航空自衛隊のT4練習機 14日午後3時すぎ、航空自衛隊小牧基地(愛知県小牧市)を離陸した練習機「T4」1機が、同県犬山市の入鹿池に墜落した。防衛省によると、空自隊員2人が搭乗していたが、安否は分かっていない。犬山市によると、住民や住宅などへの被害は確認されていないという。
T4は2人乗りで、基本操縦課程で使用されている。隊員2人が搭乗して所属先の新田原基地(宮崎県新富町)に向かう予定だったが、午後3時6分に離陸した直後、同8分ごろに犬山市付近の上空でレーダーから機影が消えた。
愛知県警には同10分ごろから、「戦闘機が入鹿池に墜落した」と目撃者から110番が相次いだ。
同日夜に記者会見した、空自トップの内倉浩昭航空幕僚長によると、乗っていた2人は1等空尉と2等空尉で、いずれも男性。F15戦闘機の定期機体整備のため、戦闘機と共に新田原基地から小牧基地を訪れ、帰る途中だった。現場周辺からは、ヘルメットなどが見つかった。
事故機にフライトレコーダーは搭載されていなかった。今回の事故を受け、空自はT4の飛行を見合わせたという。
これに先立ち、中谷元防衛相も取材に応じ、「大変なご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げる」と陳謝した上で、「人命の救出に引き続き全力を尽くす」と述べた。
自衛隊は小牧基地や浜松基地(浜松市)から救難ヘリコプターUH60や捜索隊を現地に派遣し、搭乗していた隊員2人の救助活動を開始。県警は現場に水中ドローンを投入するなどして救助に当たったほか、消防も潜水隊を派遣した。
墜落現場の入鹿池は小牧基地の北北東約10キロに位置し、周辺にはテーマパーク「明治村」やホテルなどがある。

自衛隊機が墜落した入鹿池=14日午後、愛知県犬山市