海洋研究開発機構が公開した無人深海巡航探査機「うらしま8000」=12日午後、神奈川県横須賀市 海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)は12日、無人深海巡航探査機「うらしま8000」を公開した。水深3500メートルまで潜航できる従来の「うらしま」を、現存する国内の深海探査機で最も深い8000メートルまで潜れるよう改良した。日本海溝などの海底の地形を詳しく調べることで、巨大地震の発生メカニズムの解明などにつながることが期待される。
「うらしま」は1998年から開発が進められている自律型の探査機。内蔵のコンピューターに入力した航路に従い、自ら障害物を避けて無人で航行できる。これまでも海底の地滑りや火山などの調査で使用されてきた。
「うらしま8000」は全長10.7メートル、重さ7トン。搭載する機器が水深8000メートルの水圧に耐えられるよう設計を見直し、速く潜れるよう機体のプロペラを改造した。
海洋機構によると、これまでの試験潜航で水深約6600メートルまで潜れることを確認。7月に房総半島沖の日本海溝で8000メートルまで潜航する予定で、11月には東日本大震災の震源となった海域の調査も実施する。2026年度に本格的な運用が始まる見通し。