ドラマチックな再会の直後、衝撃の展開!まひろの人生が辛すぎてしんどい|『光る君へ』第46回

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2024年12月08日 16:20  女子SPA!

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ドラマチックな再会を果たしたまひろ。道長に「ここらで違う人生を歩んでみたくなった」と言っていたが、それが叶うのか。

しかし、まひろにとって人生はとても苦いものだった。

◆こんな別れになるならば

大宰府で周明(松下洸平)と再会したまひろ(吉高由里子)。

そんな、こんなところで再会することありますか? 今からまた別の物語始まります? とテンションが上がってしまう。

まひろと目が合うと周明は背を向け、立ち去ろうとするがまひろが呼び止めた。ふたりは最後に会った日のことを話す。

そう、周明はまひろに「左大臣に文を書け」と脅していた。そのまま姿を消し、それきりだったのだ。

いまは通訳として働く周明の案内で政庁に訪れる。そこで双寿丸(伊藤健太郎)と再会、大宰権帥の隆家(竜星涼)とも会う。

道長(柄本佑)から「まひろを丁重にもてなし、旅の安全の図るようお達しがあった」と言う隆家。道長はどこまでもまひろファーストである。

歓待を受けるまひろだったが、隆家から道長が出家し、体の具合も良くないと聞き、動揺を隠せない。そんなまひろの変化を周明は見逃さない。

以前は、「まひろを利用する」という企みと、まひろへの好意の間で揺れていた周明だが、今回は「好意」に完全に傾いていた。少しばかり、わざとらしさが覗いていた以前の周明と比べ、本音の言葉は温かく、鋭い。

道長への気持ちもストレートに問うし、だからこそ、まひろも自分の気持ちを素直に話せる。

「書くことしかない」というまひろ。好きなものを書けばいいではないかと思うが、道長が書く機会を与えてくれた。だからこそ書けた。しかし、もうその居場所はないのだ。

確かに、亡くなった大切な者たちのゆかりの場所を訪れる姿はどこか今世に別れを告げているようにも見える。周明はそれを感じ取ったのかもしれない。「紙と筆と墨があればどこででも書ける」と優しく言う。俺の物語を書くのはどうだ、と冗談めかして言ったあと、まひろ自身に起きた出来事を書くのだっていい。少しずつ、表情が明るくなっていくまひろ。もしかすると、ここ数回で一番穏やかな笑顔だったかもしれない。

しかし、周明との時間は長く続かなかった。

まひろは周明と共に、船越の津を目指す。かつての友・さわが暮らしていた松浦に向かうためだ。そこで、まひろたちを異国人らが襲う。

九州を中心に甚大な被害を与えたという「刀伊の入寇」だ。刀伊の入寇は1019年3月末から4月のできごと。このころの紫式部が何をしていたか、詳しい記録は残っていないという。万が一、巻き込まれている可能性がないとも言い切れない。亡くなった年自体も不明なので、このあたりはifの世界だろう。

その中で、ほんのりと好意を抱いていた男性と再会し、戦の中から逃げ惑う。ふたりで逃げ切ることができれば、また違う未来があったかもしれない。隆家らの軍勢も到着し、どうにか助かるのでは、という場面で周明の左胸に矢が突き刺さる。

そんなことがあっていいんですか????

転んだまひろに手を差し伸べた周明の左胸に矢が刺さるんですよ?

そんことがあっていいんですか!!

正直、観ながら「あああああ!」と声が出てしまった。

愛した人たちの死は辛い。せめて、穏やかな死であれ、と思う。

母の死、友・直秀の死、弟の死と、ひとりの人生には重すぎる死を体験した。夫に関しては亡くなってから知った。ここまでまひろに死を背負わせなくとも……。いや、まひろから、まひろを愛する人を奪わないでほしい、と思ってしまう。

◆双寿丸との再会

今回、双寿丸も刀伊との戦いで活躍を見せた。武者だから、戦いの場でこそイキイキとする身のこなしの軽やかさ、怖いもの知らずの真っすぐさ。終盤の物語の中で清涼剤のような存在だ。暗い表情が似合わない。

そんな中で、表情が動いたのが賢子(南沙良)の近況を聞いたときだった。女房として宮仕えをしていると聞き、「大人になったのだな……」と言う。

そう、明るさがありながら、双寿丸が何を考えているのか全くわからないのだ。賢子にとって初恋の人だし、恋人に近い関係だと思っていたように見える。親しそうにしていたし、双寿丸も賢子をかわいがっているように見えた。だが、「妹のような存在」という片思いしている女子としてはダメージが大きすぎる一言を残して立ち去った。

なんとなく、天然で言うタイプにも見えない。自分が武者だから、いずれ賢子を悲しませることになるかもしれないと突き放したのかもしれない。だから、賢子の幸せを願っている。それでも、自分の手の届かないところに行ってしまうのは寂しくて……と想像すると、これもまた切ない話だ。

◆大宰府で生まれ変わった隆家

大宰府でハツラツとしていたのは隆家だ。目の治療をし、回復して見えた世界は隆家の心を変えたらしい。

「内裏のような狭い世界で位を争っていたことが、くだらぬことであったと思うようになった」

父、兄、姉が権力争いの中で命を落としていったことを思うと、余計にそう感じるのかもしれない。1年の大河の物語の中で闇落ちしていく人物はたびたび見かけるけれど、隆家のように何か憑き物が落ちたような人だっているの決まっているのだ。

「仲間がいれば良い」と言った隆家は刀伊の入寇で大きな成果を挙げた。隆家がいたからこそ、被害を最小にとどめられたのかもしれない。それはきっと仲間がいたからこその成果だろう。

さて、「光る君へ」もあと残すところ2話だ。最後、まひろと道長の関係は決着がつくのか。

<文/ふくだりょうこ>

【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ

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