大分地方裁判所=河慧琳撮影 他人に使わせる目的で銀行口座を開設してだまし取ったとして、詐欺罪に問われた大分県警の元巡査、安達明音被告(27)が14日、大分地裁(北島聖也裁判官)で開かれた初公判で「間違いありません」と述べ、起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、安達被告が育児休業中に経済的不安から始めた副業を巡り、詐欺被害に遭ったことをきっかけに、2023年11月ごろからインターネットのオンラインカジノにのめり込むようになったと指摘。消費者金融などで借金を重ねてもやめられず、賭け金を捻出するため、SNS(ネット交流サービス)で知り合った人物に自分名義の銀行口座を有償で譲渡するようになったとした。
起訴状によると、安達被告は24年12月5日、何者かと共謀し、携帯電話から銀行のアプリを使って申し込み、翌日に自分名義の普通預金口座を開設し詐取したとしている。
安達被告は事件当時、県警大分東署生活安全課に所属。県警によると、譲渡した口座は特殊詐欺事件などに使われ、複数の被害者から計千数百万円の現金が振り込まれたとみられる。県警は4月25日、安達被告を懲戒免職とし、オンラインカジノで今年1月に数千回にわたり賭博をしたなどとして賭博容疑などで追送検していた。【岡田愛梨、山口泰輝】