整形総額1億円、SNS総登録者数60万人超えのタレントとして知られるアレン様。2024年10月30日に発売された初の著書『全てアレン様が正しいでございます』(玄光社)は、1週間で初版発行部が完売するほど話題になっています。
いじめ、非行、少年院…といった過去を語ってくれたインタビュー1回目に続き、今回はデビュー後、そしてファンへの想いを聞きました。
◆この本を「誰でもネット転載OK」にした理由
――今日、著書は書店ではほぼ品切れでしたが、Xで買った方のポストがバズってるのを見ました。
アレン:そうなんです。他のタレントさんと決定的違うところは、この本はいっぱいある写真も文章も、全部ネットに載せていいの。出版社も私も許可してる。なぜかっていうと、もったいないくらいのことを書いてるから。買った人しか見られないものじゃなくて、みんなが共有をするべき“経典”だと思ってます。
――転載自由!? それだと売上も印税も減ってしまいますよね。
アレン:そう。でも、3500円超だと買えない人もいると思うんです。学生の方にも読んで欲しいけど、気軽に買える価格帯ではないし。だから、私は最初から出版社の方に「中身を載せることを許可してほしい」って頼んだんです。「そんなこと今までにないから確認します」って言われたんですけどOKが出たので、今みんながこれをネットに載せてくださってるんですよ。
増刷しないつもりだったけど、完売しちゃったので、本当にわずかだけ増刷をOKしました。レア感がなくなるような売り方ではなく、この本を既に買った人が、「早く買っといてよかった」って思ってくれる程度の増刷にしようと思ってます。
――儲けを考えたら、増刷したいと思うのが人のサガだと思うのですが…。
アレン:だって私、嫌だもん。なんかよくYouTuberとかタレントがやってるみたいに「これだけ売れてます!」「増刷しました!」って……自分のエゴじゃんって思うの。自分にハクがつくからやってることでしょ。急いで買いに走ってくれた人や、「早く手に入れないとやばい」と思って初版を買ってくれた人の気持ちは考えないんだ?って思うんです。
◆売れなかった6年間の劣等感
――本当にファン目線なんだなと感じるんですが、なぜそこまで…?
アレン:やっぱり私って売れない期間が長かったからですかね。今も売れてるって思ってるわけじゃないんだけど。
17歳で上京して、足立区のアパートに住んでバイトしながら芸能界を夢見て、自分で売り込んで初めてテレビに出たのが2014年頃。その後も、全く見向きもされない自分に劣等感を抱えていた期間が6年ぐらいあったから、ファンの大切さをそこら辺のアイドルの1000倍くらい知ってる。だから、常にファン目線なんです。
◆テレビのおもちゃにされて、うんざりだった
――いつ頃まで「売れてない」っていう気持ちだったんでしょうか。
アレン:ぶっちゃけ、言うよ。女子SPA!にインタビューしてもらった頃(2019年)でも、やっと1%の人がアレン様の良さに気づき始めたかな?ぐらい。それまでもテレビに出ていたけど、出方も悪かったし、本来の自分を出すのも怖かったし、地元の友達とか親にそんな姿を見られるのも嫌だし、綺麗な売り方だけをしてたのね。
でも、そんなの売れるわけない。だって、誰もそんな求めてないから
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著書には、テレビに出ながらくすぶっていた6年ほどの苦い経験が書かれています。(以下< >は同書から引用)
<(初めてのテレビ出演で)放送を見たら、ヮタクシの発言も放送で全く違う形にされて、「整形依存ヒモ男」みたいなキャラにされちゃって。>
<収録で言われた通りにブチギレたら、放送でとんでもないヒステリックサイコ野郎みたいな取り上げられ方してたの。>
<自分のキャラを出す場所がなくて、テレビに呼ばれてはたらい回し。もう本当にうんざりだったの。>
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◆転機はSNSで「普段のアレン」を出したこと
――そんな時、お友達に「普段のアレンを出したほうが面白いのに」と言われて、旧TwitterやYouTubeで発信し始めたことが転機になったそうですね。
アレン:そう。本来の自分を出した今の方がすごく幸せだし、汚い部分を隠している間は誰も売れないって思ってます。身をもってそれを経験しましたね。
テレビもオファーがあれば出ますけど、知名度があることと、ファンがいることって別物じゃないですか。だから、私は今すごい幸せ。私とクリマン(ファンのこと)は共依存だから、仕事としてSNSをやってるんじゃなくて、SNSで友達の動向を追うように、気になってクリマンのこと見ちゃうんですよね。私は友達がほぼいないので、クリマンとの方が交流が多いです。
◆みんな、もっと好きに生きればいいのに
――今こうやって“アレン様”として崇拝されているのは、なぜだと思いますか?
