3カ月で7kg痩せたYさん(59歳)のビフォアフター「すっかりおばさん体型になってしまって…」
そう話してくださったのは、59歳の受講生・Yさんです。
ダイエットをしよう!と始めた頃に旅行などイベント続きでしたが、3カ月後には目標の−7kgを達成。その後も痩せて現在は49.5kgをキープされています。
その変化の背景には、“無理をしない、でも丁寧に向き合う”という姿勢がありました。
◆「昔の私の食事、これじゃ痩せないよね」食べ方を見直して、体も気持ちも整っていった
Yさんは過去に何度もダイエットに挑戦しては失敗してきた経験から食事にも気をつけていたつもりでした。それなのに、体重は減るどころか徐々に増えていく一方…。「年齢のせいなのかな」「もう何をやっても無理かもしれない」と、焦りとあきらめが入り混じった気持ちで日々を過ごしていたといいます。
そんなYさんが、自分の食生活を振り返ってみたとき、「これは太るよね」と思わず納得してしまったというのが、以前の食事の内容でした。
【朝】
●市販のスムージー
●無脂肪プレーンヨーグルトにたっぷりの蜂蜜とナッツ、バナナ
●厚切りのレーズンパン2枚にバターをつけて
体に良さそうな食材を取り入れていたつもりでも、実は市販のスムージーには甘味料が使われていることが多いのです。加えて蜂蜜、バナナ、パンと、糖質が多く重なっていたのです。
【昼】
●副菜は惣菜を購入することが多い
●魚はあまり食べず、加工食品の割合が高くなりがち
【夜】
●炭水化物を控えめにしようと意識していたものの、冷蔵庫の残り物で済ませることも多い
●栄養のバランスまで気を配る余裕がない
また、食べ方にも習慣的な偏りがありました。
●野菜ファーストは意識していたものの、満腹になるまで食べていた
●「食べ残し=悪」と思い、お腹がいっぱいでも無理して食べきっていた
●食後には必ずデザート(低カカオチョコ、アイス、ケーキ、シュークリームなど)を食べるのが当たり前だった
●寝る前に乳酸菌飲料を飲むのが習慣になっていた
●外食では栄養バランスより「食べたいもの」を優先していた
●五大栄養素を意識して食べるという習慣がなかった
◆食事で気をつけたことは?
このような食事だったYさんが3カ月間で意識していたことは、大きく4つあります。
(1)五大栄養素(たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく食べること
(2)「食べ痩せ心得5ヶ条」を守ること
(3)短鎖脂肪酸を増やす食事を意識すること
(4)「食事を楽しむ」ことを忘れないこと
【食べ痩せ心得5ヶ条】
●よく噛んで20分以上かけて食べる
●食べる順番を徹底する
●腹八分目を意識する
●残り物はすぐ片付ける
●無理して食べない
特に意識したのは腸内環境を整えること。腸内環境が整わないと、食べたものからより多くのカロリーを吸収し、脂肪として蓄積しやすくなります。
腸内環境が悪いと太りやすくなるのは、悪玉菌(デブ菌)が増えてエネルギーを過剰に吸収しやすくなるからです。また、腸内でつくられる短鎖脂肪酸(酪酸・酢酸・プロピオン酸など)が不足すると、脂肪の蓄積を抑える働きが弱まり、脂肪が燃えにくく、溜め込みやすい体質になります。短鎖脂肪酸は血糖値や食欲のコントロール、炎症の抑制にも関わっており、これが不足すると血糖値が乱れやすくなり、食べすぎ・内臓脂肪の蓄積・慢性炎症を招きやすくなります。
つまり、腸内環境が乱れると短鎖脂肪酸も減り、太りやすくなるというわけです。
そのためYさんは脂肪燃焼を促す働きがあるとされる「短鎖脂肪酸」を増やすために、善玉菌そのもの(納豆・キムチなど)と、善玉菌のエサになる食物繊維(野菜・きのこ・海藻など)を一緒に摂るよう心がけていたそうです。「腸を整えることが、ダイエットの近道になる」と聞いて、日々の食事に活かしていかれました。
◆変化した毎日の食事内容
【朝】
●具沢山スープ
●ゆで卵
●トマト
●無脂肪プレーンヨーグルト75g(+ブルーベリー・シナモン)
●バナナ
【昼】
●肉または魚
●温野菜、トマト
●副菜2〜3品
●もち麦ご飯
【夜】
●具沢山スープ または 肉・魚のおかず
●納豆(黒酢、ブロッコリースプラウト、キムチ、酢玉ねぎをトッピング)
具沢山スープは鍋一杯にたっぷり作って冷蔵庫に常備。
食べるときに海藻類・鶏団子・キムチなどを加え、味を変えて楽しみながら継続。
糖質源は、もち麦、雑穀米、全粒粉パン、バナナなどをバランスよく。
たんぱく質は、鶏肉、豚肩ロース、生サーモン、赤海老、サバ缶、イワシ缶、ツナ缶、ゆで卵、納豆、ヨーグルトなどからしっかり。
◆数字に表れた変化
【体重の変化】
●11月(1ヶ月):59kg → 57kg
●12月(2ヶ月):57kg → 54.8kg
●1月(3ヶ月):54.6kg → 52kg
(3カ月で−7kg)
現在は49.5kgをキープ中
Yさんは、「私の変化に夫が一番驚いています」と笑顔で話してくださいました。
無理な制限や特別なことをしなくても、日々の食べ方を丁寧に整えることで、体はきちんと応えてくれることを実感されたそうです。
◆まとめ
すべてを完璧に整えようとするのではなく、できることから1つずつやっていく。
特別なトレーニングや厳しい制限を課すのではなく、日々の食べ方や向き合い方を見直すことで、体調も心の状態も穏やかに整っていきます。
途中で不安になることもあるかも知れません。でも、そんなときほど「自分の生活に合わせて、できることから続けていけばいい」と立ち返ってみてください。
「変わりたい」と思ったその気持ちが、何よりのスタート。
自分にできそうなことから始めてみてくださいね。
<文/おにゃ>
【おにゃ】
ダイエットカウンセラー、食べ痩せ専門家、料理研究家。ブログに掲載したレシピが「簡単でつくりやすい」と評判になり、雑誌、書籍、テレビ、企業のレシピ開発を行う。また個人カウンセリングにもとづいたダイエットサポートサービスや講座を開催。40〜50代女性が次々と10kg以上やせし、「サプリなし、運動なしでやせ体質になれる」と話題に。プライベートでは2児の母。長男出産後に激太りし、自身も10kgのダイエットに成功した経験をもつ。その経験を活かした夫の11kgやせダイエットをつづった『夫もやせた! 糖質オフのダイエットおかず』は大ヒット。ほかにも『#おにゃ式 糖質オフの「食べてやせる」レシピ』など著書多数