近年、育児をする上で男性の積極的な育児参加が重要視されています。政府は2023年3月、男性の育児休業取得率を「2025年度に50%、2030年度に85%に引き上げる」と目標を掲げ、男性の育休取得を積極的に支援する方針を示しました。これを受けて2024年8月には、2023年度の民間企業の男性の育児休暇率が3割を超えたことが発表されています。
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男性の育休取得は徐々に社会的に認知され、取得しやすい環境が整いつつあります。しかし意外にも育休を取った男性に対して、妻が歓迎していないケースも報告されています。
ただ家でゴロゴロする夫
実際に2023年1月〜6月まで育児休暇をとった男性の妻Hさんは次のように語っています。
「夫が育児休暇をとったのはいいものの、実際には育児どころか家事も全くせず、ただ家でゴロゴロしている状態でした。収入も減少し生活は苦しく、私が夫と赤ちゃん両方の世話を一日中することになり、心身ともに疲れ果てて結局は実家に戻りました。育児休暇はいらないので、もっと働いて稼いできてと思いましたね」(Hさん)
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Hさんのケースでは夫が家事や育児に協力的でなく、育児休暇をただの「長期休暇」として満喫していたようです。さらに育児休暇中は収入が減少するため、生活への影響も大きかったといいます。
本当にいてほしい時期に休暇が取れない
また、今後育児休暇を取得予定のYさんの妻からも意見を聞きました。
「単身赴任の夫が2024年12月〜2025年2月まで年末年始の休みを利用して、育児休暇を取る予定になっています。でも私の出産予定日は11月初旬。育児休暇は10月からの予定だったのですが仕事の都合で休みが取れず、本当にいてほしい妊娠後期の現在や出産時にはいません。
私は帝王切開で入院期間が長く、上の子が心配なのでこの時に休暇を取ってほしかったです。退院後は実家にいるので助けてくれる人もいるし、12月からの育児休暇は正直必要ではありません。本人は助ける気満々ですが実家に押しかけてこられるので、旦那の過ごす場所や食事など生活の負担が増えて逆に迷惑です。私の母も旦那に気を遣い、今からどうなることかと心配しています」(Yさん)
里帰り出産では必ずしも夫の育児休暇が必要というわけではなく、また、育児休暇の時期が会社の都合に左右されると、本来の目的からずれてしまうこともあるようです。これらの意見からは国や企業が推進する男性の育休制度が、現場での妻の声を十分に反映していない側面が見えてきます。
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(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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