「2025年も僕にはレッドブルとの契約がある」
シーズン中盤から不調に陥ったセルジオ・ペレス(レッドブル)に対して、シート喪失の噂が流れるたびに、ペレスはそれを否定し、そう言い続けてきた。
だが、アブダビGPのレース後、そのペレスの態度に変化がみられた。
「僕には契約がある」という姿勢は同じだったが、そのあと「今後は話し合いによって、状況が変わる可能性もある」と付け加えたのである。その内容は、通常であれば、チームのリリースでは削除されるものだが、チームも堂々と掲載してきた。
「すべてが終わって、前を向いていけることにただただ安堵している。今後どうなるかはまだわからない。チームとは契約は結んでいるけど、話し合いを続けている。前進するために、全員にとって何が最善かを話し合う必要があるからね」
レッドブルはレース翌日の12月9日(月)にアブダビから約100km離れた同じアラブ首長国連邦のドバイで緊急会議を開くことになっていると言われている。レッドブル社の株式の51%を所有するチャルーム・ユーウィッタヤーの住まいがあるからだという。
その話し合いの主要なテーマは、ペレスの件となるだろう。ペレスが「全員にとって、何が最善かを話し合う必要がある」と言っていた真の意味を深読みするとしたら、それはペレスを更迭する場合、違約金はいくら必要かということになる。その話し合いをチーム首脳陣はレッドブル社の経営陣とするのではないかと言われている。
では、ペレス離脱後にそのシートに収まるのは誰か?
すでにフランコ・コラピント(ウイリアムズ)はその候補から外れ、残されたカードは角田裕毅とリアム・ローソンのどちらかだと言われている。
レース後、クリスチャン・ホーナー代表は、RBのふたりのドライバーのアブダビGPのレースについて、こう語った。
「リアムは厳しい状況のなかで、非常にいい仕事をしてくれている。彼がこれまでに成し遂げてきたこと、そして彼が持っている時間やレースペースを分析すれば、彼はいい仕事をしていると思う。ユウキもいい仕事をしたと思う。だから、もし何かを決定しなければならない場合、彼らが候補になるだろう」