15年のヴィクトリアMは5番人気ストレイトガール→12番人気ケイアイエレガント→18番人気ミナレットで決着し3連単2070万超え(撮影:下野雄規) 今週末に東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(4歳上牝・GI・芝1600m)は、「荒れるGI」というイメージを持っているファンも多いことだろう。昨年は14番人気で単勝208.6倍のテンハッピーローズが勝利。2015年は5番人気→12番人気→18番人気で決着、3連単は2070万5810円を付け、JRA重賞史上最高額の配当となった。同レースは果たして、GIの中でもっとも荒れているのだろうか。上半期の女王決定戦を前に調べてみた。
以下、データが確認できる86年以降のGI競走に限り、フェブラリーS、高松宮記念、大阪杯、桜花賞、皐月賞、天皇賞(春)、NHKマイルCには今年のデータを含む。また、現在の阪神JFには阪神3歳S、チャンピオンズCにはJCダート、朝日杯FSには朝日杯3歳Sの結果を合算した。
単勝平均配当で1位となったのはエリザベス女王杯で2454円。89年に20番人気で単勝430.6倍のサンドピアリスが制したほか、92年に単勝91.3倍のタケノベルベット、21年に単勝64.9倍のアカイイトが勝利している。サンドピアリスを除くと、平均1385円でGIの中では4位となる。
続くのはヴィクトリアMで2222円。昨年のテンハッピーローズが効いており、同馬を含めない場合は1187円でGI内12位となる。荒れるイメージに反して意外にも平均的か。14年〜18年まで単勝4桁配当が続いたこともあったが、10年ブエナビスタ、20年アーモンドアイなど単勝1倍台の勝利も過去4度あった。以下、3位はフェブラリーSで1642円、4位はスプリンターズSで1584円、5位はホープフルSで1359円。3位と4位は単勝万馬券の勝利歴あり。5位は施行が8回と少なく、ドゥラエレーデの単勝90.6倍が平均を釣りあげた。
3連単の平均配当に目を向けると、ヴィクトリアMが1位で137万2961円。15年の2070万配当を除くと29万8913円まで落ち着くが、それでも6位となる。
2位はNHKマイルCで90万9435円。3連単の発売が始まった07年以降の21回で、5桁配当は4回、4桁配当は2回のみ。今年も大波乱となったが、毎年のように10万円以上の高配当がとび出している。3位は秋華賞で56万8730円だが、08年の1098万2020円が大きく影響しており、同年を除くと4万8066円で24位とむしろ堅い。少々意外だがダービーも6位で32万5098円と波乱含み。05年、16年、20年には3連単4000〜5000円台と平穏だったが、07年に215万5760円、18年には285万6300円の波乱があり、平均配当で上位にランクインした。
今年のヴィクトリアMは1351ターフスプリントを制したアスコリピチェーノ、昨年の桜花賞馬ステレンボッシュなどが人気を集めそうだが、絶対的な主役不在でアッと驚く大激走があっても不思議ではない。NHKマイルCに引き続き、2週連続の大波乱となるだろうか。
【単勝平均配当トップ5】
2454円 エリザベス女王杯
2222円 ヴィクトリアM
1642円 フェブラリーS
1584円 スプリンターズS
1359円 ホープフルS
【3連単平均配当トップ5】
137万2961円 ヴィクトリアM
90万9435円 NHKマイルC
56万8730円 秋華賞
39万9362円 桜花賞
36万3449円 ホープフルS