外国人材が、日本を勤務先として選ぶ理由にはどのようなことがあるのでしょうか。ヒューマンホールディングス株式会社(東京都新宿区)が実施した「外国人材の日本での仕事観とキャリア」に関する実態調査によると、1位は「日本文化やカルチャーに触れたい」でした。では、日本で働く際に希望する目標年収額はいくらぐらいが多くなったのでしょうか。
調査は、現在日本で働いている、または過去に日本で働いた経験があり、同社が運営する転職・求人情報サイト『Daijob.com』に登録している外国籍の男女309人を対象として、2024年9月〜10月の期間にインターネットで実施されました。
まず、「日本で転職する場合に重視すること」を聞いたところ、「給与」(183人)、「労働環境」(103人)、「勤務地」(88人)、「仕事内容」(85人)といった回答が上位に並びました。
また、「日本を勤務先として選んだ主な理由」としては、「日本文化やカルチャーに触れたい」(20.7%)、「家族やパートナーが日本に住んでいるため」(15.5%)、「治安や生活環境が良い」(13.9%)など、生活する上での希望を重視している様子が見て取れました。
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さらに、「日本で現実的に希望する目標年収額」を教えてもらったところ、「400万円〜500円未満」(18.8%)が最多となり、24年4月に同社がZ世代を対象として実施した調査と同様の傾向が見られたことから、国税庁が発表した「2022年(令和4年)分 民間給与実態統計調査」による「平均年収458万円」前後の金額を目標としている人が多く、外国人材も日本での就労を非常に現実的に捉えていることがうかがえました。
続けて、「日本で働くメリット(複数回答)」を聞いたところ、「治安や生活環境が良い」(126人)が圧倒的多数となり、以下、「給与」(62人)、「長期雇用の文化」(60人)などが挙げられたほか、「雇用の安定性が高い」(53人)など、日本的な雇用慣行や企業文化も支持されている様子がうかがえました。
次に、「自国や他国と比較し、日本の労働環境で優れていると感じる点」を聞いたところ、「福利厚生」と「無い」(いずれも37人)が同率1位の結果となったものの、「仕事の安定性」(36人)、「社会保障制度」(35人)、「安全な労働環境」(34人)などもほぼ同数で挙がっています。
一方で、「自国や他国と比較し、日本の労働環境で改善するべきだと感じる点」については、「ワークライフバランス」や「給与」が多く挙げられており、労働環境は整えられていても、実際の働き方や対価で見ると満足とは言えない状況が浮き彫りになりました。
さらに、「日本で働く際のストレス要因(複数回答)」では、「言語の壁」(113人)が最も多く、次いで「コミュニケーションの難しさ」(77人)、「給与」(70人)、「労働時間」(69人)が続き、労働時間やそれへの対価に不満を感じている状況が見受けられました。
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最後に、「日本での仕事の満足度」について聞いたところ、約半数が「満足」(満足31.1%、やや満足19.1%)と回答。一方、「不満」(不満7.4%、やや不満10.7%)に感じているのは2割弱となりました。