
お値段から世の中の動きを読み解いていくコーナー「きょうのお値段」。今回は2040年の時給「5366円」です。2021年の2倍近くになることが発表されました。
【写真で見る】人の需要がなくなる? 二足歩行ロボットのスムーズな動き
時給、なぜ5366円に上がる? AI導入が進み、生産性が上がると…出水麻衣キャスター:
経済産業省によると、全産業の名目賃金を時給に換算した場合、2040年は5366円になるということです。2021年時点では2885円だったので、約2倍になります。
では、なぜこんなに時給が高くなるのでしょうか。
2040年には団塊ジュニア世代(約182万人)が高齢者になり、働き手としてはリタイアされる方も多くなるため、人手不足にさらに拍車がかかってきます。
その穴を埋めるように、自動運転や農業助手ロボットといったAIの導入が進み、生産性が上がります。そうなると企業の業績は必然的によくなり、賃金も上がっていくということです。
2040年の時給が5366円というのは、メイさんは現実的な試算だと思いますか?
ハロルド・ジョージ・メイさん:
最初はびっくりしますよね。すごいなという第一印象を受けますが、時給5000円以上になるのはほぼ確実だと思います。
というのは、名目上の賃金が2024年は平均で5%上がっているので、これが5%ずつ続けば、計算上は5000円にたどり着くわけです。
一方、目を海外に向けると、もうほぼそのレベルに達成しています。もちろん物価は違うので100%比較はできませんが、今はアメリカで4200円、ヨーロッパでも4000円を超えています。
海外の企業というのは、やはり利益を出したり、物が売れたり、もちろん輸出もしているわけです。日本も輸出をベースにしている大企業が多いので、計算上はほぼ達成できると思います。
あとは毎年5%ずつ、これから賃金が上がっていくかどうか。そこがポイントだと思います。
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出水キャスター:
そんななか、みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部の主任エコノミスト・越山裕資さんは「AIの導入でうまれた“人の余力”をどこにさいていくかが重要」と話しています。
AIやロボットの台頭が人々の仕事の仕方を大きく変えるということは、もうすでにいわれています。アメリカでは今、物流の倉庫や車の製造において、二足歩行のロボットが非常にスムーズな動きで活躍しているようです。
では2040年、私たちの仕事はどうなってしまうのでしょうか。アメリカで最先端の技術やトレンドを取材している、フューチャリストの友村晋さんに聞きました。
友村さんによると、この先は▼ロボットにどれぐらいの権限を与えるかを考えるロボット倫理学者、▼飛び回るドローンを交通整理するドローン交通管制官、▼海面が上昇して船上都市で生活する人が出てきたときのための街作りの専門家、▼仮想現実(メタバース)内の建築家などの仕事が生まれると予測されているそうです。
井上貴博キャスター:
AIアナウンサーを管理する人も出てきますよね。
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出水キャスター:
私たちは、できればそちら側として生き残っていきたいですね。
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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック・アース製薬の社外取締役など