Shokzは1月16日、オフィスや自宅での通話利用を想定したオープンイヤーデザインのヘッドセット「OpenMeet」を発売した。直販サイトの価格は3万4800円だ。Bluetoothドングルが付属した「OpenMeet UC」(USB Type-CタイプまたはUSB Standard-Aタイプ)は3万9880円となる。OpenMeetとOpenMeet UCの違いはドングルの有無だけで、本体自体は共通だ。
Shokzは最近、骨伝導ではない「OpenFit 2」などもリリースしているが、OpenMeetは骨伝導と空気伝導を併用しているのが特徴となっている。オープンイヤー構造は、装着時に耳を塞がないため周囲の音が聞こえる反面、騒がしい環境ではヘッドセットからの音声を聞き取りづらいという弱点がある。
その点、OpenMeetは骨伝導も併用しており、ある程度の騒音下でも音声をしっかりと聞き取ることができる。オフィスなどでは利用するにはピッタリの製品といえるだろう。
●軽量かつ装着感もクッションで選べるヘッドセット
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本体質量は約78gと非常に軽量で、長時間の装着でも疲れにくい。また、頭部に当たる部分のクッションが交換可能になっているのはヘッドセットとしては珍しい仕様だ。クッションを交換することでフィット感を微調整できるため、より快適な装着感を得られる。
ヘッドピースは伸縮ロッドで上下調節が可能を行えるので、頭の形状や好みに合わせて位置を変えやすい。
操作系は右側ユニットに集約されている。電源ボタンを兼ねたマルチファンクションボタン、通話応答と終話用の専用コールボタン、そしてミュートボタンの3つを搭載している。マルチファンクションボタンは音楽の再生/停止に加えて、上下に倒すスティック形状になっているため、上げれば音量アップ、下げれば音量ダウンを行える。
●Bluetoothのドングルは購入時に選択可能
通話ボタンが独立して音楽再生のコントロールとは分離されているため、操作を誤るリスクは少ないだろう。ミュートボタンについてもマイクアームに独立して配置されているが、この手のヘッドセットではマイクアームを跳ね上げるとミュートになる製品も多い。OpenMeetはミュートボタンを押す必要があり、ここは人によって好みが分かれるポイントかもしれない。
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なお、マイクを使っていない状態でミュートボタンを押すと、音声アシスタントが起動する。試したAndroidデバイス(Galaxy S24 Ultra)ではGeminiが起動した。ミュートボタンでは、他にも音楽再生時に長押しすることで、イコライザーモードを「スタンダード」「ボーカルモード」で切り替えられる。
イコライザーの切り替えはスマホの「Shokz」アプリでも行えるが、アプリ上でもこの2つしか選べないので、ミュートボタンで操作するのが早そうだ。
バッテリー駆動時間は、音楽再生で約15時間、通話では約14時間持続するという。一日中装着していてもバッテリー切れの心配は少ない。さらに5分の充電で最大2時間の通話が可能な急速充電にも対応している点は、いざというときに重宝しそうだ。
デバイスとの接続はBluetooth 5.4を採用し、コーデックはAACとSBCに対応している。マルチポイント接続にも対応しており、同時に2台のデバイスと接続が可能だ。
OpenMeet UCには、BluetoothドングルとしてLOOP120 ワイヤレスアダプターが付属しており、PCに挿すだけでペアリングを行える。
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PC上でのペアリング操作も不要だ。なお、LOOP120 ワイヤレスアダプターには、USB Type-Cタイプに加え、USB Standard-Aタイプも用意されている。
ただのBluetoothドングルというわけではないようで、LOOP120 ワイヤレスアダプターを使用するOpenMeet UCのみ、Zoom認定を受けている。LOOP120 ワイヤレスアダプターは6880円で単品購入もできるが、PCで使うつもりなら最初からセットになったUCモデルを購入した方がコストパフォーマンスは高いだろう。
もちろん、LOOP120 ワイヤレスアダプターを使わなくても、PCとのペアリングは通常のBluetoothでも行える。また、正式にサポートされているわけではないと思うが、USB Type-CドングルをPixel 9 ProとiPhone 15 Proにつないだところ、問題なくOpenMeetと接続できた。普通にペアリングすれば済む話ではあるが、何かしら便利な使い方ができるかもしれない。
●音質も良好で疲れにくいヘッドセットとしてお勧め
実際の使用感についても触れていこう。まず音質面についてだ。
オフィスユースの通話用ヘッドセットということで、音質は二の次だろうと予想していたが、意外なことにそれほど悪くはない。もちろん、音楽専用のイヤフォンやヘッドフォンと比べると低音が物足りなかったり、高音の伸びがいまひとつに感じたりはするものの、無理に強調したりこもったりといったクセがなく、不快感の少ないチューニングになっている。
そのため、通話とちょっとした音楽再生を兼用する分には十分なクオリティーだと感じた。
音漏れに関しても、骨伝導コアに搭載されたLeakSlayer 3.0テクノロジーの効果で、振動コンポーネント内で音が打ち消し合う設計になっているとのことだ。そのおかげか、オープンイヤー構造のわりには音漏れがほとんど気にならないレベルに抑えられている。
通話品質については、周囲の騒音をうまく抑えて相手に届けてくれる印象だ。実際に自分の声を録音して確認してみたところ、周囲の話し声や環境音はほとんど拾わず、クリアな音声で録音されていた。
Qualcomm cVcノイズリダクションとデュアルマイクシステムによって、背景ノイズを最大98.6%軽減すると公式ページでうたっているが、確かに騒がしい環境でも相手には聞き取りやすい声が届きそうだ。
通話特化のヘッドセットというのはニッチなカテゴリーではあるが、一日中装着していても疲れにくく、オープンイヤー構造で周囲の状況を把握しやすい点やクリアな通話音質など、OpenMeetには独自の魅力がある。オンライン会議の頻度が高く、「ちょっと良いマイク付きデバイスが欲しい」と考えている人にとっては、有力な選択肢になりそうだ。
気になる人は、一度試してみる価値があるだろう。
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