キログラムとメートルの原器公開=条約締結150年を前に―産総研

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2025年05月12日 17:31  時事通信社

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時事通信社

メートル条約締結150年を前に、産業技術総合研究所で公開された日本のキログラム原器(上段右)=12日午後、茨城県つくば市
 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は12日、度量衡の単位を国際的に統一したメートル条約の締結(1875年)から150年を迎えるのを前に、日本国内の「1キログラム」や「1メートル」の基準となっていた「キログラム原器」と「メートル原器」を報道陣向けに公開した。

 1メートルは18世紀末、北極から赤道までの子午線の長さの1000万分の1と定義。同時期に1キログラムも、水1リットルの質量と定義された。条約締結後に白金イリジウム合金製の原器が作られ、日本には1890年に複製が届いた。

 技術の進歩で、原器の経年変化が誤差として無視できなくなる中、1メートルの定義は1960年に原器から光の波長を用いた基準に変更。83年からは一定時間に光が進む距離に変わった。1キログラムの定義も2019年から光が持つエネルギーの最小単位「プランク定数」を使った新定義へと移行し、原器は「基準」としての役割を終えた。 

産業技術総合研究所で公開された日本のメートル原器(手前)=12日午後、茨城県つくば市
産業技術総合研究所で公開された日本のメートル原器(手前)=12日午後、茨城県つくば市
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