金融庁などの看板=東京都千代田区 金融業界では、大手銀行や証券会社に金融商品取引法に基づく行政処分が出されたほか、証券取引所の元社員がインサイダー取引に関与したとして在宅起訴されるなど不祥事が相次いでいる。
三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJ銀行と証券会社2社は、顧客企業に無断で株式売り出しに関する非公開情報を共有していたなどとして昨年6月、金融庁から業務改善命令を受けた。
野村証券では、トレーダーが大阪取引所上場の長期国債先物取引で、第三者の売買を誘い出すために大量の売買注文を出して相場を操作。昨年10月、金融庁が野村証券に課徴金2176万円の納付を命じた。
業務で知ったTOB(株式公開買い付け)情報を悪用したインサイダー取引事件も。昨年12月に東京地検特捜部が金商法違反罪で在宅起訴した東京証券取引所の元社員は、3社に関する公表前のTOB情報を父親に伝達。父親は情報を基に計約1700万円分の株を不正に買い付けたとされる。
三井住友信託銀行の管理職だった元社員は、同法違反(インサイダー取引)容疑で証券取引等監視委員会から関係先の強制調査を受けた。関係者によると、3000万円近くの利益を不正に得ていたとみられる。