードトップモデルとなる『RF』を投入し、新天地に乗り込んだのだ。ライバル勢はみなトヨタGR86で、異なる車両は1台のみということもあり、当初は「無謀」という声もあったという。初年度の2023年はチームもドライバーもともにさまざまな試練に直面しつつ厳しいシーズンを過ごしていた。

 参戦1年目ということから電気系トラブルに見舞われたり、シーズン途中からのタイヤ変更なども影響し、この年は一度の2位表彰台のみ。最終的にはランキング5位で終えた。ただ、OVER DRIVEの武地孝幸チーム代表、チームやドライバーの『ここで終わってたまるか』という想いから、マツダの協力のもと原因究明に努め、問題の解決に取り組んだ。

 今シーズンは、開幕戦SUGOで3位を獲得。第2戦富士24時間は未完走扱いとなったが、第3戦オートポリスからは新パーツの導入やアップデートを実施し、第4戦もてぎではST-4クラス参戦後初のポールポジションを獲得。優勝にはあと一歩届かず3位となったが、ドライバーたちも「かなり勝負できた」と毎戦ごとに強くなるodula TONE MOTUL ROADSTER RFの速さと好感触を実感していたという。

 迎えた今回の第6戦岡山は、2戦連続でのポールポジション獲得に成功。優勝を目指して決勝に臨み、3時間で争われたレースではタイヤ無交換作戦を採り、見事初優勝を手にした。参戦10戦目、そしてマツダのホームにも近いこの岡山で、トヨタGR86の牙城を崩してみせたのだ。

 Aドライバーの猪股は「本当に最初はクルマを作る前に『話にならないか』と思っていましたが、代表の武地さんの『絶対にいける』という言葉を信じて、みんなでついていきました。チームの誰ひとり諦めずにこの1年半以上やってきたので、ついに実って本当に嬉しいです。マツダの地元でこれだけ楽しく、速く走れるということを、この場所でお見せできたのはすごく良かったなと思います」と嬉しさを語った。

 また、Bドライバーの徳升は「本当にクルマありきなので『ありがとう』のひと言です。今回もポールポジションを獲って、優勝できて本当に感謝です」と語った。またCドライバーの大野も「最後はタイヤを交換せずに走り切る作戦で、どれだけ保つかという勝負だったので、本当に嬉しいです」とドライバー全員が喜びを爆発させた。

 武地代表もこの結果には安堵。「正直ホッとしています。最初の頃は“無謀な挑戦”でしたが、勝てて本当に嬉しいです。昨年のはじめは他のトヨタGR86を使用するチームから『無駄だからやめた方がいいよ』とも言われましたが、それを言われると逆に火がついてしまって、『勝つまで絶対やってやる』という思いがありました」と心境を語った。

 チーム一丸となって戦い続け、ST-4クラス参戦2年目にしてようやく掴んだ勝利。まわりのライバルたちを見返すとともに、ロードスターRFの強さをみせた一戦となった。今シーズンは最終戦を残しているが、今回の勝利を糧にさらにレベルアップした彼らの走りに注目したいところだ。

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