「瀕死に近い状態から、自力でご飯を食べられるまで回復したことが本当に嬉しいです」そう話すのは、生後1ヶ月のポテトちゃんを保護したゆんゆんさん(@yunyun_a118)。
保護時の状態や強制給餌の苦悩など、共に過ごした約1ヶ月半には泣き笑いした思い出が詰まっています。
母猫とはぐれた子猫を保護して…
出会いは、2024年10月中旬。ゆんゆんさんは近所の庭で、母猫と3匹の子猫を目撃しました。
近づくと、母猫は威嚇。我が子を守りながら子育てしている姿が心に刺さりました。
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それから1週間ほど経った10月30日、ふと気になり、猫たちがいた庭へ行くと、1匹でうずくまる子猫を発見。心配になり、近づいたものの、子猫は走ってどこかへ。きっと、お母さんのところへ戻ったのだろう。ゆんゆんさんは、そう思っていました。
ところが、翌日の朝、再び庭へ行くと同じ場所に昨日見た子猫が1匹でうずくまっていたそう。
「気温が低く雨も降っていたため、いつからいたのかと心配になりました。近づくと、弱っていたのか、丸まって動かなかったので保護しました」
11日間にも及んだ「強制給餌」の日々
家に連れ帰り、ダンボールに入れると、子猫は大きな声でニャーニャー。ダンボールから出ようとジャンプする元気もあり、ご飯を一生懸命食べてくれました。
「家族みんな、フライドポテトが大好きなので『名前をポテトにしようか』と冗談で話していたら、本当にその名前になりました」
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翌日、動物病院へ行くと、猫風邪を患っていることが判明。当時の体重は、300gほど。獣医師からは「体重を増やすことが大事」とのアドバイスを受けました。
安心できる環境に来たことで肩の力が抜けたのか、お迎え後、猫風邪はどんどん悪化。自らご飯を食べなくなったため、シリンジを使って強制給餌を行うことになりました。
しかし、強制給餌をしても体重は増えず。ゆんゆんさんは毎日30分ほどかけて、暴れるポテトちゃんを抑えながら強制給餌をし、食後には顔や目を清潔して薬をつけるなど、できるかぎりのケアをし続けました。
「私がご飯をあげなければ、この子は死んでしまう…!と必死でした。夜中も2〜3時間おきに起きていたので、正直キツかったです。近くに住む実母にも手伝ってもらいました」
どうにか自力でご飯を食べてほしい。そう思ったゆんゆんさんは常にご飯を見えるところに置いたり、鼻づまりでもご飯が食べやすいよう、室温湿度に気をつけたりと試行錯誤。
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すると、強制給餌を始めてから11日後の11月12日、ついにポテトちゃんは自らご飯をモグモグ。
ずっと願っていた行動を、ゆんゆんさんは心から嬉しく思いました。
飼育に反対していた旦那さんも虜に
実はポテトちゃん、当初は猫風邪が治り次第、動物保護団体に引き渡し、里親を探してもらう予定だったそう。
「犬派の夫が飼育を反対していたので、その条件でお迎えしたんです」
ところが、保護から1週間過ぎた頃、旦那さんに変化が。突然「飼いたい?」と尋ねられ、ポテトちゃんは正式な家族となったのです。
この心変わりには、別れを想像して号泣していたお子さんたちも大喜び。ゆんゆんさん一家は、ポテトちゃん中心の生活を送るようになりました。
「高校生の長男は、大の猫好き。いまだに自宅に猫がいることが信じられない様子です(笑)ポテトも長男が大好きでゲーム中、足に乗ったり、そばで寝たりしています」
ゆんゆんさん宅には小学生と幼稚園児のお子さんも3人いますが、その子たちもポテトちゃんを溺愛しているよう。
お迎えを反対していた旦那さんは当初「ねこー」と呼んでいましたが、最近では「ポテー」と声をかけるようになったのだとか。
「何をしてもかわいくて毎日、癒されてます。普通に歩いていると、お尻をフリフリしてじゃれてくる。まだまだ赤ちゃんです(笑)」
今後、猫風邪の後遺症で白濁した目は治るのだろうか…。そんな不安はありますが、どんな状況になっても、ポテトちゃんは大事な家族。
元気でいてくれるなら、他には何も望まない。そうポテトちゃんに伝えるゆんゆんさんの姿は、まさにお母さんです。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)