
【写真】あふれんばかりの美しさと透明感! 山下美月、インタビュー撮りおろしショット
◆念願のラブコメヒロイン挑戦にプレッシャーと楽しさ
彼氏に振られたばかりの大学生・茜(山下)がネトゲで出会ったのは、 超塩対応の高校生プロゲーマー・山田 (作間)。しかし、無愛想で冷たいやつだと思っていた山田は、実は“最強ギャップ男子”だった。いつもは超塩なのに、ふとしたときに垣間見える山田の無自覚な優しさに少しずつ引かれていく茜。だが、相手は”恋愛に興味ゼロ”なのに“とにかくモテまくる”難攻不落の強敵で…。第一印象最悪から始まった史上最高恋愛難易度の山田との恋はいかに。
――出演オファーを聞かれた時のお気持ちは?
山下:原作は何度も耳にするくらい幅広い層から人気の作品だったので、お話をいただけてとてもうれしかったです。映画でラブコメのヒロインをすることが夢だったのですが、でも年齢的にもう厳しいかな?と思っていた時でもあったため、よりうれしく自分の中で大事にしたい作品だと思いました。
――原作を読まれて、どのような印象を持ちましたか?
山下:私は少女漫画が好きでいろんな作品を読んでいるのですが、この作品は“令和っぽいな”と感じました。悪役がいない、すごく優しい世界で、もちろん恋愛が軸になっているお話ではあるのですが、ほかの登場人物との絆だったり、人のあたたかさやつながり、そういう部分がフィーチャーされている作品なので、優しい気持ちで見られる。それがすごくリアルというか。変に大きい波みたいなものがないから、現実にこんなことがあったらいいなと身近に思える作品だなと思いました。
――茜を演じるにあたってはプレッシャーもあったとか。山下さんは『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』『映像研には手を出すな!』など、人気原作の映像化作品へのご出演も多いですが、人気キャラクターを演じる際に心がけていることはありますか?
山下:自分自身が原作のファンになることが一番だと思っています。すごく好きな作品の好きな役を演じられるというのは楽しいですし幸せなこと。そこからちゃんと愛が生まれて、こう演じたいなというアイデアもどんどん浮かんでくる感じがあります。
|
|
山下:今までけっこう茜と違ったキャラクターの役をいただけることが多かったので、明るくてキラキラしていて、若い世代の皆さんに楽しんでいただける作品というのは私にとってチャレンジでした。特に本作は初主演ということで、いろいろな節目にもなるような作品なのかなと思うので、とにかく今の自分の力の限りに頑張ろう、原作に最大限近づけられるようにしたいなという気持ちで演じました。
お話をいただいたのが1年前くらいで、グループの卒業も決まっていた時期だったので、髪を切ろうかなとも思っていたのですが、原作に寄せるために地毛でここまで長くしたのは人生で初めて!というくらいまで伸ばしました。カラーも明るくして、メイクの感じもメイクさんとご相談させていただき、できるだけ原作の茜ちゃんに寄せ、ファッションもかわいらしい服で。ビジュアルから引っ張ってもらえたところもあるなと思います。
――ご自身と似ているなと感じられたところはありましたか?
山下:結構正反対な役だと思います。茜ちゃんは誰とでもすぐ仲良くなれるし、わりとポジティブ。振られた彼氏を見返すために努力するというところとか、私だったらそんなことできないと思います。自分自身はネガティブなので、テンション感も全然違う。
茜ちゃんはもちろんかわいさもあるけれど、カッコいい女の子だなと思います。その強さが周りに元気を与えたりするので尊敬しています。私との共通点はどこだろう? お酒に弱いところかな(笑)。
◆W主演の作間龍斗は「周りをすごく見ていらっしゃる方」
――山下さん的には、山田くんのようになかなか思っていることが読み取れない男子はどうですか?
