ミア・ワシコウスカ「心を動かされた」『クラブゼロ』監督からのオファーを快諾した理由

気鋭監督ジェシカ・ハウスナーがミア・ワシコウスカを主演に迎えた映画『クラブゼロ』が、12月6日（金）よりついに公開。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された本作の貴重な2ショットインタビュー動画がシネマカフェに到着した。

名門校に赴任してきた栄養学の教師、ノヴァクは、“意識的な食事／conscious eating”という「少食は健康的であり、社会の束縛から自分を解放することができる」という食事法を生徒たちに教える。やがて、生徒たちはノヴァクとともに【クラブゼロ】と呼ばれる謎のクラブに参加することになる――。

本作では栄養学の教師ノヴァクと授業を選択した生徒たちの、良くも悪くも運命的な出会いが大きな鍵を握っているが、ジェシカ・ハウスナー監督は主演のミア・ワシコウスカとの出会いについて、「私は以前からミアが出演した作品の大ファンでした。多くの映画で彼女の演技を見て魅了され、興味をそそられていたんです。だから丁寧な手紙をそえて出演を打診し、勇気を振り絞って脚本を送りました」と、2人の出会いも必然的であったことを語る。

そんな監督がミア・ワシコウスカにオファーしたのは、生徒たちに独自の健康法を説く、腹の中が読めない謎めいた教師ノヴァクという難役。「エージェントから脚本をもらったあとに、監督とオンライン会議をしました。私は読んですぐ気に入りました」と本作で描かれる物語に惚れ込み、すぐさまオファーを承諾。

さらに本作の魅力についても、「今の若い人たちの脆さについて細かく描かれていたので、すごく感動しました。自分が今ティーンエージャー（10代の少年少女）だったら、本当にナーバスになっていたと思います。ノヴァク先生のもとに集う彼らは物事を変えたいと思っているけれど、まだ若くて一人分の力しかない、そこに心を動かされました」と熱く語っている。

またノヴァク先生という狂信者を作り上げるために、監督はカルト教団から脱会した元信者に会いに行ったという。「興味深かったのは、指導者の中には教義を本当に信じている人もいたことです。悪意を持って他人を操るのではなく、自分たちの真実を理解してもらいたいだけ。そこから着想を得ました」と監督は明かす。

両者の巡り合わせと入念な役作りがあって作り上げられた“観る人を不安にさせる”本作。「意識的な食事」を説くノヴァクとそれに心酔する生徒たち。幸福か、破滅か、ノヴァクが導く先を見届けてほしい。

『クラブゼロ』は12月6日（金）より全国にて公開。

（C） COOP99, CLUB ZERO LTD., ESSENTIAL FILMS, PARISIENNE DE PRODUCTION, PALOMA PRODUCTIONS, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, ARTE FRANCE CINÉMA 2023





（シネマカフェ編集部）