副業で物販を始めたときに、何を扱うかで頭を悩ませた人は多いだろう。やるからには、回転率や収益率のいい商品を揃えたいが、初心者にはなかなか判断がしにくいもの。そこで物販のプロである起業家の森谷和正氏に、物販で人気のトレンドの見抜き方を聞いた。
◆人気のトレンドが決まる要因とは?
森谷氏は、生徒数が2500人を突破した物販スクールの運営者。物販で人気のトレンドは、「社会的影響、季節とイベント、有名人やインフルエンサーの影響などによって決まる」と明かす。
「具体的に言うと、地震や台風が発生すると防災系グッズ、夏は冷感グッズ、バレンタインはチョコレート、YouTubeで流行ったゲームなどがトレンドになりやすいです。防災系グッズで一月に500万円以上の利益を出したケースもありますよ」
トレンドになる商品をいち早く仕入れるためには、「1次情報で回収することが重要」だとも。
「当然ながら、売れる見込みのある商品はライバルも多い。需要の高まりそうな商品を早く仕入れるために、日頃からSNSやYouTubeなどでトレンドをチェックするといいですよ」
◆得意なジャンルを増やして流行を逃さない
物販は、得意なジャンルだけで続けがちだが、扱う商品のジャンルを増やすことで売上増加につなげられるという。
「たとえば、’24年は『ガンダムSEED』の映画が上映されたので、関連商品はかなり利益が取れました」
ちなみに、『ガンダムSEED』の映画とは、2024年1月26日に公開された『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のこと。制作発表から18年を経て完成したファン待望の話題作で、公式サイトが9月に発表した情報によると、興行収入50億円、観客動員300万人を記録。ガンダムシリーズ劇場公開作品の中でNo.1の興行収入を更新したそうだ。
「アニメやガンダムに詳しい人が1次情報をキャッチしやすいネタではありますが、サブカル好きな人なら十分にチャンスはあると思います。直近では、9月20日に発売されたiPhone16、10月11日に発売されたスタバのハロウィングッズも狙い目でした」
◆トレンドの商品を扱うときは初動が大事
過去の販売実績で、特に収益の多かったトレンドの商品は、Nintendo Switchのゲームだったと語る森谷氏。
「コロナ禍では、自宅でフィットネスができる『リングネスフィットアドベンチャー』というゲームがめちゃくちゃ売れました。トータルで20万円ほどの利益はあったと思います」
とても夢のある話だが、扱う商品やタイミングによっては、リスクもあるので要注意。記憶に新しいのは「令和の米騒動」と言われた米だ。ネットでは高値で販売している出品者も少なくなかったが、精米の賞味期限は秋冬で1〜2か月と言われている。欲をかいて在庫を抱えると、味が落ちて売れなくなり、損をしてしまう可能性も。
「米のように需要が一時的に高まったものに飛びつくのは、初動では問題ありませんが、出品者が増えてきたタイミングで手を出すのは避けたほうがいい。なかなか売れないときは、早めに手を引いたほうがリスクは少ないです」