
Aさんは3年前まで部署のエースとして、誰もが認める存在でした。しかしあるプロジェクトでの不当とも思える評価をきっかけに、彼の仕事への情熱は急速に冷めていきます。今は指示された業務を最低限こなすだけの日々を送っており、積極的な提案も残業もしません。
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そんなAさんのもとに、ある日過去の活躍を知る先輩から転職の誘いが舞い込みます。新しい会社なら正当な評価を得て、「再びやりがいを感じられるかもしれない」と淡い期待を胸に、Aさんは久しぶりに前向きな気持ちで転職活動を始めました。
しかし現実は甘くありませんでした。面接も順調に進んでいると思っていた矢先、応募先企業から「前職での評判があまり良くないようですね」と思いがけない言葉を告げられます。Aさんにとっては寝耳に水でした。手を抜いていたとはいえ、大きな問題を起こした覚えはありません。
「こんなことになるなら、もっと真面目に働いておくべきだった」後悔の念が押し寄せますが、時間を巻き戻すことはできません。評価に不満があったとはいえ、日々の仕事ぶりが巡り巡って自分の未来に影響を与える現実を突きつけられたのです。
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転職活動において行われることがある「前職調査」について、キャリアカウンセラーの七野綾音さんに話を聞きました。
ー前職調査とはどういうものですか?
前職調査とは、主に中途採用の選考過程において、応募者が過去に勤務していた会社に対して行われる確認作業です。応募先企業が直接行うこともあれば、専門の調査会社に依頼するケースもありますが、いずれの場合も応募者の同意を得た上で実施されます。
同意を求められるとはいえ、断ることで採用担当者に「やましいことがあるのでは?」と思われたら嫌だなという心理が働き、応募者が断ることはあまりありません。
主な目的は、応募書類や面接で得た情報に虚偽や大きな相違がないかを確認すること、そして入社後のミスマッチを防ぐことにあります。
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ー内容次第で転職時点の評価は下がりますか?
前職調査の内容次第で転職の評価が下がる可能性は十分にあります。例えば、申告内容との大きな矛盾が見つかった場合や、勤務態度・実績・人間関係などに関してネガティブな情報が得られた場合、採用が見送られる、あるいは採用条件に影響が出る可能性は否定できません。
「最低限の業務はこなしてくれるが、自ら業務の幅を広げていくような積極性はなかった」などの情報も、採用する側の企業によってはマイナス評価につながるリスクがあります。
ーAさんにできる対策はありますか
もし前職で良くない評価を受けている自覚がある場合、それを隠すのではなく面接などの場で正直に伝えることが有効です。過去のネガティブな事実をしっかり受け止め、そこから何を学び、今後はどう成長しようとしているのかを示すことで、マイナスをリカバリーできるでしょう。ヘタに資格武装して表面を取り繕うのではなく、自身の経験を棚卸しし、誠実に向き合う姿勢を示すことをおすすめします。
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◆七野綾音(しちのあやね)キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント やりがいを実感しながら自分らしく働く大人を増やして、「大人って楽しそう!働くのって面白そう!」と子ども達が思える社会を目指すキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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