春は進級や進学に伴い、子供のスマホデビューが増える季節です。古くなったスマホを入学祝いとして買い替えるご家庭も多いかと思います。
そんな季節に前もってか、2月には新しい「iPhone 16e」が発売されました。iPhoneを検討している方なら既にご存じかと思いますが、「iPhone 16ファミリー」の中でもっとも手頃な価格のモデルです。他の上位製品に比べてシンプルで洗練されたデザインが目を引きます。
そんな新モデルの情報はさておき、スマホデビューを控える子供に「スマホは何がいい?」と聞いても、「iPhoneなら何でもいい」「よく分からないから決めて」などといわれるケースが多いと思います。
しかし、実際は保護者がスマホを適当に選んで買い与えた場合、後に子供が周囲の子たちが持つスマホを見て「あっちが良かった」と言ってくる可能性もあるのです。
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そこで、子供に買い与えるスマホ選びの参考に、主に中高生の子供たちのスマホ事情を紹介します。あわせてスマホデビューの候補になりそうな「安価なiPhone 16eは受け入れられるのか」も考えてみたいと思います。
●iPhoneは「みんなが持ってる&“エアドロ”できる」で人気
言うまでもないかもしれませんが、10代はiPhoneがとても好きです。MMD研究所が2024年10月に発表した「2024年9月スマートフォンOS端末シェア調査」を見ても、10代男性の64.8%、10代女性の80.2%がiPhoneをメインに利用しています。全年齢でのiPhone率は49.6%なので、かなり高い割合でiPhoneを利用していることが分かります。
周囲にiPhoneが多いことから、「iPhoneを持つのが当たり前」と考えている人も多いのでしょう。また、「iPhoneはかっこいい/かわいい」というブランド力も浸透しており、さらに人気を押し上げています。
みんなが持っているからこそ、かなりの頻度でApple製品のみ使える近距離のデータ送受信機能「AirDrop」を使います。AirDropは通称“エアドロ”と呼ばれ、お互いに撮った写真や動画を送り合っています。AirDropは複数人でも一度に送れて便利ですよね。10代は月末に“ギガ”(データ通信量)が足りなくなるのが常ですが、AirDropなら基本的にモバイルデータ通信を使わないので関係ありません。iOS 17以降はiPhone同士を近づけるだけでAirDropができるようになり、ますます手軽になりました。
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こうした場面で、AirDropが使えないAndroidを使用している子には、LINEなどで写真や動画を送ることになります。「いつもエアドロの時に“オンボロイド”と責められる」と話す男子高校生も筆者に近くにいました。流行に乗らずこだわりの1台を選び持つのも大事だとは思いますが、そうした実情があります。
●iPhoneはケースが豊富なのも人気ポイント
スマホはいつも持ち歩くものだからこそ、自分らしくしたいもの。特に10代女子はケースにもこだわります。
ケースはファッションブランドや雑貨のショップ、100円均一ショップなどで購入します。こうしたショップでは、ほぼiPhoneのケースしかなく、豊富な種類からケースを選べる点もiPhone人気の理由になっています。
家電量販店では最新のiPhoneに対応するケースも販売されていますが、10代が買いに行くダイソーやドン・キホーテ、サンキューマートといった雑貨店では、旧機種のiPhoneケースがほとんどです。「型落ちのiPhoneを買えば、最新機種よりもケースが豊富」という考え方もできます。
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中でも背面が透明のケースは人気が高く、ケースの中に「推し」の切り抜きなどを挟んでオリジナルケースのように使う子が増えているようです。その昔に愛用されていたプラスチックの透明下敷きをイメージすると分かりやすいかと思います。
ケース以外にも、スマホストラップやキーホルダーなども使います。iPhoneはこうしたグッズが豊富に販売されているため、自分らしいスマホを作りやすいようです。
●自撮りにムービー、10代は撮影に忙しい
自撮りや友人との写真、ダンス動画など、常に何かを撮影している10代にとって、スマホカメラの使い勝手は重要なポイントです。いま20代半ば以降の世代はアプリの美顔加工と共に青春を過ごしていましたが、今の10代はリアルを重視しているため、標準カメラで美しく撮ることにこだわっています。
ある男子大学生に聞いたところ、「グループで写真撮るときは、一番新しいiPhoneを持っている人が撮る」と話していました。「あなたは15?」「私は14」というように、iPhoneのシリーズ名で会話し、もっとも新しくて高機能な機種を持つ人が代表で撮影するのです。そして“エアドロ”で共有するわけですね。
●iPhone 16eは10代のニーズを満たすのか
さて、話を戻しますが、こうしたスマホ利用をしている10代にとって、安価なiPhone 16eはどう見えるのでしょうか。推察してみます。
まず、ここまで紹介したように安価モデルとはいえ「iPhoneの最新機種」というのはかなり評価が高いと思います。バッテリーに関しても、最大26時間のビデオ再生が可能であり、いつも“モバ充”(モバイルバッテリー)をつないでいる10代にはありがたいでしょう。MagSafeには非対応ですが、それほど利用しないのではないかと思います。
カラーがホワイトとブラックの2種類というのは、寂しいようにも思います。カラフルな色から選びたいのであれば、iPhone 16やiPhone 15などがいいですね。
とはいえ、透明ケースに推しの写真などを入れることを考えると、白か黒の背景はすっきりとまとまります。ただ、iPhone 16eのケースの種類が他のシリーズほど発売されるのかどうかは懸念される点です。
カメラに関しては、iPhone 16eは「レンズが1つだからいまいちなのでは」と子供達に思われてしまう可能性があります。ある中学生女子は「タピオカレンズがいいので、iPhone 16eはナシ」と、レンズの数を気にしていました。しかし、大学生女子たちに聞くと、「タピオカレンズはキモい」「レンズの数は気にしていない」という声もありました。世代のわずかな違いによって、ここまで評価が変わるは面白いところです。
iPhone 16eには超広角レンズがないため、マクロ撮影や空間ビデオ撮影はできませんが、一般ユーザーであればそれほど使わないかもしれません。参考までに同じ条件でiPhone 16とiPhone 16eで撮影してみました。普段使いに大きな差は出ないかと思います。
これからiPhoneを購入する場合、iPhone 15シリーズ以前も視野に入ると思います。しかし、生成AIを活用する「Apple Intelligence」が使えるのは、iPhone 16シリーズのみです。これからの進化や、AI活用を自然に学ばせたいなら、Apple Intelligenceに対応するiPhone 16シリーズがおすすめです。
最後に、保護者としてはフィルタリングやペアレンタルコントロールを設定しやすいのも大切なポイントです。親子で同じOSにそろえておくと、「スクリーンタイム」や「ファミリーリンク」で細かな制限ができます。ただし、子供がiPhoneで親がAndroidの場合は、通信キャリアの「あんしんフィルター」やフィルタリングサービスを使うことになります。どのように見守るのかも視野に入れて、子供のスマホを選ぶといいですね。
(製品協力:アップルジャパン)
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