NTTソノリティは3月18日、耳を塞がないオープンイヤーイヤフォン「耳スピ」シリーズの最新モデル「nwm GO(ヌーム ゴー)」を発売した。同社直販の価格は1万6500円だが、5月11日までは「耳スピをはじめようキャンペーン&発売記念価格」として、1万4850円で販売する。
nwmブランドから、以前に紹介した完全ワイヤレスの「nwm DOTS」や有線の「nwm WIRED」、オーバーイヤーヘッドフォンの「nwm ONE」、左右が繋がったネックバンドタイプの「nwm MBN001」が発売されている。ここに加わったnwm GOは、運動などの激しい動きでもずれにくいアクティビティーモデルという位置付けだ。
今回、このnwm GOを発売前に試用したので、完全ワイヤレスのnwm DOTSや、同じネックバンドスタイルの「nwm MBN001」との違いなどを見ていこう。
●約20gというネックバンド型のオープンイヤーイヤフォン
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nwm GOは、左右が繋がったネックバンドスタイルのオープンイヤーイヤフォンだ。しかし、ネックバンドスタイルとはいえ、柔らかいケーブルが首に掛かるのはなく、固めのフレームが後頭部にくるスポーツタイプイヤフォンでよく見るスタイルになっている。
耳の上に被さるユニットの形状は、同社のnwm DOTSに似た円形で、ドライバーも同じく12mm口径となっている。
右側のユニットには、多機能ボタンとボリュームボタンを搭載している。多機能ボタンは長押しで電源のオン/オフ、短押しで再生/停止、2回押しで音声アシスタントの起動を行える。おそらく、専用アプリの「nwm Connect」でカスタマイズができると思うのだが、発売前ということもあり試用時にはアプリ側がnwm GOに対応していなかったので未確認だ。
耳に引っ掛けているだけだが、適度なバネが効いているため、やや左右から締め付けられているような感覚がある。その分、激しい運動でもずれてしまうようなことはなさそうだ。本体はIP55相当の防水/防じん仕様なので、運動で汗をかいたり、雨に降られたりしても問題ない。
なお、運動時には問題ないのだが、左右をつなぐフレームが硬いため、ヘッドレストがある椅子では、頭を預けた際にフレームが押されてイヤフォンがずれてしまう。もちろん、利用する椅子にも左右されるが、デスクワークに利用する際は気をつけたい。
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接続はBluetooth 5.3で、対応プロファイルはA2DP/HFP/AVRCP/TMAP/PBP、対応コーデックはSBC/AAC/LC3/CVSD/mSBCとなる。音楽再生時の駆動時間は約10時間、充電時間は約1時間15分(5分で約1時間の利用が可能)だ。
●音を閉じ込める独自の「PSZ」技術を搭載
nwmシリーズの特徴となっているのが、ある音波(正相)に対し180度位相を反転させた波形(逆位相)を重ねると音が消える原理を応用した「パーソナライズドサウンドゾーン(PSZ)」技術だ。このnwm GOにも搭載されており、音漏れを効果的に防いでくれる。
適切な音量で聞いている限り、肩が触れ合う距離でも音漏れは気にならない。ただし、あくまでも適切な音量で聞いている場合だ。
耳をふさがないオープンイヤーのため、オフィスや自宅、あるいはそれほど騒がしくない飲食店などでは、周囲の音を確認しつつ音楽を楽しめる反面、交通量が多い道路や、駅のホーム、電車内などでは周囲の騒音によりイヤフォンからの音が聞こえにくい。その対応として音量を上げてしまうと、音漏れしやすくなる。
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全てのオープンイヤーモデルに言えることだが、音量を上げなければ聞こえないほど周囲が騒がしい場所での利用には向いていない。そのような場所で使用するのであれば、ANC(アクティブノイズキャンセリング)対応のイヤフォンを購入した方がいいだろう。
また、nwm DOTSやnwm ONEには、NTTソノリティの特許技術「Magic Focus Voice」が搭載されている。
これは、音が2つのマイクに到達する時間差を利用して話者を特定する「ビームフォーミング」と、雑音を除去して音声だけを抽出する「スペクトルフィルター」の2つの技術を利用して、効果的に話者の声だけを伝えることができるというものだ。ただし、nwm GOにはこのMagic Focus Voiceは非搭載となる。
とはいえ、実際に自分の声を録音して確認してみたが、周囲の騒音はそこまで気にならない。そもそも周囲がうるさい場所では、先にも書いたがイヤフォンからの音を聞き取りづらいので利用は不向きだ。基本的に静かな場所で使うことになるので、その意味ではMagic Focus Voiceがなくても困ることは少ないかもしれない。
●アクティブな利用シーンはもちろん、長時間のビデオ会議でも使える
nwm GOは、スポーツやアクティブなシーンでの使用を想定したオープンイヤーイヤフォンとして、安定した装着感や防水/防じん能を備えている点が特徴だ。
耳をふさがないため周囲の音を聞きつつ音楽も楽しめるが、その反面、騒がしい環境での利用には向いていない。ただ、PSZ技術による音漏れを防いでくれる効果もあり、適切な音量で使用すれば周囲を気にせず快適に使える。
運動時の快適性を重視しつつ、普段使いも視野に入れるなら選択肢の一つとして検討する価値はあるだろう。
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