アレン:現代を生きている人のほとんどが、自分の好きなように生きれてないのよ。本当は好き放題言っていいし、キレたかったらキレていいし、嫌だったら行かなきゃいい。でも、それができてないし、できない人が多いんです。だから、自由に生きれてる私に魅力を感じてくれているのかなって。
――好きなように生きられない、人目が気になるっていうのは、なぜなんでしょうね。
アレン:日本だからっていうのはあると思います。同調圧力に負けちゃう人が多いのかなって。私のいろんな話を聞いて、離婚に踏み切ったり転職したりして、それで幸せになったっていう方も多いんですよ。
――いまだに、LGBTQや整形している人、変わった人やはっきり言う人に対して、世間は叩きがちじゃないですか?そういう世の中に対して思うことはありますか?
アレン:LGBTQに関しては、カミングアウトしなくていい人もいるわけだし、その人にとってのベストな形の幸せを体現できれば何でもいいと思ってます。今って逆に、“公表しなきゃダメ”みたいな風潮あるけど、したくなかったらしなくていいのよ。だから、私も公言してないし。
「アレン様って性別どっち?」ってよく聞かれるんですけど、性別は「アレン様です」しか答えてない。皆さんの想像におまかせするわ。だって、アレン様っていう性別だから。
◆やりたいことや目標は「ありません!」
――アレン様は「友達がいない」とか「人よりも自分を愛してる」とか、どこか他人に対してある種クールな部分もありますが、それはなぜなんでしょう。
アレン:本当にこれ申し訳ないんだけども、自分に対してかけるほどの愛情を、他人にかけられない!ただそれだけ。
多分みんな愛してる人とかいると思うんだけど、その人と同じだけの愛情を、友達にはかけれないじゃない?それと一緒。私は自分以上に愛する人がいなかっただけ。それは、他人に期待をしないからっていうのも大きいと思います。
――アレン様がこの先、目指すものについて教えてください。
アレン:私は上がり続ける。止まらない。下がらない。上がり続ける。上がらせる、人生を!いつもその決意で生きてる。やりたいこととか、挑戦したいことがなくても勝手に来るんです。
目標は?とかよく聞かれるんですけど、私は具体的にこうなりたいとかいう目標は全くない。むしろ、やれることは全部やる。で、自分に合わないことはやらない。もうそれだけです。
合わないことをやってると、人生が思ってもない方向に向いてしまう。引き寄せの方向と、逆に行ってしまうんです。だから、良いものはどんどん自分で引き寄せて、いらないものだけ、排除していく。それを心がけてますね。
<アレン 取材・文/瑞姫 撮影/星 亘(本誌)>
【アレン】
マダムタレント。幼少期から波瀾万丈な人生を歩んできた結果、どんな時も自分を最優先する生き方を貫く姿が、ファンの生きる道標となっている。登録者数約30万人のYouTubeなど、SNSフォロワー総数60万人。著作はカレンダー『一日一枚 アレン様のお言葉とお写真BOOK366』、『全てアレン様が正しいでございます』。2025年1月に『アレン様は大変!!ぉ怒りになられてます。』を刊行予定。YouTubeチャンネル、X:@Allen_Japan_No1、Instagram:allen_japan_official