「とにかく怒られるのが嫌だった」1歳で芸能デビューした岡田結実が“意識して変えた”こと

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2024年12月01日 09:10  日刊SPA!

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岡田結実
1歳でジュニアモデルとしてデビューし、2010年からは『天才てれびくん』(Eテレ)で活躍。現在、俳優として活動している岡田結実さん(24歳)。
公開中のサスペンスホラー『他人は地獄だ』ではヒロインを演じている岡田さんに、単なるホラー作品に留まらない本作の魅力を聞いた。また、いつもしっかりしていて何でも器用にこなせるイメージの岡田さんに、苦手なこと、克服したいことを訊ねた。

◆すごく怖いけど、参加できて嬉しい作品

――ホラーは得意ですか?

岡田結実(以下、岡田):いえ、怖くて。テレビで流れていても、布団に入って見えないようにしているタイプでした。そうじゃないと悪夢とか見ちゃうし。

でも今回お話をいただいて脚本を読んだら、人が追い込まれたときに出てくる、その人自身の恐怖や“黒い部分”といったところに感じる怖さのお話だったので、すごく怖いけれど、参加させていただけるのは嬉しいなと。全部読み終わって、気づいたら私もその世界に引きずり込まれていました。

――『他人は地獄だ』の恐怖は、地方から上京してきた主人公のユウ(八村倫太郎)が、ある格安シェアハウスに入居したことから始まります。確かに単純なホラーとも違う、“人の黒い部分”が見えてくる作品ですが、それって、さらに怖くないですか?

岡田:だから“他人の地獄”は観ちゃダメなんです。って、そう言ってもらってる作品なのかと。ユウを見ているとどんどん追い込まれて、最初は自分が「怖い」と言っていた側に回っていく。

人の深層心理の奥にあるような地獄は開いちゃダメだし、追い込まれたら誰しもが一線を越えてしまうかもしれないと教えてもらったと同時に、自分も気を付けようと思いました。

◆「他人は地獄」であり「自分の中にも地獄はある」

――『他人は地獄だ』というタイトルにはどんなことを感じました?

岡田:他人という主語にはなっていますが、「自分の中にも地獄はあるんだよ」と遠回しで言っているのかなと。追い込まれて、お金もなくて人もいなくて、地獄みたいなところに行ったときに、自分はユウのようにならないのかといったら、一瞬戸惑ってしまう。

他人事だとは思わない。他人は自分の鏡だとも言いますから。そういうことも含まれたタイトルなのかなと思います。

――岡田さん自身、追い込まれた経験はありますか?

岡田:ここまでの出来事ではありませんけれど、もちろんあります。たとえば、ありがたいことに、ドラマで主演をさせていただいたときなどですね。

未熟ながらも「座長なんだから」とか、自分で自分を追い込んでしまった時がすごくあって、スタッフさんや共演者さん、みんなのことを考えているつもりなのに、気づいたら自分のことしか考えられていなかったりして。

結局は自分が傷つきたくないとか、そういう考えがあるからなんだろうなって。ユウを見ていても、自分の頭の中の世界でしか考えられなくなっていくのは仕方のないことですよね。

でもだからこそ、自分の意見と反対のことを言ってくれる人が現れたときは、突っぱねないようにしたいと、この映画を観て改めて思いました。

◆なるべく怒られないように生きてきた

――しっかりとご自身の考えを持っていますが、克服したい弱点などはありますか?

岡田:怒られることが苦手かもしれません。子どもの頃から、先生にも怒られるという経験をあまりしてこなくて。怒られると気持ちがシュンとなっちゃうので、怒られることをしないように、しないようにしてきてしまって。

――そもそも怒られるようなことをしないのでは。とても器用な印象があります。

岡田:そう言ってもらえたら嬉しいですけど、枠からはみ出ないように、はみ出ないようにしてきちゃったなという思いがあって。

絶対にやっちゃいけないことというのはありますが、もう少し、怒られたらダメだとか考えずにいろんなことをしておけばよかったなと思うんですよね。なので、“飛び越える力”が欲しいです。

◆自分のことを“俯瞰”で見られるように

――自分自身のことは昔から客観的に見ているタイプですか?

岡田:いえいえ、全く。他人の目を気にしすぎる子で、俯瞰で見たり客観的に見るなんて無理でした。とにかく怒られるのが嫌だし、どう見えてるのだろうと気にして。

今でも、「どう見えてるんだろう」というのは気にしますが、そこをワンクッション置いて、芝居やバラエティに置き換えて、「今自分はどう見えているか」「どう見せたいのか」と気持ちの中で意識するようになったら、わ〜っと気持ちが高ぶって暴走しそうなときも、少しずつ俯瞰で見られるようになってきました。お芝居のうえでも“俯瞰”は大事と言われましたし。

――“俯瞰”が大事。

岡田:高校生のときの演技レッスンだったと思うのですが、先生から人の芝居をつぶすことが一番つまらないと。

「俯瞰で見られないと、人のお芝居に対応できないし、掬ってあげられない。自分の芝居を押し通すのはやめよう」「お芝居はキャッチボール。そこから生まれる科学反応が楽しいものだから。相手から受け取って生まれるものを作っていこう」と言われたんです。これを心に留めていて、私生活でもそう思って頑張ってます。

――私生活でも意識を。

岡田:会話をしていて、「いま私、相手の話を止めちゃったな」とか「聞かなかったな」といったことがあるんです。自分が喋りたいことがありすぎて。でも逆に自分がされたらいやだなと思うし。私生活から気を付けるようにしています。

――ありがとうございます。最後に、“飛び越える力”が欲しいという岡田さん。今後の目標をひとつ。

岡田:海外に携わるお仕事をすごくしたいです。いま英語は全く喋れないので、そこも学ぶ必要がありますが、たとえば今回の『他人は地獄だ』も韓国発のWEBコミックが基ですし、舞台も海外の方が演出を手掛ける作品もあるので、そうやって海外に関連ある仕事をどんどんやっていきたいと思っています。

<取材・文・撮影/望月ふみ ヘアメイク/やすす スタイリスト/武久真理江>

(C) ヨンキ/LINE Digital Frontier・2024 映画「他人は地獄だ」製作委員会

【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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