限定公開( 2 )
中央自動車道での逆走を想定した合同訓練を、山梨県警高速隊と中日本ハイウェイ・パトロール東京(東京都)が実施した。栃木県那須塩原市の東北自動車道で4月、逆走車がからむ多重衝突で3人が死亡するなど、逆走による事故が全国で相次いでいる。県警高速隊の榊東副隊長は「高速道で対向車はあり得ないという固定観念を捨て、安全運転に努めてほしい」と呼びかけた。
訓練は、山梨県富士川町にある施設を使い、中央道の韮崎インターチェンジ(IC)から、高齢男性が運転する車が下り線に誤って進入し、甲府方面に向けて逆走している設定で行われた。隊員ら約30人が参加した。
通報を受け、パトカーとハイウエーパトロール車の2台が後続の一般車両を止めた。発煙筒をたき、逆走車が近づくと隊員らが路肩で大きな赤い旗を振ったり、拡声器で「止まれ」と呼びかけたりして車を停止させた。
高速隊員は運転手を保護して逆走車を路肩に寄せ、パトロール隊員が安全確認をして通行規制を解除。両隊員が連携して一連の手順を確認した。
榊副隊長は「逆走車は(対応する)私たちにとっても怖い。どう役割分担をするか実際に体を動かすことで緊密な連携につながる」と訓練の重要性を説明した。【野田樹】
|
|
24年10月には死亡事故も
山梨県内の高速道路では、2020〜24年の5年間に23件の逆走事案が発生している。このうち3件が人身事故だった。24年10月には、甲府市の中央道下り線を逆走してきた乗用車が大型トラックと正面衝突。乗用車を運転していた長野県上田市の20代男性が死亡した。
県警によると、逆走はICやパーキングエリアから本線に進入する車が、誤って逆方向に向かうなどして発生する。東北道の死亡事故では、本線に合流する車と本線から降りる車が平面で交差するICから、逆方向に進入したとされる。
山梨県内には同じ構造のICが、中央道・上野原▽東富士五湖道路・山中湖▽中部横断自動車道・増穂▽同・南部――の4カ所ある。このうち3カ所を管理する中日本高速道路八王子支社は、東北道の事故を受け、矢印板や警告灯の付いた三角コーンを追加で設置したという。【野田樹】
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。