人気スーパー「ロピア」が札幌に続々進出 トライアルやイオンがひしめく激戦区でどう戦うのか

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2025年05月15日 07:21  ITmedia ビジネスオンライン

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ロピアが札幌のスーパー激戦区に進出(筆者撮影)

 今、北海道でスーパーを巡る動きが過熱している。


【画像】ロピアとトライアルの名物(計2枚)


 筆者が住む札幌市では、北区・屯田にあったイトーヨーカドーの撤退に伴い、跡地に「ロピア」が北海道に初進出した。市内ではそれを皮切りに福住や琴似でも開店が相次いでいる。


 2024年11月に屯田店をオープンしたロピアは、この2月に福住、4月にはビバホーム清田店、5月にも琴似店と出店ラッシュが続く。これらの店舗が開業するのと前後して、OICグループでは商業施設「CiiNA CiiNA(シーナシーナ)」もオープンしている。「利用者や勤務スタッフが『おいしい、うれしい、たのしい』と 心から思えるような場所にしたい」という由来を持つ。


 ロピアは「同じ商品ならより安く 同じ価格ならより良いものを楽しく感動できる愛に満ち溢れるお店」がコンセプト。仕入れから陳列に至るまで、各売り場の担当チーフが権限を持っており、店ごとに最適な商品をそろえているのも特徴で、「食のテーマパーク」の実現を目指している。


 支払い方法にも特徴がある。クレジットカードを使う際の手数料削減を目的として、これまで現金払いのみだった。しかし、この3月に公式アプリへのチャージによるキャッシュレス決済と新しいポイント「C」を九州エリアから順次導入すると発表。今後は全国の店舗でも導入を予定し、現金・クレジットカード・銀行口座と3通りのチャージ方法を採用する。


 取材に応じたOICグループ広報担当者は「キャッシュレスを望む利用者の声が以前から多くあり、検討を重ねてきた」と回答。「支払いの選択肢を増やし、利用者とつながっていけるようなシステムを導入した」と話す。


●出店地はいずれも「スーパー激戦区」


 出店攻勢を続けるロピアを札幌市内で待ち受けるのが「トライアル」と「ダイイチ」である。筆者の印象では、価格が比較的安いと感じるのがトライアルだ。福岡県で創業し、小売業界で「リテールDX」を推進していることで知られる。


 トライアルは札幌市内で8店舗を展開。支払方法は現金とプリペイドカード、スマートフォンアプリ「SU-PAY(スーペイ)」の3種類があり、最近では西友の子会社化なども話題となった。


 食品だけではなく、店舗の一部ではホームセンターに並んでいるような商品があり、衣服や文房具、食器、収納用品なども取り扱う。一つの店舗だけで「衣・食・住」がそろうわけだ。筆者もときどき利用しているが、商品の種類の多さには毎度驚かされる。


 札幌市内に7店舗を展開するダイイチは、もともと帯広市で創業し、2004年に札幌へ進出した。トライアルに対して、商品や食品が良質な印象を受ける。例えば「肉じゃが」は道産食材を使用しており「おにぎり」も手で1個ずつ握っているという。支払い方法は現金のほか、各種クレジットカードや、交通系電子マネー、コード決済などさまざまな方法に対応している。


 ロピアが北海道初進出となった屯田には、隣接して生鮮食品などをウリにしている「北海市場」が営業しており、近くに業務スーパーのほか、全日食チェーンの「スーパーエース」もあるなど「スーパー激戦区」といっても過言ではない。


 札幌ドーム周辺に位置するロピア福住店周辺にも、イオングループの「ザ・ビッグ」があるほか、業務スーパー、アークスグループの「ラルズマート」が待ち構える。5月に開業した琴似店も近隣に「TRIAL smart」が店舗を構え、「イオン」「マックスバリュ」「まいばすけっと」も営業している。


●北海道1号店で見た光景


 北海道1号店である、ロピアの屯田店が営業するシーナシーナ屯田へ行ってみた。外壁はイトーヨーカドー時代のままの色で、看板デザインのみが変わっているとみられる。


 館内には、フードコートや書店、100円ショップ、雑貨店なども営業している。数あるテナントの中でも、ひときわ人だかりができていたのがロピアだった。日曜日ということもあり、家族連れで大にぎわいである。


 ロピアといえば肉が有名なので、肉売り場を目指す。陳列している商品は、いずれも比較的大容量のパックである。さまざまな味付けをしたものや和牛ステーキなどもあり、品ぞろえが充実している印象だ。OICグループの担当者は「メインターゲットは30〜40代の食べ盛りの子どもが2人いる4人家族と設定している。子どもも親も含め、家族みんながお腹いっぱいに食べていただきたいという思いがある」と容量の多さについて話す。


 店内を回る中で、とあるブースに目を向けると「カートキー」と書かれた鍵があった。これは一体何なのか。


 OICグループの担当者によると「当社ではコイン式カートを導入している。利用者が自分でカートに100円を入れて使用し、自分でカートをカート置き場まで戻す仕組みを採用することでカート回収の人件費を削減している」とのこと。カートキーを使えば、いちいち100円玉を用意する必要もなくなる。


 コイン式カートは他のスーパーでも普及しているが、こうした施策を地道に実行することで人件費を極限まで削減し、商品をより安く提供しようとしている。


 札幌に進出しているロピアとそれを迎え撃つスーパーとの競争は、これからも激化していくに違いない。各スーパーともに、今後、どのような戦略を打ち出していくのか注目だ。


(小林英介)



このニュースに関するつぶやき

  • 岡崎に出来てツレたちと行った事あるけど惣菜はコストコの二番煎じと言った感じでした。コストコの会員証持ってないけどコストコの惣菜食べてみたい人はロピア行ってもいいと思う
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