革新的な事業に取り組む女性起業家を顕彰する「EY Winning Women 2024」の表彰式が12月4日、東京都内で開かれ、最優秀のファイナリスト5人、特別賞1人の計6人が優れた女性起業家としてたたえられた。6人は各自の事業内容や将来の目標を、過去の同ファイナリストら関係者約50人を前に力強く語った。
ファイナリストの5人は、綾部華織さん(シンクロア代表取締役)▽グランジェ七海さん(Eighty Days代表取締役)▽Denise Zujurさん(Smart Tissues CEO)▽中村亜由子さん(eiicon代表取締役社長)▽永谷佳代子さん(キャバリー代表取締役)。特別賞は西郡琴音さん(Ready to Bloom Ltd CEO)。
影で見えない部分を見えるようにする医療検査用の「照明装置」などを開発製造するシンクロア(川崎市)の綾部華織さんは「将来的には車のワイパーがいらなくなる照明技術も開発できるかもしれない」と事業の可能性を語った。訪日外国人向けの旅行会社Eighty Days(東京都品川区)を経営するグランジェ七海さんは「外国人富裕層に京都以外の日本の伝統文化にも触れてもらい、日本各地に残る伝統文化の維持に貢献したい」と述べた。
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オープンイノベーションプラットフォーム「AUBA」を運営するeiicon(東京都文京区)の中村亜由子さんは「漁業と人工知能(AI)の組み合わせによる“共創”事業」など、数多くの企業をつなげて生み出してきたイノベーションの成果を語った。東京・表参道で人気カフェを経営する飲食店経営・空間プロデュース業のキャバリー(東京都港区)を立ち上げた永谷佳代子さんは「日本の女の子も世界の女の子も幸せにしたい。夢は諦めなくていいということを、私の姿、事業を通じて若い人たちに伝えていきたい」と話した。
ルワンダなどアフリカの若者の失業を減らすための「人材育成事業」などに取り組むReady to Bloom Ltd(京都市)を設立した西郡琴音さんは「日本企業などが発注するIT関連の仕事を、ITスキルを習得したアフリカの若者が請け負う仕組みで賃金をアップさせている。賃金が上がって家族に仕送りができるようになったアフリカの若者もいる。ルワンダの若者が自ら起業することで同胞の雇用をつくる好循環もこれから生み出していきたい。目標はアフリカで1千万人の若者の雇用をつくること。アフリカの可能性の“花”を私が咲かせます」と意気込を語った。
オンラインで表彰式に参加したバイオテクノロジー企業Smart Tissues(京都市)のDenise Zujurさんは糖尿病性足潰瘍による四肢切断を防ぐ「創傷ケア」の革命を目指す事業の取り組みを説明した。
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優れた女性起業家を顕彰する「EY Winning Women」 は、イギリスが拠点の国際的な会計・総合コンサル企業EY(アーンスト・アンド・ヤング)がつくる女性の起業家・経営者のためのネットワーク「EY Entrepreneurial Winning Women(EWW)」が、女性経営者を応援する目的で日本(EY Japan)では2013年創設。毎年ファイナリストを選出し、女性経営者の活躍を後押ししている。
表彰式ではEY新日本有限責任監査法人(東京都千代田区)の第1事業部パートナーでEWWの日本リーダー・関口依里さんがあいさつし「今年も魅力的な事業を展開する素晴らしい女性起業家の皆さんが選出された。皆さんの今後のさらなる活躍をサポートしていきたい」と事業発展への後押しを約束した。