「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」が、2月12日、「エア ジョーダン 1(Air Jordan 1)」の40周年記念イベントを関係者向けに開催した。会場には、ブランドにゆかりのある藤原ヒロシのほか、同イベントのパートナーである「ノーマリズムテキスタイル(NOMARHYTHM TEXTILE)」の野口真彩子と佐々木拓真が来場。ジョーダンの歴史に思いを馳せ、パネルトークを行った。
同イベントのテーマは「UNBANNABLE(禁止できない)」。エア ジョーダン 1が、1985年当時のNBAが定めた「白の面積が一定以上あるシューズを着用する」というルールに反していたことで、マイケル・ジョーダンが同モデルを履くたびに毎試合5000ドルの罰金を払い続けていたことからついた愛称「BANNED(禁止された)」、ブランドがそれを逆手に取って放送した「NBAはジョーダンにシューズの着用を禁止したが、君たちが履くことを禁止できない」というCMにちなんでいる。
パネルトークでは、エア ジョーダン 1をはじめとしたジョーダンシリーズがストリートシーンに与えた影響について話を展開。藤原は、ファーストジョーダンのエピソードについて聞かれると「ジョーダン 1は、ラッパーのLL・クール・J(LL Cool J)が履いていたことをきっかけに知りました。当時スケボーにハマって、周りのスケーターがみんなジョーダン 1を履いていたこともあって履き始めましたね。最初に買ったのは白ベースのもので、アメ横で買いました。当時、日本では白ベースしかなかったんですが、原宿のビームスにだけ青黒のものが売っていて、それも買ったのを覚えています。ジョーダン 1が出てくるまで、バスケシューズはコンバースのようなものが主流でした。アディダスのスーパースターも斬新だったけど、ジョーダン 1は全く違う形でしたよね」と振り返った。
「フラグメントデザイン(fragment design)」とのコラボレーションについて聞かれると、「最初にコラボした時は、ジョーダン 1だけは誰もコラボレーションができないという都市伝説があって。そもそもできるのか?というところから始まりました。(プロモーションだけで使われていた)ブラックトゥのミステリアスなストーリーを利用した“ブルートゥ”を出して『実は(ブラックトゥだけじゃなく)ブルートゥも存在した!』という嘘のストーリーを作って発売したかったんですが、ナイキから怒られて実現しませんでした(笑)」と秘話を語った。
野口真彩子は、今回手掛けた会場のファサードのデザインについて「テキスタイルデザイナーとして、建物を布で覆った表現をしてみたいという思いは常にありました。約2年前にもナイキのイベントで同じアイデアを提案したんですが、そのときは実現できなくて。今回もダメ元で提案したら、ようやく夢が叶いました」とコメント。藤原は、このエピソードと今回のテーマ「UNBANNABLE」にちなみ、「なんでも自由にやるのではなくて、ルールから大きく逸脱せずにどこまでできるのかを攻めるのが良いですよね。例えば、中学や高校では制服は決まっているけど、スカートの丈を変えたりブレザーの裏地をチェックにしたり、どこまでできるのか挑戦するじゃないですか。そういう意味でも、ジョーダンもギリギリを攻めることで面白くなったんじゃないでしょうか」とジョーダンの魅力について触れ、パネルトークを締め括った。