最新のスマートフォンやモバイル、関連技術や製品が所狭しと並ぶ見本市「MWC Barcelona 2025」では、各社がフラグシップモデルで技術を争っているのはもちろんだが、今回はミッドレンジの製品で興味深かったスマホを紹介したい。
●カメラの操作感を意識したカメラスマホ「nubia Focus 2 Ultra 5G」
中国スマホメーカー大手のZTEが展示していた「nubia Focus 2 Ultra 5G」は、廉価モデルでありながらカメラ性能をアピールしているモデルだ。欧州向けの価格は299ユーロ(約4万8860円)で、2025年第二四半期に発売される。
低価格ながら“カメラスマホ”とアピールしているだけあって基本性能は高い。メインとなるアウトカメラには5000万画素の1/1.55型のイメージセンサーと、F値が1.47という明るいレンズを採用する。いる。
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これ以外に2つのレンズも備えているが、詳細構成は非公表としている。実際に使ってみたところ、超広角カメラと3倍の望遠カメラと思われる構成だった。
nubia Focus 2 Ultra 5Gの最大の特徴は、カメラの操作を意識した回転リングを備えていることだ。このリングを回転させるとズーム操作、仮想的な絞り操作が行える。まさにレンズ交換式カメラで言う、レンズを回してズームするような感覚だ。
本体にはシャッターボタンもあり、カメラさながらの撮影体験が得られる。ただし、残念ながらシャッターの半押し操作はできなかった。
さらにXiaomi 15 Ultraのような専用のカメラグリップも純正オプションで用意している。カメラグリップ自体にバッテリーなどは備えておらず、シャッターボタンも既存の位置の上に重ねるような構造にしてコストを抑えている。
プロセッサにUNISOCのT760プロセッサ(オクタコア)を採用している。性能は高くないが、実機のレスポンスは思ったよりも軽快だった。メモリは12GB、ストレージは512GBと、この価格帯では大容量な構成だ。
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ディスプレイは6.8型(FHD+)のAMOLED(有機EL)ディスプレイを採用している。リフレッシュレートは最大120Hzで、ピーク輝度も2800ニトと明るい。バッテリーは5000mAhで33Wの急速充電にも対応する。
●ありそうでなかった“お手頃”カメラスマホ 日本での発売も期待
実のところ、日本円で5万円前後のミッドレンジのカメラスマホはあまり市場に出てこない。理由としては、プロセッサの性能が低く、せっかくのカメラ性能を十分に生かせないこと。ハードウェアと価格のバランスが非常に難しいことが主な理由だ。
それでも、近年のプロセッサではISP(Image Signal Processor)性能も底上げされており、廉価なスマホでもきれいに撮影できる機種や高画素なイメージセンサーを取り扱えるものが増えている。
nubia Focus 2 Ultra 5Gは、メーカーいわくどちらかといえば静止画の撮影を優先しており、その中でも撮影体験を重視した構成としている。
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この「撮影体験」という部分は、近いスペックのXiaomiやOPPOのスマホなどとしっかり差別化されていると感じた。
直近のnubiaのスマホは日本でも積極的に展開している。ある意味、「nubia Z70 Ultra」の弟分にあたるような存在の機種でもあり、カメラリングの操作感は唯一無二の特徴でもある。波に乗る日本でも発売を期待したい。
●著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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