もうすぐクリスマスだ。街中の至るところにはツリーが飾られ、おなじみのクリスマスソングが流れてくるなど、どこか浮き足立っているように見える。
家族のために、恋人のために、もうすでにクリスマスプレゼントを買ってあるという人も多いだろう。だが、そのプレゼントのチョイスを「失敗してしまいました」と言い、クリスマス目前で後悔している人たちも……。
◆奮発して購入したネックレスに“炎上”の過去
「まじでSNSで検索しなかった自分をぶん殴りたい」
大学3年生の広田裕さん(21歳・仮名)はそう言って青ざめている。彼には付き合って半年の彼女がいるが、クリスマスプレゼントを購入して「大失敗してしまった」そうだ。
「なんとなくアクセサリーがいいな、と立ち寄ったデパートで一目惚れしたんです」
彼女のためにチョイスしたのは可愛らしいネックレス。お値段は4万円いかないくらいだが「大学生の僕からしたら頑張りました」と話す。
「クリスマス当日は一人暮らしの彼女の家で過ごす予定で、絶対に喜んでくれるんだろうな!ってウキウキでした」
広田さんは実家暮らしだが、自分の部屋の机に、汚れないようにプレゼントを保管していた。ある時、妹が広田さんを呼びにきた際に衝撃の一言をくらった。
「妹が『てか、それ買ったの?』というので『彼女のクリスマスプレゼントだよ』と答えると、『お兄ちゃんってネット見ないわけ?』と言われ……」
なんと広田さんが彼女のために購入したネックレスのブランドは、クリスマスシーズンに「もらいたくない」「いらない」などと炎上したことがあるものだったという。
◆「高校生の私でもいらない」妹から酷評の嵐
「妹曰く『高校生の私でもいらない。恥ずかしいからあげないほうがいいよ』とのことでした。しかも、そのブランドを酷評するまとめ記事まで見せられてしまい心が折れました」
とはいえ、彼女はブランドに疎く、物欲もそこまでないそうで「彼女なら喜んでくれると思う」と反論したそうだが……。
「妹が追い討ちをかけるかのように『まぁ彼女だし、返してきたりはしないだろけど、いらないとは思うよ』と。なんか妹の言葉にだんだんメンタルがやられてきて、彼女にあげても本当はいらないのに喜んだふりをするんじゃないか? 僕と会う時だけつけて、他の時はつけてくれないかも? 友達に『彼氏のセンスやばw』とか言われたら申し訳ない……というネガティブ思考が止まらなくなりました」
まだ新品未使用ということもあり、フリマサイトで転売を試みるも「定価の半分以下でも売れていない現実を見て、妹の言うことの信憑性が高まって余計に悲しい気持ちになりました」とうなだれる。
「結局、半額以下で売るのも嫌だし、彼女にもあげたくない、でも返品するにもレシートがない……。どうしたらいいのかわかりませんが、もうすぐクリスマスです。一体どうしたらいいんでしょうか?」
◆冬のボーナスでがんばって買ったのに…
悩める男子は他にもいる。東京都在住の秦野直樹さん(29歳・仮名)も「クリスマスプレゼントを失敗してしまいました」と肩を落とす。
「彼女に『これが欲しいなぁ』と上目づかいに言われたハイブランドのピアスを買っておいたんですが、その翌週に『パパが買ってくれたぁ』と全く同じものをつけてきたんです」
秦野さんはあまりのことに「へ、へぇ」しか言えなかったそうだ。
「彼女のお父さんは社長で、すごくお金持ち。リクエストされたピアスは8万円。僕にはとっても高いけど、お父さんにとってはなんてことない金額なんですよ。
僕におねだりする前に、パパにもこのピアス欲しいって言ったら『手頃な値段だから彼氏に頼みなよ』と言われてたそうで。だから僕も買ったのに……しかも手頃じゃねぇし……」
なんと、某百貨店で彼女が買い物中に70万円相当のバッグまで買ってもらったようで、その時に「これも欲しかったんでしょ?」と“ついで”程度にピアスも買ってもらったようだ。
「僕は冬のボーナスで頑張って買ったんですけどね。本当にクリスマスどうしろっていうんだ」
クリスマスまであと少し。彼らはこのプレゼント問題をどう解決するのだろうか。ハッピーな1日を過ごせることを祈るばかりだ。
<取材・文/吉沢さりぃ>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720