【漫画】合唱コンクール、音痴は口パクにするべき? 学生にとってのフツーが刺さる『ステラのうた』

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2025年05月15日 07:00  リアルサウンド

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『ステラのうた』(まぼろし電波)

 合唱コンクールは「学校生活における一大イベントの1つ」と捉える生徒もいれば、取るに足らないありふれた日常の1ページでしかないと捉える生徒もいるだろう。Xに4月下旬に投稿された『ステラのうた』は、そんな合唱コンクールを題材にした懐かしい空気感が描かれている作品だ。


 宮野のクラスメイト・島岡は、理解不能な言動を繰り返すためにクラスで浮いている。合唱コンクールの練習中、音痴であるにもかかわらず大きな声で歌う島岡にクラスメイトたちはけげんな表情を見せるが、そんな島岡に宮野はひっそりと興味を抱く――。


 激しい展開が起きそうで起きない、そんな等身大の学校生活が描かれた本作について、作者のまぼろし電波さん(@maboroshidenpa)に話を聞いた。(望月悠木)


参考:【漫画】『ステラのうた』を読む


◼︎自由な人とロボットっぽい人


――音楽がメインの内容でしたが、なぜ音楽を題材にしたのですか?


まぼろし電波: 主催しているアンソロジー漫画のテーマが“音楽”だったので、こういう物語になりました。ちなみに、今回から漫画のペンを筆圧があるGペンから筆圧のないドットペンに変えたのですが、可愛く仕上がって良かったと思っています。


――音楽という題材の中で、合唱コンクールを選んだ理由を教えてください。


まぼろし電波: もともと合唱コンクールにこだわりがあった学生時代だったので、「いつか合唱コンクールをテーマにした漫画は描こう」と思っていました。真面目な女子とサボる男子の話をそれぞれの視点で描いたりとか、他にもいろいろな構想がありました。


――クラスで浮いている音痴な女の子・鳥岡に焦点を当てた展開でしたね。


まぼろし電波: 私自身が声は大きいのに、別に歌は上手くないタイプの人間だったから、そこから連想ゲームでストーリーを作っていきました。


――そんな島岡はどのように作り上げていきましたか?


まぼろし電波: 学生時代の友人をモデルにしています。自分のこだわりやルールに厳しく、ロボットみたいな人だったので、ビジュアルもそれっぽくなりました。


――一方、本作の主人公でもある宮野は?


まぼろし電波: “クラスの中心にいながらもどこか自由な人”をイメージして作りました。


――鳥岡のせいで合唱コンクールには勝てなかったものの、いじめに発展しない展開が“学校の日常”のように思えました。


まぼろし電波: 宮野の友人たちが、さほど合唱コンクールにも鳥岡にも興味がなかったからですね。昔、合唱コンクールの放課後練習で友人と喧嘩して帰ったことがあるのですが、次の日学校で謝ったら全然気にされてなかったので、事なきを得たことがありました。


――友達とクラスメイトの間をシーソーのように行ったり来たりする2人の距離感が面白かったです。2人の距離感はどのように調整したのですか?


まぼろし電波: 「宮野は鳥岡自体ではなく、鳥岡の行動やそれによって起こる現象のほうに興味がある」というところを意識して描きました。


――今後の創作活動の予定など教えてもらえれば!


まぼろし電波: 今、担当編集の人がいなくてめちゃくちゃフリーなので拾われたいです!Webメディアでの連載が目標です。また、同人で漫画アンソロジーも制作中です。『ステラのうた』も収録される『まんが娯楽少年vol.3』は5月中に発売予定です!詳細は『娯楽少年組』の公式Xをぜひご確認ください。


(文・取材=望月悠木)



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