5年前に旧ジャニーズ事務所が選んだ“次世代エース3人”のうち「STARTO社の象徴」になるのは誰か

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2025年02月11日 09:20  日刊SPA!

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山田涼介
 2020年4月。新型コロナウイルスの感染拡大や医療崩壊を防ぐための理解を深めるため、『続けよう僕らにできること』の言葉のもと、ジャニーズ事務所(当時)とNHKの連動企画として、Hey! Say! JUMP山田涼介とSexy Zone(現・timelesz)の中島健人(当時)、King & Princeの平野紫耀(当時)の3人が、感染拡大、医療崩壊を防ぐための「STAY HOME」などを動画で呼びかけた。
 多くの人に大切なメッセージを届けるために選ばれた3人。いわゆるジャニーズの「王道王子様」的イメージがあり、メンバーも20代が中心の若手の3グループ、そのエース的存在の3人が抜擢されての大型企画ということで、これからの時代は、きっとこの3人を「顔」として次世代を引っ張っていく存在にしていくんだろうなという意思のような印象も、当時受けた。

◆“次世代エース”のうち山田涼介だけが変わらなかった

 そこから5年近くの歳月が流れるなか、同事務所に所属していたタレントのマネジメント等の業務を新会社「STARTO ENTERTAINMENT」へと引き継ぐかたちで再出発をはかるなど、旧事務所を取り巻く環境は、大きく変わった。

 この3人の中でも平野が23年にグループ脱退後に退所、中島は昨年3月にグループを卒業した(現在はソロで活動中)。それぞれの、そしてさまざまな事情があると思うが、5年前と変わらぬ環境の中立ち続けているのは山田ひとりである。

 ところで旧ジャニーズ事務所所属のタレントに対して世間が抱いていた大きなイメージは、なんだかんだ「“イケメン”“美少年/美青年”が多数所属する事務所」というものではないだろうか。

 かつては「ジャニーズ顔」という表現も存在したほど概念化したそのイメージは、一連の性加害騒動を経て新会社となったいまも、大きくは変わらないと思う。

 依然として世間の風当たりの強さも残るなか、社とタレントが一丸となって目指すのは信頼や好感度の回復、その一方で、さきほど「概念化」といったが、さまざまなタレントの個性を打ち出しながらも創業時からのタレントイメージの維持も重要なことだ。

 そういう意味で、ファンと一般層いずれも納得いくような現在のSTRATO社のタレントイメージの「顔」的存在は、2025年冬の現在、結局のところ『僕たちに』プロジェクト参加者のひとりでもあり現在も変わらぬ立ち位置で活躍を続ける山田涼介一択になるのではないだろうか。

◆「STARTO社アイドル」の顔的存在でい続けるだろう超優等生

 もちろん、山田のほかにも一般層への知名度、認知度が高く、実績も十分すぎるほどの同社のタレントはたくさんいる。

 とはいえ、10代のジュニアなども含む「“イケメン”“美少年/美青年”が多数所属する事務所」として見る場合のSTARTO社のアイコンとしては、40代、50代のベテラン・大物よりもフレッシュ感が漂うほうがいい気がする(たとえばチャリティ企画など、社が一丸となって取り組む大型プロジェクトとなれば、そのようなベテラン勢が表に立つほうが正しいだろうが)。

 山田はその人気ぶりは言うまでもなく、この数年にもHey! Say! JUMPの活動はもちろん、さまざまな作品への主演、CM出演に加え、自身のゲームチャンネルでの動画配信による新たなファン層へのアピール、そして二宮和也らとの『よにのちゃんねる』での活躍や積極的に行うインスタライブなど活動の幅はますます広がり、その認知度はますます高くなっていることは間違いない。

 活動の充実ぶりに加え、30代に突入しても20代のころと変わらぬフレッシュさを保つ雰囲気、仕事や私生活に対する真摯な姿勢、ことあるごとに見せるグループへの思い、ツッコミ力やコメント力、大きなスキャンダルのなさなど、男性アイドルとして求められる要素もパーフェクトに近い超優等生だ。

 それでいてバラエティなどに出演したときに見せるポンコツぶりという「スキ」も持ち合わせている。そして、ジュニアばかりでなくデビュー済の後輩たちの何人もが尊敬する先輩に山田の名前をあげるなど、内部からの支持もあつい。

「STARTO社アイドル」の象徴、顔的存在は、とりあえず山田涼介一人で大丈夫そ?と結論づけたくなる。

◆山田涼介よりもふさわしい存在はいるのか

 もちろん、いや、山田よりもふさわしい存在がいるだろ、もっと人気あって活躍してる近い世代もいるだろ、という人もたくさんいるだろう。

 もし、山田を軸として、『僕たちに』プロジェクトのような3人を選べと言われたら、どうなりそうだろうか。完全なる私見で考えてみる。

 中島、平野に代わり、timeleszの佐藤勝利やキンプリ永瀬廉だと、単にスライドさせた感が出そうだ。

 たとえばSnow Manの目黒蓮やSixTONESの松村北斗あたりはどうだろうか。人気や実績的には申し分ない気もする。

 しかし、『僕たちに』の時点で2つのグループはデビュー済みではあるものの、冒頭に書いたような「王道王子様」的雰囲気とは異なる魅力を打ち出すグループとして人気と地位を確立してきたグループであるし、目黒、松村はどちらかといえばアイドル的活動以上に俳優としてブレイクしている印象も一般層にとっては強いのではないだろうか。

 では、「王道王子様」的雰囲気をもつ、なにわ男子はどうか。たとえば現在中国での人気が高いという道枝駿佑は、山田と横並びになると、やはり後輩感、一世代下感が漂ってしまいそうな気がする。

 そうなると、道枝世代が充実したときの次世代の「顔」としてバトンタッチするほうがよさそうだ。

 事務所を去るタレントも多いなか、「旧ジャニーズぽさ」保存会会長のような存在に、期せずしてなってしまっていくのかもしれないが、ここへきて、ソロとしてのセカンドデジタルシングルまでリリースし、さらにJUMPしてしまっている山田涼介が個人で背負うものは、ますます大きくなりそうだ。

【太田サトル】
ライター・編集・インタビュアー・アイドルウォッチャー(男女とも)。ウェブや雑誌などでエンタメ系記事やインタビューなどを主に執筆。

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