写真みなさん、こんにちはファッションスタイリスト&ライターの角佑宇子(すみゆうこ)です。素敵に見られたい気持ちはあっても、おしゃれに関しては「頑張ってる感」が出るとちょっと恥ずかしい気分になりますよね。それはきっと、背伸びして人に良く見られたいという自分の欲が周囲にバレてしまうから。そこで今回は、傍目から見て「おしゃれを頑張ってるんだな」と感じさせてしまう着こなしとは、どういうものかについて解説いたします。
◆デザイン性がある一張羅の勝負服
おしゃれを頑張っているなと思わせる方の多くは、一枚でコーデを完結させるような一張羅(いっちょうら)を好む傾向があります。
いわゆる「これさえ着ていれば素敵に見える」というワンピースやスカート、あるいはセットアップなど。組み合わせに工夫がいらないもので、でもデザインに個性がある。
◆おしゃれさが“0か100か”に陥らないために
パッと見の印象はとても華やかであったり、時に大胆な肌見せがあったりと確かにおしゃれです。しかし、そうしたアイテムは一度着てしまえば終わり。何度も着てお出かけをすると、あのワンピースしか着てこない人という印象づけにもなってしまいます。
もちろん頻度さえ意識すれば良いのですが、こういった方はそれ以外のおしゃれなアイテムを持ち合わせていない場合が多いのです。そのため、ファッションのおしゃれさが“0か100か”に陥(おちい)りがち。
高価な一張羅を手にするよりも、何通りもの組み合わせができるシンプルなカジュアル服を数点手にするほうが、頑張りすぎないおしゃれなコーデを実現することができます。
◆身につけられる小物を全て身につけてしまう
コーディネートに欠かせない、小物。筆者もよく、着こなしに合わせて適度に小物を取り入れることを勧めています。だからといって、小物の全部乗せは“やりすぎ”になってしまうので気をつけて。それは、おしゃれどころか「おしゃれを頑張っている人」そのものに見えてしまいます。
例えば、帽子に、ピアス、ネックレスにブレスレット、リングといったように各パーツで身につけられるものを全て身につけてしまうと、どんなに服装がシンプルでも全体を引きで見た時にうるさい印象に繋がります。
スタイリングにおいては何を足すかではなく、何を足さないかのほうが実は大切。また、個性的なデザインの小物も服装とマッチしていなければ、着こなし全体が雑然としてしまうのでデザイン性のバランスにも注意が必要ですね。
◆いつもの服をベースに、小さなアップデートを
おしゃれを頑張っている人に見える大きな要因は、自身が普段から取り入れていない着こなしをしてしまっていることにあります。特別な日だから。ちょっと気合いを入れたいから。そんな気持ちで浮き足だって、過度に派手さが出ていたり、ここぞとばかりの一張羅で勝負したりと変に肩肘の張った着こなしになってしまうのです。
いつもの服をベースにしながら、いつもとはちょっと違う色を取り入れてみる、ほんの少し柄を加えるなど小さなアップデートを心がけると、むやみやたらな「おしゃれを頑張ってる感」がなくなります。思いあたる方はぜひ、このことを意識した着こなしを見直してみてくださいね。
<文&イラスト/角佑宇子>
【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105