元セクシー女優が暴露する「ビデオ撮影の裏側」。女優が“許されるワガママ”とNG行動

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2025年03月15日 16:01  日刊SPA!

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元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半で引退を決意し、ライターへ転向。現在は鳥越アズーリFM「たかなし亜妖のモザイクストリート」で冠番組を持つなど、メディア出演も積極的に行っている。
◆元女優だから知っている「ビデオ撮影の裏側」

「セクシー女優はお姫様扱いをしてもらえる」「現場のみんながチヤホヤしてくれる」というメリットを並べ、求人を強化するプロダクションやスカウトマンがいる。“女優はお姫様”なんてウワサは一般ユーザーもよく知っているようで、「大金をもらえてヨイショされるなんて、いいご身分だな!」と思う人さえいるだろう。

 しかし、実際はワガママ放題ではないのが現実である。現場スタッフは演者に優しいけれど、すべてのお願いをきいてもらえるとは限らないのだ。今回はセクシー女優の“ワガママ”と仕事をするうえで欠かせない“要望”がどこまで通じるのかを解説しよう。

◆共演NGの要望がほぼ確実に通る!

 先に結論を言っておくと、ぶっちゃけ7割くらいは融通が利く。ただし残りの3割は難しいことが多く、女優側も妥協しなければならないので、完全なる“お姫様扱い”の印象とは程遠いかもしれない。

 演者に気持ちよく仕事をしてもらわなければ良い作品が作れず、現場が難航するため、メーカーは共演者やスケジュールに関してかなり柔軟に対応する。

 例えば、「セクシー女優Aさんは業界仲間のB子ちゃんに対し苦手意識を抱いており、絡みたくない男優のC男さんもいる」といった場合。やりづらい相手と共演させてもまるでいいことは起きないので、メーカーはAさんの作品に、該当する2人を絶対キャスティングしない。つまり、これが共演NGというヤツだ。

 女優が「この人は嫌」と言えば、理由がどうであれ要望が確実に通る。生理的に無理、喧嘩したからあの子キライなど、人間関係においてはどんなワガママでも取り合ってもらえるので、ダメな相手と顔を合わせずに済むのは女優にとっていいことかもしれない。だからといって何でもかんでも突っぱねるとメーカーを困らせるので、限度はあるのだが。

◆スケジュールも女優の要望が優先的に

 またスケジュールも非常に重要で、撮影日や終了時間も可能な限り演者に合わせていく。特に子どものお迎え、門限、住居が遠方など事情は人それぞれなので、ケツ(上がり時間や締め切りのこと)が決まっている演者の始まり・終わりの時間は早めに設定される。

 相当現場が押さない限りは既定の時間通りに帰し、どうにもならないくらい段取りが狂っていると、その場で変更を加えたり、最悪の場合は追撮(追加撮影の略)で対応を行うのだ。

 共演者やスケジュールは撮影をするうえで欠かせない“基本のキ”であるため、演者の融通が効きやすい部分である。

◆食事についても半分くらい要望が通る

 丸1日、あるいは数日間も現場に缶詰めだと、食べ物は超・重要な問題になってくる。「そんな、食事ごときで」と思われるかもしれないが、仕事中は自由な行動ができず、好き勝手にコンビニへ行くことも外食も許されない。必要なものがあればADへおつかいを頼むしかなく、食事もメーカーが定めたタイミングで食べるとなると、大なり小なりストレスを覚えるものだ。

 よって裏方は、何が食べたいか・好きor嫌いなものは何か・アレルギーの有無などを女優に聞き、少しでも内面の負担が減るように心がける。

 相当高価なお弁当や、すぐに手に入らないもののお願いは通らないけれど、コンビニを指定するくらいのワガママならOK。たまに超シゴデキADだと、近隣に指定のコンビニがなくとも時間が許す限り走り回るのだから、こうなると確かに“女優は姫扱い”と言えるかもしれない。

◆単体の現場ならより“姫扱い”に

 また、単体の現場なら出演者の好みのおやつが置いてあったり、好きなお弁当のジャンルを事前ヒアリングするなどして、なるべく要望に応えられるよう工夫がなされている。

 予算の都合や配送の問題で難しいときも多いのだが、基本的には半分くらいのワガママが通るので、食事関係で演者が困ることはあまりないだろう。

◆衣装は要望が通らないことが多い

 逆に意見がまったく通らないのが衣装である。最近は自前の衣装を持参する現場も増えたが、撮影ではメーカーが用意した下着や洋服を使うのが一般的。ストーリーや設定に合わせた衣装が用意されるため、どんなにダサくても過激でも女優は拒否できないのだ。

 拒否できるのは「金属アレルギーが酷いので、アクセサリー類がつけられません」くらいで、あとはNOと言ってはならない。それでも「短時間の着用でも肌が荒れちゃいますかね?できればつけてほしいんだけど」と、場合によってはギリギリまで粘られる。まぁ人妻設定なのに結婚指輪なし、ギャル設定なのにノーアクセでは役として成り立たないため、制作側の気持ちはわかるのだが……。

 なお、どうしてもアクセサリーをつけなければならない場合、金属アレルギーが軽い場合は負担を減らす「魔法のクリーム」的なアイテムがあるので、それを使用する。このクリームはメイクさんが所有していることが多い。

 着ている意味をなさない全身網タイツとか、「若妻じゃなくて、これは熟女だろ!」とキレたくなるようなシブすぎる色のニットやら……。女優が怒るレベルで嫌がったら話は別だろうけど、向こうが指示したものは絶対に着用するのがセオリーだし、衣装でガタガタ文句を抜かす人はまずいない。衣装関係でトラブルが起きる例は「サイズが合わない」以外、ほぼ発生しないと言えよう。

◆女優は特別でも主導権はメーカーに

 どの現場にも共通して言えるのは、主導権を握るのはメーカーということ。主人公は女優かもしれないけど、制作あっての作品のため、何でもかんでも要望を通すわけにはいかないのである。

 撮影と言えど立派な仕事なのだから、冷静に考えれば「ワガママ全OK!」では成り立たない。けれども、姫扱いされるセクシー女優を夢見て業界の扉を叩くひよこちゃんの中には、すべて要望が通ると勘違いする女性も多いため、困ったものである。

 たぶん映像関係の演者よりも、夜のお店のキャストの方がワガママを聞いてもらいやすい。彼女たちは女優と違って個人プレーで、取引先(=客)も多いとなれば、無理な要望を飲んでくれる“誰か”を見つけやすいからだ。

 今回はちょっとニッチな部分の裏側を紹介させてもらった。今後も現場に入った人間にしか知り得ない裏側シリーズを不定期でお届けするので、どうぞお楽しみに。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。

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