山下:山田くんはすごいですよね。奇跡の人というか(笑)。かっこよくて、スタイルも頭もよくて、ゲームもプロ級でみんなの人気者。本当にすべてを兼ね備えているみたいな感じ。自分がもしそういう存在だったら、めちゃくちゃ調子に乗っちゃうと思うんですけど、そこを別に見せびらかさない、そういう品の良さみたいなところが素敵だなって思いますし、自分から自分のことを開示していく人よりも、何考えているんだろう?と想像をかき立てる人のほうが魅力的だと思うのですが、山田くんはそういう感じ。作品の中ではリアルに身近にいる存在だけど、ちょっと高嶺の花みたいに見えるところが素敵だなと思います。
|
|
あと茜ちゃんがすごく羨ましいなって思うところもあって。山田くんのふとした優しさや気遣いって、近くにいる人間じゃないと分からない行動じゃないですか。山田くんの雰囲気やルックスなどビジュアル的な部分でにぎわっているひとが多い一方で、茜はすごく山田くんの内側の良さを分かっている。意外と優しいんだなと思える距離感にいられるのは羨ましいです。自分だったら絶対そんな近くに行けないと思うので。
――そんな山田くんを演じられる作間さんとは初共演です。
山下:共演前はしゃべってくれなさそうなクールな印象がありました(笑)。実際にお会いしたら、意外な一面があって面白い人なんだなと思いました。撮影期間中はスローペースな感じで話していただきました。
山田くんはあまり自分の感情や気持ちを出さない、けど、本当はすごく思いやりがあるし、細やかなところで変化に気づくところがありますが、作間さんもそういう方だなと思って。表面的にうれしいとかびっくりしたとかは全然出さないけれど、些細な変化に気づいてスタッフさんに伝えていたり、周りをすごく見ていらっしゃる方なんだなと思います。
今回の現場はスタッフさんも皆さん仲が良くて。一度楽屋にみんなで集まって餃子パーティーをしたのですが、メイク部、衣装部、私と作間さんで大量に買ってきた餃子を、作間さんが延々レンジでチンしてくださって(笑)。みんなで温かいご飯を食べることができて楽しかったです。
|
|
――グループを卒業されて何か大きく変わったなと感じられるところはありますか?
山下:そこまで大きく変わったなと思うことはないですね。ただグループ時代よりは自分自身のことを考えることが増えました。自分がどういう人生を歩んでいきたいか、どういう年の取り方をしたいかみたいなことを頻繁に考えるようになりました。以前はとにかく働きたい、ずっとお仕事をしていたいという気持ちだったのですが、今は自分の時間も大事にしたいという気持ちが強くなったかもしれません。
あとは、グループ時代とはペースが全然違います。今は今日撮ったものが1年後に世の中に出るという感じなので、自分の体感も違うし、ゆとりを持って考えられるというか。この前撮ったものが明日には出ちゃうというよりは、あの作品はこうだったなと思い返すことも多いので、時間の流れ方が大きく変わったなと思います。
――卒業後新しく始められたことなどはあったりしますか?
山下:友達と連絡をいっぱい取るようになりました! 今まではスケジュールが合わないからなって思っちゃっていたのですが、今は自分でスケジュールを管理できたりするので、「この日空いてる?」と自分から連絡を入れるようになって。いろんな人と会話する機会も増えましたし、新しい友達もできて、すごく楽しいです。
――最後に作品タイトルにちなみ、山下さんが“Lv999くらいの高難易度”を感じるものを教えてください。
山下:えー! なんだろう…。オーディションとかですかね。ドラマなど作品のオーディションを受けさせていただくのですが、難しく…(笑)。自己紹介とか全然できないですし、趣味や特技も「ないな…」と思って。難しいなと思いながらやっています。
――(笑)。なにか事前に攻略法を考えられて臨むんですか?
山下:勢いでいっちゃいます。考えてもしょうがない! なるようになると(笑)。
(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美)
映画『山田くんとLv999の恋をする』は、3月28日公開。