ジェット・カー「青胴車」引退 昭和の阪神を象徴…半世紀の活躍に終止符 レトロな緑色の車内も見納めに

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2025年02月15日 07:40  まいどなニュース

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5001形は2月10日に最後の運行を終え引退した

阪神の普通用車両「青胴車」が2月10日に引退しました。青胴車は高加速・高減速という特殊性能を持ち、長年にわたり阪神間の普通運用で活躍しました。一方、青胴車の引退により、昭和の阪神ではお馴染みだった緑色の「アレ」も消滅することになりました。

【写真】5001形の化粧板…昭和レトロを感じさせる緑色でした

「青胴車」「ジェット・カー」の愛称で親しまれた5001形

2月10日に引退した車両は、阪神の普通用車両5001形(5025編成)4両です。5001形は1977年に登場。「青胴車」「ジェット・カー」の愛称で実に48年にもわたって活躍しました。愛称となった青胴車は5001形の外装に由来します。昭和期の阪神の普通用車両は上部をクリーム色、下部をウルトラ・マリンブルー(青色)とし、急行用車両と区別されました。

「ジェット・カー」の呼び名は、高加速・高減速の車両性能に由来します。阪神本線は駅間距離が短く、普通は急行・特急といった優等列車の邪魔をしないために、高加減速が求められています。そこで、5001形は加速度4.5km/h/s・減速度5.0km/h/sという全国屈指の高加減速の性能を持つことに。この高加減速は後継の普通用車両にも引き継がれています。

一方、平成以降に生まれた普通用車両の塗装は大きく変わり、5001形は最後の青胴車として晩年を過ごしました。5001形の引退により、阪神から青胴車は消滅。「昭和の阪神」がまた一つ消えることになりました。

昭和レトロを感じさせた緑色の壁

5001形を語る上で青胴車、高加減速は外せないワードです。しかし、筆者が注目したのは車内の壁(化粧板)の色です。5001形は登場時から引退するまで、緑色の化粧板を維持しました。他の阪神の車両の化粧板は白系であり、淡い緑色は昭和レトロを感じさせる色でした。

もともと、昭和期の阪神の化粧板は普通用車両、急行系車両にかかわらず緑色でした。阪神5001形は昭和期の車内レイアウトを令和に伝えた貴重な車両、ともいえます。

阪神の化粧板が変更されたのは急行用車両8000系2次車が登場した1985年です。8000系2次車の化粧板はベージュのチェック模様を採用。外装も含め、阪神のイメージを一新しました。

一方、大きく変わった部分もあります。それは、座席です。登場時は赤色の座席であり、座り心地は柔らかめ、といった感じでした。後に現行の緑色の座席に変わり、座り心地も少し硬めになりました。

引退前の2月1日からは、特製ヘッドマークが掲げられ、車内には特製ヘッドマークと同じデザインの旗が取り付けられました。沿線や駅では、5001形の最後を撮影するファンの姿が見られました。最後に「お疲れ様」という言葉をかけたいと思います。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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このニュースに関するつぶやき

  • ごく数回しか乗ったことないですが、確かに加速に特化した電車だったなあ。通勤型も沼ですわ
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